子どもの共感力を育てる の商品レビュー
子育てについて、世の中はいろいろな情報にあふれている。 ・褒めて育てるべき、 ・3歳までで頭の良さが決まる、 ・抱っこしすぎると抱っこぐせがつく などなど、まさに百人百様で、定説はない。 それでも、自分の子どもには幸せになって欲しい、そんな想いから、何らかの説をよりどころにせず...
子育てについて、世の中はいろいろな情報にあふれている。 ・褒めて育てるべき、 ・3歳までで頭の良さが決まる、 ・抱っこしすぎると抱っこぐせがつく などなど、まさに百人百様で、定説はない。 それでも、自分の子どもには幸せになって欲しい、そんな想いから、何らかの説をよりどころにせずにはいられない、そういう親たちが多いのではないか。あるいは逆に、貧困や暴力のない豊かな暮らしをしているので、普通に育てていれば問題はない、そう考える人たちも多いかもしれない。 貧困や暴力の劣悪な環境が子どもに悪い影響を与えることは容易に想像できる。しかし一見問題のない、あるいは裕福な家庭でも、子どもの成長という観点からは問題がある場合がある。 この本は、生物学的、生理学的なアプローチから、人類の自然な成長という観点から何が必要か、児童精神科医である筆者が経験した実例と、仮説を裏付ける心理学論文とともに説明している。 要点は、 ・子どもは一人の養育者と安全安心を結びつけるため、特定の養育者が継続的に世話をする必要がある ・子どもにとって新しいことは全てストレスであり、過度のストレスは子どもを防御的にしてしまう ・かといって全てのストレスを避けると、ストレス適応能力が育たない ・適切なストレスのもとで、さまざまな人と接することで、人の気持ちを考える、いわゆる共感力が育つ と、当たり前の内容ではあるが、悲惨な環境の中で、誤った子育てが繰り返される例や、そんな中でも優しい気持ちを育んで立派に成長した例を読むと、日々の子どもへの接し方について、これでよいのか、再考してしまう。
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人間は基本的に、頼り頼られる存在である。健全な社会では、人と人との関係は重要な役割を果たしている。 「愛を知らなかった子 ネグレクトされた少女が家族を得るまで」ダイアン&バーニー・リーロウで、ネグレクトをされた子どもの治療の第一人者として、ブルース・ペリーが紹介されてい...
人間は基本的に、頼り頼られる存在である。健全な社会では、人と人との関係は重要な役割を果たしている。 「愛を知らなかった子 ネグレクトされた少女が家族を得るまで」ダイアン&バーニー・リーロウで、ネグレクトをされた子どもの治療の第一人者として、ブルース・ペリーが紹介されていた。 この本を読んで、自分に何があったのかをおぼろげに理解できた気がした。 また読みたい。
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エッセンスの詰まった一冊。 I will be back. 子育て、人間についての理解が深められる本。
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前半の殆どのページは、子どもの共感力「不足」についての話。いかに様々な養育環境によって影響を受けるかが事例とともに書かれている。現時点での環境要因だけでなく、母親の胎内環境、世代間に渡る問題としても描かれる(子どもの共感力を育てるためには様々な要因が継続的に関わることが説明されて...
前半の殆どのページは、子どもの共感力「不足」についての話。いかに様々な養育環境によって影響を受けるかが事例とともに書かれている。現時点での環境要因だけでなく、母親の胎内環境、世代間に渡る問題としても描かれる(子どもの共感力を育てるためには様々な要因が継続的に関わることが説明されている)。第7章の「レジリエンス」からは、過酷な環境の中でも高い共感力をもつに至ったトリニティーの事例が紹介され、そこで、共感力を育てるためのエッセンスが考察されている。後半は集団心理的な理解、子どもにテレビを見せることの負の影響が強調される。後半部分だけは、やや基礎研究を拡大解釈した感がある。 一般向けの本だが、多くの研究を引用しながら論じられている良書。
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