図解 戦闘機の秘密 の商品レビュー
本書は戦闘機についてのコラム集で、秋本俊二氏の「旅客機の疑問」シリーズと同様の立ち位置にある。全てのコラムの形式が、初心者が誰しも抱くような疑問の解説という形なのでとても読みやすく、戦闘機の入門書には最適。章末には戦闘機の各種ランキングも載っている。 以下印象に残った事柄を列挙...
本書は戦闘機についてのコラム集で、秋本俊二氏の「旅客機の疑問」シリーズと同様の立ち位置にある。全てのコラムの形式が、初心者が誰しも抱くような疑問の解説という形なのでとても読みやすく、戦闘機の入門書には最適。章末には戦闘機の各種ランキングも載っている。 以下印象に残った事柄を列挙 ・戦闘機とは敵軍用機を撃墜するための軍用機を指し、本来は戦争に必須というわけではなかったが、制空権の獲得のために重要となった ・現代における戦闘機の強さは、速さや兵装ではなく電子機器による情報網の優秀さに左右される。現在最強とされるのはF-22 ラプター ・戦闘機を個人で保有することは可能だが、飛ばすことは整備の関係で国内では不可能 ・ステルス機が角張っているのは、レーダー対策になるべく突起がないような機体設計をされているため ・第一次大戦中、まだパイロットの数が少ない頃は、空中で敵機と遭っても挨拶して別れていた ・戦闘機の天敵は地対空ミサイルで、ステルス戦闘機でさえ撃墜されることがある ・F-15 イーグルは30年間被撃墜数ゼロという記録を持つ ・F-16 ファイティングファルコンは現在世界で最も多く就航しているが、その理由はF-16の廉価版として造られたため ・中国戦闘機J-20は初飛行から3年以上経った現在も詳細不明 ・ロックオンとはレーダーのアンテナを敵方向に固定する事。ただしロックオンされても対抗手段は多く存在する 本書を読んで、やはり旅客機と戦闘機では、原理は同じでも方向性が全く違うことが分かった。だが、どちらも以前と異なり速度以外の点で効率化を図るようになっているのは興味深い。巨大化が進む旅客機と、ステルスが標準化しつつある戦闘機。遠い未来では、旅客機も戦闘機も独自の進化を重ねた結果、似ても似つかぬ姿になっているかもしれない。
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