狼の群れと暮らした男 の商品レビュー
子供時代からはじまり、いつ狼の話になるのかなー?とも思ったが、その時代があってこその狼との出会いとなるのだと思った。 狼と暮らすってどんな感じなのかな?と思ったが、(群れに入るために)噛まれたり、一緒に食事したり、遠吠えを覚えたり、、、と驚いた。 本当にしっかりと群れと暮らしてい...
子供時代からはじまり、いつ狼の話になるのかなー?とも思ったが、その時代があってこその狼との出会いとなるのだと思った。 狼と暮らすってどんな感じなのかな?と思ったが、(群れに入るために)噛まれたり、一緒に食事したり、遠吠えを覚えたり、、、と驚いた。 本当にしっかりと群れと暮らしている。想像しながら読んで、思わずYouTubeで動画を検索してしまった。 本当にすごい!!狼とこんなに親しく過ごせるなんて。。。 群れと暮らすだけではなく、狼の特性を把握し、狼の子供を育てたり、狼自身を生かすためにしっかりと研究しているのだと思った。 これは、ぜひいろいろな人に読んで欲しい!!
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角幡さんの『探検家の日々本々』からの芋づる読書。 食糧らしい食糧も持たず、まるまる2年もロッキー山脈に入ってオオカミの群れと一緒に暮らした、という辺り、確かに角幡さんが刺激を受けるだろうなと感じる。ただ、角幡さんの探検がかなりディテールを描きこんであるのに対して、こちらは冒険行の...
角幡さんの『探検家の日々本々』からの芋づる読書。 食糧らしい食糧も持たず、まるまる2年もロッキー山脈に入ってオオカミの群れと一緒に暮らした、という辺り、確かに角幡さんが刺激を受けるだろうなと感じる。ただ、角幡さんの探検がかなりディテールを描きこんであるのに対して、こちらは冒険行の描き方は割とざっくりで、その分、かなりのページを自分語りと人間界のごたごたを描くことに費やしている。なので、この本から冒険の息遣いや危機迫る状況といったものを味わうには、それなりに自分でも山を歩いた経験が必要なのかもしれないと思った。 面白いのは、狼(=飼い犬)たちの群れにおける序列と役割の説明。意思決定役のアルファは自己保存に徹し、実行部隊は好奇心旺盛なベータの仕事、オメガは群れの緊張関係を緩和させる道化者。そこを理解せずに子犬を選んだり、育て方を間違ったりすることに、たくさんの犬と飼い主の不幸の芽があるんだそうだ。なるほどなー。そしてオメガとして群れに入り込んだ筆者のボロボロっぷりの凄まじさ。特に繁殖期の狼たちに当て馬ならぬ当て狼にされるシーンは、イタタタ…と顔を顰めてしまうくらい痛そう。でも、そうすることにもちゃんと必然性がある。遠吠えにも、家畜を襲うことにも、地位に応じて食べる部位が異なることにも、全てにきちんと筋が通っている。ということを読めば読むほど、人間の無軌道ぶりが逆照射されて浮き上がってしまう。アメリカのテレビ番組とか。 人間嫌いの筆者が狼の群れに居場所を求めて、最後は人間界に自分の居場所を確立するビルドゥングロマンス、としてこの本は読めるけれど、それも何だか切なかったりする。
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犬を飼う人は絶対に読むべき一冊 自ら野生のオオカミの群れに加わりに行く尋常ではない男。しかも群れの中で下位のオオカミとして。。
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狼の群れと暮らした男 (和書)2012年10月17日 18:47 ショーン エリス, ペニー ジューノ 築地書館 2012年8月24日 柄谷行人さんの書評から読んでみました。 人間というものと狼というものの関係、そして人間の関係と狼の関係の関係など考えさせられる。 狼の関...
狼の群れと暮らした男 (和書)2012年10月17日 18:47 ショーン エリス, ペニー ジューノ 築地書館 2012年8月24日 柄谷行人さんの書評から読んでみました。 人間というものと狼というものの関係、そして人間の関係と狼の関係の関係など考えさせられる。 狼の関係と「リヴァイアサン」など、もう一度ホッブスを読み直してみたい。
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「オオカミの群れと暮らした男」ショーン・エリスの半生を、自身の語りの形式で記した著書です。 動物行動学にフォーカスした学術寄りの内容を予期していましたが、著者の生まれや女性・家族関係なども込みで扱われたプライベートな要素も多分にもつ作品だったことは意外でした。 著者はその幼少...
