川と国土の危機 の商品レビュー
川や崖などの地形や水環境といった、自分が興味のあるテーマの本を続けて読む機会を得ました。最後に出会ったのがこの本でした。専門用語などが多く使われ、読みとばした部分も少なくありません。でも、今の日本にとって何が優先されるべきか、あらためてきづかされました。経済成長だけを声高に叫ぶ方...
川や崖などの地形や水環境といった、自分が興味のあるテーマの本を続けて読む機会を得ました。最後に出会ったのがこの本でした。専門用語などが多く使われ、読みとばした部分も少なくありません。でも、今の日本にとって何が優先されるべきか、あらためてきづかされました。経済成長だけを声高に叫ぶ方々に是非読んでくださればと願います。 「日本がダメなら、ハワイに住めばいいじゃないの」なんて言いだす富裕層が出ないうちに…。
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水をせき止めれば、同時に土砂も止めてしまい、河口に運ばれる土砂が無くなれば、海岸が浸食されるがままになる。 いたちごっこだから、人間のすることはたかが知れているし、ダム事業そのものが間違っているのではないか・・・という若者をむしろ諌める。 人はそのように試行錯誤しながら防災に努め...
水をせき止めれば、同時に土砂も止めてしまい、河口に運ばれる土砂が無くなれば、海岸が浸食されるがままになる。 いたちごっこだから、人間のすることはたかが知れているし、ダム事業そのものが間違っているのではないか・・・という若者をむしろ諌める。 人はそのように試行錯誤しながら防災に努めてきたのだからと。 長老の意見を聞くような気持ちにさせられる。 一貫して著者の言いたかったことは、国や行政の国土に対する根本的な哲学の無さではなかったのだろうか。
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職場の本屋の平積みから購入。 高橋さんは、昔河川関係の本を読んだ記憶がある。 水害訴訟やダム訴訟で、住民側の証人になっていたと知りちょっとびっくり。 内容は極めてまとも。 (1)東日本大震災について、「地震、津波、火山噴火、洪水など、自然の猛威が原因となる災害に関...
職場の本屋の平積みから購入。 高橋さんは、昔河川関係の本を読んだ記憶がある。 水害訴訟やダム訴訟で、住民側の証人になっていたと知りちょっとびっくり。 内容は極めてまとも。 (1)東日本大震災について、「地震、津波、火山噴火、洪水など、自然の猛威が原因となる災害に関係する科学者、技術者にとっては、防災施設の限界を再認識し、自然との共生こそが、自然災害に直面する基本姿勢であると確認する機会となった。」(p145) (2)異なる管理者下の海岸線にわたる課題については、相互に調整を行って全体の最適を求めるべきであり、そのためには日本の海岸全体をどうすべきかの哲学を確立しなければならない。(p129) 海岸堤の議論が盛んになっているが、土木学者からそもそも全体を通じる哲学がないといわれると、愕然とするな。 (3)江東デルタ地帯の網の目状の河川の堤防は地盤沈下に伴いつぎはぎ状にかさ上げされており、地震の際には崩壊するおそれがある。(p112) 全体を通じて、乏しい予算の中で国民の命を守るための政策について、土木構造物も一つの施策だた、避難計画、避難訓練や避難ビルなども含めて、何から整備すべきか、当面、命を救うために投資は何かという発想が感じられる。その意味で土木学者も変わってきている。
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