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空白の五マイル の商品レビュー

4.3

91件のお客様レビュー

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2014/03/23

いろんな意味でスリル満点。たんに秘境を冒険するだけではない。岩から滑り落ちそうになる。無許可旅行で警察につかまる。先人の探検家の足跡をたどり、未踏箇所をなくしたり、彼らの誤認を正したり。そういう意味で。

Posted byブクログ

2014/02/01
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※このレビューにはネタバレを含みます

ずっと気になっていた角幡氏の本作、ようやく読むことができた。 「世界最大のツアンポー峡谷」といっても、本書で初めてその名を知った私。いったいどこにそんな峡谷があるというのだろうと思っていたが、ヒマラヤ山脈付近を大きく迂回しながら流れるツアンポー川流域のことらしい。チベット奥で、中国の未開放地区ということもあって、秘境に興味でもなければ知らなくても無理はないという地域のようだ。 探検・冒険の類の本を読むといつも思うのだが、一体全体、なんだってこの人たちは命を危険にさらしてまで、未開の地、秘境と呼ばれるところへわざわざ出向くのか。本作でも、著者は何度も何度も危険な目に遭い、いよいよ死を覚悟したという極限まで体験している。体力、気力も限界まで使い果たし、食料もわずか、装備もなくし、命からがら脱出した本作の冒険。結局は空白の五マイルを踏破することはできないのだが、著者はこの冒険を、人生で最も重みをもった経験で、同じような感動は二度とないかもしれないとさえ言っている。 常人にはなかなか理解しがたい彼ら冒険野郎。 エピローグに書かれた著者のいくつかの言葉が、私たちに彼らが冒険に取りつかれるそのヒントを教えてくれている。 「あらゆる人間にとっての最大の関心事は、自分は何のために生きているのか、いい人生とは何かという点に収斂される。(中略)死が人間にとって最大のリスクなのは、そうした人生のすべてを奪ってしまうからだ。その死のリスクを覚悟してわざわざ危険な行為をしている冒険者は、命がすり切れそうなその瞬間の中にこそ生きることの象徴的な意味があることを嗅ぎ取っている。」 「冒険は生きることの意味をささやきかける。だがささやくだけだ。答えまでは教えてくれない。」 だから、その答えが知りたくて、何度も何度も危険な場所へ、命を懸けて身を投じるのだろうか。

Posted byブクログ

2013/11/05

熱弁をふるう、暑苦しい冒険ノンフィクションではないところが、私は好きでした。 事実をきちんと、誇大せずに述べているのに、先へ先へと読みたくなるおもしろさが素晴らしく、ツアンポーにもとても興味を持ちました。

Posted byブクログ

2013/10/16

探検の描写と同じくらいかそれ以上に、いかに滞在許可の取りにくい土地に潜入するかという話が多く語られています。 探検したりする話が好きな人にはたまらないんだろうなと思います。 自分もワクワクしながら読めました。 ただ、なんとなく読みづらさも感じました。 物語の時間軸が突然変わった...

探検の描写と同じくらいかそれ以上に、いかに滞在許可の取りにくい土地に潜入するかという話が多く語られています。 探検したりする話が好きな人にはたまらないんだろうなと思います。 自分もワクワクしながら読めました。 ただ、なんとなく読みづらさも感じました。 物語の時間軸が突然変わったりして、一瞬置いていかれそうな感じがしました

Posted byブクログ

2013/10/08

[人跡未踏、その先へ]「冒険」、「探検」といった言葉が古めかしく聞こえてしまう21世紀において、未だ人類の進入を許さなかったチベットの秘境・ツアンポー峡谷。未踏地として残されたわずか五マイルに触発された著者は、無謀とも言える決死行に挑むのであるが......。桁外れの冒険をやって...

[人跡未踏、その先へ]「冒険」、「探検」といった言葉が古めかしく聞こえてしまう21世紀において、未だ人類の進入を許さなかったチベットの秘境・ツアンポー峡谷。未踏地として残されたわずか五マイルに触発された著者は、無謀とも言える決死行に挑むのであるが......。桁外れの冒険をやってのけた男の自己表現録です。著者は、若い頃からヤブをナタで切り拓くような探検に憧れていたという角幡唯介。 角幡氏の記録とツアンポー峡谷そのものにまつわる歴史が交互に語られていくのですが、どちらもとにかくスケールがでかく、またどこかおとぎ話のようでぐいぐい引き込まれていきました。インドア気質の自分としては、本書を読んでも「行ってみたい......」という気持ちにはなれませんでしたが、冒険を疑似体験させてくれた、そして、冒険とは何かということを考えさせてくれたという意味で非常に勉強になった一冊でもありました。 どこを切り取っても魅力的な作品ではあるのですが、特に個人的に印象に残ったのは、2009年の渡航箇所。文字通り死と直面しながら一歩一歩生きることを目的として地面を踏みしめていく様子には、読書という体験をとおして深淵なものを見せてくれた気がします。それにしても、あまりに自分の日常と違いすぎて少しくらっときたのがこれまた印象的だったなぁ。 〜冒険は生きることの意味をささやきかける。だがささやくだけだ。〜 「空白の五マイル」という言葉が美しすぎる☆5つ

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2013/11/12

冒険野郎とはこういう人たちのことなのか。私のように安全・安定が好きな人間にはわからない何かがあった。 著者は新聞記者だったということもあり、ツアンポー峡谷探検の歴史はとても見事に書かれていたが、自分のことを書くのは苦手なように感じた。とても素晴らしい探検だっただけに、そこが残念...

冒険野郎とはこういう人たちのことなのか。私のように安全・安定が好きな人間にはわからない何かがあった。 著者は新聞記者だったということもあり、ツアンポー峡谷探検の歴史はとても見事に書かれていたが、自分のことを書くのは苦手なように感じた。とても素晴らしい探検だっただけに、そこが残念。

Posted byブクログ

2013/08/05

人類未踏の地を制覇した......という著者の達成感は感じられるが いかんせん場所が地味なので「あっそうすか。頑張ったんですね」 という感想しか浮かばなかった。 読んでいて退屈はしないけど、全体的に盛り上がりに欠ける。

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2013/11/03

男気溢れる現代の冒険記。 文章もうまい、ページをめくらせる仕掛けもうまい。 この人はいずれ植村直己さんのように死ぬんじゃないかと思わせる迫力がある。 巻末8ページにもわたる参考資料の数々も圧倒される。

Posted byブクログ

2013/05/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

チベット高原からベンガル湾に流れるヤルツァンポ河が、ヒマラヤ山脈内で形成する大峡谷で、100年以上も前から探検隊の進入を拒む空白の5マイル。早大探検部に所属していた著者が、単独でこ空白の5マイルに挑んだドキュメンタリー。過去の探検隊の軌跡と、著者が湿気、やぶ、ダニ、食糧不足、凍傷と闘いながら踏破していく様が淡々と描かれています。文句なく面白いです。★★★★★

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2013/05/10

ヤルツアンポー大屈曲部の探検記。探検記と一言ですますより、現代を如何に生きるかで苦闘した記録、として読んだ。知っている、登場人物、場所が登場し(ツアンポー渓谷には行ったことありませんが)、同世代の著者ということで個人的に感じただけかも知れませんが。

Posted byブクログ