「オオカミの群れと暮らした男」ショーン・エリスの半生を、自身の語りの形式で記した著書です。 動物行動学にフォーカスした学術寄りの内容を予期していましたが、著者の生まれや女性・家族関係なども込みで扱われたプライベートな要素も多分にもつ作品だったことは意外でした。 著者はその幼少期から人間社会よりも動物たちと馴染むとともに深く親近感を持ち、そうした生い立ちが彼のモチベーションの源泉となっており、肉体労働者や軍人としての経験を積みながらも、次第に動物たち、とりわけオオカミの心を知ることを自身の天命と悟るに至り、利害を度外視した著者の生きざまと行動力には圧倒されます。 本書のピークはやはりイギリスの動物園やアメリカの「オオカミ教育研究センター」で飼われているオオカミたちとの同棲経験を経て、アイダホ州の森で正真正銘の野生のオオカミと邂逅し、オオカミの群れの最下位のメンバーとして認められてオオカミとしての生活を営むに至る11章から15章にあると感じます。 野生のオオカミたちとの別れのあと、「わたしの精神的な故郷はアメリカの北西部だった」としながらも、本書後半はイギリスに帰国し、自然動物園を本拠に飼育オオカミの養育に没頭するかたわらで、妻子を捨てて恋に落ちたヘレンとの生活やメディアとの関係など俗な部分も含めたその後のショーンの姿が描かれるのですが、中盤の野生のオオカミとの共同生活のインパクトが強かっただけに、やや関心が低くなってしまった点は否めません。 ショーンの半生を読んでわたしが思い起こしたのは、それまでの仕事や家庭をかなぐり捨て、周囲への影響を一顧だにせず己の生を全うすることだけに専心した小説『月と6ペンス』のチャールズ・ストリックランドでした。
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(読書途中) 高い殺戮能力を持ちながらそれを使うのは本当に必要な時のみ。オオカミの社会組織から人間が学ぶことができると感じるものが多くある。本来は話し合いで問題を解決することができる人間だからこそ、むやみやたらに、つきすぎてしまった力を使うことはないと思う。 何事もどうしたら成功...
(読書途中) 高い殺戮能力を持ちながらそれを使うのは本当に必要な時のみ。オオカミの社会組織から人間が学ぶことができると感じるものが多くある。本来は話し合いで問題を解決することができる人間だからこそ、むやみやたらに、つきすぎてしまった力を使うことはないと思う。 何事もどうしたら成功するのかと過去の失敗や経験から推測し、行動することの大切さを知る。著者の場合は推測をしなかったり誤った推測をした場合は即死につながる。 人生をかけて追いかけれる夢があることのよさを改めて実感。 その場その場の巡り合わせに感謝し、その出会い、チャンスを活用する
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オオカミといると一番落ち着く、オオカミの言葉が知りたい、オオカミの群れの一員として認められたい、オオカミと世の中の架け橋になりたい。オオカミが好きすぎて、2年間も山の中で、生肉を食べたり噛まれたり命の危機に晒されたりしながらもオオカミの群れの一員として暮らした経験のある人の本。オ...
オオカミといると一番落ち着く、オオカミの言葉が知りたい、オオカミの群れの一員として認められたい、オオカミと世の中の架け橋になりたい。オオカミが好きすぎて、2年間も山の中で、生肉を食べたり噛まれたり命の危機に晒されたりしながらもオオカミの群れの一員として暮らした経験のある人の本。オオカミとは気高きいきものだ。
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幼少時代から自然に親しみ、野生動物と接してきた。でも、童話の世界でのオオカミは人間にとって悪者でしかない。著者もオオカミに対してそういったイメージを持っていた。 しかし、ある日訪れた地元の動物園で、オオカミと目が合った。 「オオカミを知りたい」 ここからが著者の類い稀なところで、...
