海鳥の眠るホテル の商品レビュー
ひっそりと佇む廃墟ホテルをメインに繰り広げられる、少し恐ろしくて静かな物語。カメラマン志望の女性、若年性認知症を発症した妻とその夫、廃墟ホテルに棲む謎の男、それぞれの人物の物語が徐々に繋がりながら、やがて明らかになる秘密。寂しくて悲しくて、だけどどこかしら穏やかな雰囲気も残るホラ...
ひっそりと佇む廃墟ホテルをメインに繰り広げられる、少し恐ろしくて静かな物語。カメラマン志望の女性、若年性認知症を発症した妻とその夫、廃墟ホテルに棲む謎の男、それぞれの人物の物語が徐々に繋がりながら、やがて明らかになる秘密。寂しくて悲しくて、だけどどこかしら穏やかな雰囲気も残るホラーミステリです。 廃墟となったホテルに隠された秘密や、謎の男の断片的な記憶。意味ありげな伏線は数々ありましたが。そうかあ、こう繋がってくるかあ。個人的には、アルツハイマー認知症にかかった彼女の物語がなんともいえずつらかったです。これは誰にでも起こりうるのかもしれない病だけれど、なによりも残酷な病なのかもしれません。しかしそれを受け入れようとする夫の姿がまた切ないなあ。
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山奥の廃ホテルに寝泊まりし、迷い込んでくる若者に怯える男。美術学校でヌードモデルをしている女。認知症を発症した妻を世話する男性。それぞれの人生には実は接点があり、明らかになっていく。 ていうか、あらすじ書きにくいわ。ミステリなんですかねこれ。ホラーと言うか、純文学というジャンル...
山奥の廃ホテルに寝泊まりし、迷い込んでくる若者に怯える男。美術学校でヌードモデルをしている女。認知症を発症した妻を世話する男性。それぞれの人生には実は接点があり、明らかになっていく。 ていうか、あらすじ書きにくいわ。ミステリなんですかねこれ。ホラーと言うか、純文学というジャンルで読み始めたほうが良いし、読み終わってからもその印象は変わっていない。あとがきには「見事なサスペンス」と書かれているのも、首をかしげる。 とまあ、純文学として読んだとして、結構早々に嫌な予感がするのは、視点をあっちこっちに移動すること。その上、その視点が飛んでいく先が、リアルな時間軸に乗っているものではないわけで、「ぼんやりした作品だった」というレビューが多くなるのも頷ける。 なんとなく途中で、作者はひた隠しにしているが、こういうストーリーになるんだろうな、というとおりにストーリーは進んでいくため、それなりに読みやすい。 が、面白いと言われたらどうかな?岡崎京子の「エンドオブワールド」の出来損ないという感じの話であり、典型的な☆2の作品であろう。 宝島社もちょっとハズレ多いな。
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3人の登場人物の別々のお話が徐々に収斂していき最後には…。読み始めてすぐ、このミス大賞を受賞した「完全なる首長竜の日」と同じ臭いがして嫌な予感を覚えたのですが、アレよりはマシな出来ではありました。ただ、救いようのない結末には脱力です。
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登場人物の一人称で語られるので 場面がコロコロ変わる こういうタイプの作品が好きなら まあ、面白いと言えるかもしれない
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何名かの人生が、それぞれ交錯しながらクライマックスへとなだれ込んでいく。「完全なる首長竜の日」と同様に、テクニックあり。うまい。
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三つの物語をひとつに終結させていく筆力は、多少強引さも感じられるが見事。なにかもの悲しいトーンに彩られた話だが、読後その切なさがいっそう募る。人物描写も現実的。 ただ、ホラーではないので帯にホラーという言葉を入れるのはやめていただきたい。あ、そんなこといったら角川ホラー文庫はほと...
三つの物語をひとつに終結させていく筆力は、多少強引さも感じられるが見事。なにかもの悲しいトーンに彩られた話だが、読後その切なさがいっそう募る。人物描写も現実的。 ただ、ホラーではないので帯にホラーという言葉を入れるのはやめていただきたい。あ、そんなこといったら角川ホラー文庫はほとんどホラーじゃなかったっけ…
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時間軸があちこち、記憶が曖昧、なんて感じ、若い頃なら「?」だったけど年取ると納得。実体験なんだか、夢で見たのか妄想したのか、あやふやな記憶がどんどんできる。…怖っ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
図書館にて。 閉鎖的でモノトーンの色合いの小説。 なんとも、誰も救いようがない。 新垣と西川の登場理由がよくわからない。 千佳の周りには父親も含めてろくな男性がいないということが書きたかったのか? アルツハイマーの描写は発病直後の本人の心理描写からリアルで、こちらを主題にしても良かったんじゃないかな。 千佳とそれぞれがもっと深く結び付いているものが描かれていたらもっと良かったような気がするが、それぞれの関係がドライで深さが感じられなかった。 新垣は二股だし、西川は付き合っていたとはいえ千佳の仕事も知らなかった上に自分から別れを口にしているし。父親とも長年音信不通だったわけだし…。 全体的に陰鬱だけど謎めいてないというか。 父親に捨てられ、母親は先に亡くなり、2回も変な恋愛をしてしまったあげく殺された千佳がかわいそうという感想になってしまった…。 うーん、『完全なる首長竜の日』は超えられなかったかな…。
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『完全なる首長竜の日』の方がよかった。これは、その二番煎じの印象がある。『首長竜』同様、語り口は見事。最後まで一気に読ませる。破綻もない。しっかり楽しませてくれる。それで充分ともいえる。ただ、後に何も残らない。
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