鄧小平秘録(上) の商品レビュー
『毛沢東秘録』の後に読了。鄧小平の生涯を追うのではなく第二次天安門事件と文化大革命を中心に鄧小平の動静が描かれている。 白い猫でも黒い猫でも捕まえりゃいいという実利的な発想で世界第2位の経済大国への道筋をつけた中国共産党という王朝の中興の祖にあたる皇帝。資本主義を取り入れながらも...
『毛沢東秘録』の後に読了。鄧小平の生涯を追うのではなく第二次天安門事件と文化大革命を中心に鄧小平の動静が描かれている。 白い猫でも黒い猫でも捕まえりゃいいという実利的な発想で世界第2位の経済大国への道筋をつけた中国共産党という王朝の中興の祖にあたる皇帝。資本主義を取り入れながらも一党独裁という仕組みを天安門事件で多数の犠牲者を出しながらも成し遂げた功罪の主でもある。自分の後継者も見切る冷徹さも含めて毛沢東の後継者に相応しい人物といえよう。
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中国の経済発展を導いた鄧小平の生き方を、著者が当時記者として現場で経験したことや多方面の史料をもとに、舞台裏から生々しく描いている。1989年の天安門事件では、経済の開放発展と政治の自由を完全に区別して考えていたことや、南巡講話での政治手法などが理解できる。後半の文化大革命の部で...
中国の経済発展を導いた鄧小平の生き方を、著者が当時記者として現場で経験したことや多方面の史料をもとに、舞台裏から生々しく描いている。1989年の天安門事件では、経済の開放発展と政治の自由を完全に区別して考えていたことや、南巡講話での政治手法などが理解できる。後半の文化大革命の部では、失脚して下放労働となったあとに復権し、その後再度失脚する数年間の歴史となっている。毛沢東との関係や当時の心情が巧に表現されている。中国を発展に導こうと強い一貫した信念を持っていたことが印象的だが、中国の政治闘争の中で3度失脚して復活する強さには驚かされる。
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元産経新聞中国総局長による鄧小平伝。主に文化大革命と天安門事件、そして彼の死後の記述が主で、彼の伝記ではない。 この本を読む限りでは、彼は中国における一党独裁をあくまでも「過渡期」の形態と考えていたように思われた。
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