幼少時代から自然に親しみ、野生動物と接してきた。でも、童話の世界でのオオカミは人間にとって悪者でしかない。著者もオオカミに対してそういったイメージを持っていた。 しかし、ある日訪れた地元の動物園で、オオカミと目が合った。 「オオカミを知りたい」 ここからが著者の類い稀なところで、「オオカミ対オオカミ」として接することを選ぶのだ。 最初は動物園のオオカミ。 次はネイティブ・アメリカンが管理するオオカミ。 ついにはロッキー山脈の野生のオオカミと接触し、共棲する。 ただ、ここまでできるのは、単なるオオカミ好きだけではなく、著者がかなりの変わり者だからかも。
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著者はノーフォーク出身。イギリスの田舎で父親がなかったため、祖父母に農場と自然の中で育てられ、そのご軍隊も経験した。その後、狼のためにネイティヴアメリカンのもとで狼について勉強する。その後、2年にわたり、2回もオオカミの群れの中で暮らしたイギリス人の記録。 「オオカミ」とい...
著者はノーフォーク出身。イギリスの田舎で父親がなかったため、祖父母に農場と自然の中で育てられ、そのご軍隊も経験した。その後、狼のためにネイティヴアメリカンのもとで狼について勉強する。その後、2年にわたり、2回もオオカミの群れの中で暮らしたイギリス人の記録。 「オオカミ」というと人間の暗い側面の代名詞のように使われているが、実際は「群れの保持」を第一とする、非常に社会的な動物。 アルファとよばれるオス・メスのペアを頂点に、ベータ(用心棒)、ハンターなどがおり、その他下位の個体を率いている。 群れの中で子供を産むのはアルファのメスだけ。なので、下位のオオカミはオス、メスを問わず一生セックスをしないものも少なくない。 また、文字通りアルファが群れをあらゆる方法でコントロールしている。 とくに食べ物を用いて、群れをマネージメントしている記述が面白かった。 どの獲物を狩るか、常にアルファが決める。 ふだんは群れの、個体維持のために元気な獲物を狩るが、アルファのメスの出産が近づくと、わざと弱った年老いた獲物を狩るようにする。それは、生まれてきた仔オオカミにメンバーたちが攻撃的にならないよう、群れ全体のエネルギーレベルを落とすためである。
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ローマの建国者である双子のロムルスとレムスは狼に育てられた。 インドではオオカミに育てられたアマラとカマラという少女が発見された。 ローマ建国は神話のお話だし、アマラとカマラに至っては後にある種の 精神疾患者との説も出ている。 オオカミ。おとぎ話に出て来るそれは、子豚を襲い、...
ローマの建国者である双子のロムルスとレムスは狼に育てられた。 インドではオオカミに育てられたアマラとカマラという少女が発見された。 ローマ建国は神話のお話だし、アマラとカマラに至っては後にある種の 精神疾患者との説も出ている。 オオカミ。おとぎ話に出て来るそれは、子豚を襲い、おばあさんの お腹を食い破る凶悪な悪役である。 しかし、実際のオオカミは人間が彼らの領分を脅かさない限りに おいては人間を襲うことはない。 「大神」とも表記されることもあるこの動物は、神聖な生き物と崇め られることもある。 著者は自然に囲まれたイギリスの農場で育った。それが野生動物へ の親愛を育んだ。 オオカミの再導入プロジェクトに参加する為に海を渡りアメリカへ。 そこで再導入プロジェクトを主導するネイティブ・アメリカンが、 再導入された以外のオオカミがいると信じているのを証明する かのように著者は野生のオオカミの群れを探し求めてロッキー 山脈の自然のなかへ踏み入って行く。 無謀なのである。確証も何もなく、ネイティブ・アメリカンが語る ことだけが根拠なのである。いくら野生動物好きでも、これは 絶対に真似が出来ないだろう。 最小限の食料と衣服。飢えと恐怖。そして、幸運にも彼はオオカミの 群れに出会い、群れへの加入の儀式を経て最下層の人間オオカミ として一員となる。 いくら群れに迎えてもらう為とはいえ、噛まれるのはいやだよ~。 でも、著者はそれに耐えちゃうのだ。そうして群れと一緒に生活 するようになると、あわやという場面でオオカミが彼の命を救って くれたりするのだ。 飼育されているオオカミの記録はあるが、野生のオオカミ、しかも その群れの一員としてオオカミの生態を観察した貴重な記録だ。 オオカミの群れの在り方がとても興味深いが、後にも先にもこの 著者だけだろうな。こんな常識を覆す観察の仕方をしたのは。
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