入門 国際源泉課税と税務調査Q&A の商品レビュー
国税OBの牧野税理士による国際源泉課税の入門書。前提となる法令等の陳腐化はあるが、国際源泉課税の専門家だけに経験に裏打ちされたわかり易く、かつ奥深い解説で大変読み応えがあった。海外への人の動きに伴う国際源泉課税の本質的な理解をしたい人にはお勧めだ。 P18 「居住者」ですが、所得...
国税OBの牧野税理士による国際源泉課税の入門書。前提となる法令等の陳腐化はあるが、国際源泉課税の専門家だけに経験に裏打ちされたわかり易く、かつ奥深い解説で大変読み応えがあった。海外への人の動きに伴う国際源泉課税の本質的な理解をしたい人にはお勧めだ。 P18 「居住者」ですが、所得税法第2条第3号で「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上の居所を有する個人をいう。」としています。~「居所を有していること」という場合は、我が国の所得税法は「1年基準」を用いているということを強調しておきます。~我が国では「居住者」の判定には「住所を有しているか」あるいは「1年以上居所を有しているか」のどちらかを用いることになっていますから、仮に183日以上日本を離れていても、住所を有していれば日本の居住者ですし、あるいは住所を有さなくなって日本を出国した場合には1年基準を用いていますから、183日以上の海外滞在だけでは日本の非居住者にはなれないことは明らかですよね。 ~我が国において「183日」の持つ意味は、日本の非居住者が我が国で得る所得(日本国内源泉所得)に関して、我が国での課税に関する租税条約上の短期滞在者免税が適用される要件の1つに過ぎず、それ以上の意味は全く持たないということを皆さんの肝に銘じておいてください。 P129 我が国の外国税額控除の仕組みは、~その年において生じたその年分の所得税額のうち、その年において生じた所得でその源泉が国外にあるものに対応するものとして計算された金額(「控除限度額」といいます。)を限度として、その外国税額をその年分の所得税の額から控除することにしています。したがって、国外源泉所得がないと、外国税額控除を受けることはできない仕組みになっています。 ―→役員が海外出張により会社から受けた役員報酬は、日本では国外源泉所得ではなく国内源泉所得となるため、役員が海外に納税した役員報酬に係る税額を日本で外国税額控除できない。
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