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読書を支えるスウェーデンの公共図書館 の商品レビュー

3.7

9件のお客様レビュー

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2021/05/29

子どもと図書館をつなげる様々な取り組みがされていること、移民などのマイノリティの利用促進に力を入れていること、作家を招いてのイベントが小さい図書館でも行われていることが印象に残った。

Posted byブクログ

2019/06/17

映画「ニューヨーク公立図書館」に触発されて読み始めた北欧図書館シリーズ(勝手に名付けた(笑))の第2弾。例によって少々硬い内容で、それならグラフや図にして説明して欲しいけど、文章だけだと数値も頭に入りにくいです。しかし、この本では、図書館って何のためにあるのだろうって意義を考える...

映画「ニューヨーク公立図書館」に触発されて読み始めた北欧図書館シリーズ(勝手に名付けた(笑))の第2弾。例によって少々硬い内容で、それならグラフや図にして説明して欲しいけど、文章だけだと数値も頭に入りにくいです。しかし、この本では、図書館って何のためにあるのだろうって意義を考える契機になるようなエピソードがいっぱいです。図書館と言う器の意義を考えると地域のコミュニティの場を提供するってことなんだろうか、それもあるだろうし、一方で、市民と情報や知識を結びつけるという目的もあり、その市民にはさまざまな世代がいる時にそのさまざま世代ごとにどう対応するか、その策も考えないといけない、、なかなか大変な位置づけなんですね。冒頭で、経済危機に陥った時に「図書館を廃止するか」という問いかけに「図書館を維持していくのにはお金がかかりますが、それで廃止したら将来もっとお金がかかることになる」って話。もっともですね。行政は目先ではなく、将来の投資をしている気概で臨まないといけないですね。

Posted byブクログ

2015/07/14

北欧の福祉はすごいすごいとよく話に出るけど、具体的にイメージできなくて、そういえばスウェーデンは図書館も独特と聞いたことがあったなと思い出したので読んでみた。楽しそうな図書館の取り組みがたくさん紹介されていた。一方、福祉スゴイの先入観が強かった分、図書の予約金や延滞料と場所によっ...

北欧の福祉はすごいすごいとよく話に出るけど、具体的にイメージできなくて、そういえばスウェーデンは図書館も独特と聞いたことがあったなと思い出したので読んでみた。楽しそうな図書館の取り組みがたくさん紹介されていた。一方、福祉スゴイの先入観が強かった分、図書の予約金や延滞料と場所によってはトイレの使用料もとるというのが驚きでした。若者の読書離れは世界共通なのかな。

Posted byブクログ

2013/06/06

とてもおもしろかった。スウェーデンに行きたくなった。 図書館で作家を支えるという考え、なんだろう、社会として、読者や筆者をすごい大事にしているという気がする。

Posted byブクログ

2018/03/25

図書館が重要視され、信頼されているスウェーデン。 それは司書だけでなく、様々な団体や国自体も努力している結果です。 移民・難民が多い中で、図書館は文化的な問題解決の第一人者となっています。 しかし、経済的理由に公共図書館分館と学校図書館が統合されることが増えたり、図書館法を撤廃し...

図書館が重要視され、信頼されているスウェーデン。 それは司書だけでなく、様々な団体や国自体も努力している結果です。 移民・難民が多い中で、図書館は文化的な問題解決の第一人者となっています。 しかし、経済的理由に公共図書館分館と学校図書館が統合されることが増えたり、図書館法を撤廃した過去を持つという負の面もあります。 日本の図書館にとっても、学ぶことの多い一冊。

Posted byブクログ

2013/01/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

-----  あらゆる方法で図書館の魅力を子どもたちに示すことができるのは、小学校から中学校までの九年間にかぎられている。というのも、フィンスカテバリには高校がないため、高校に進学した子どもたちはべつのコミューンまで通学するようになるからである。  九年間、一生懸命図書館利用教育に取り組んできた司書としては、子どもたちがそれぞれの高校にある学校図書館へ行くことを期待したいところではあるが、高校生にとっては図書館以外にも面白いところがたくさんあるし、進学するとやらなくてはいけないこともぐっと増えてしまう。いつのまにか、。公共図書館からも、読書からも離れていってしまう・・。この傾向はフィンスカテバリにかぎったことではなく、高校生の図書館離れはスウェーデン全体を覆っている。  図書館離れと読書離れが一気に進む高校生に向けて、二〇一〇年に通学バスを使ったユニークなサービスがはじまった。それが「ライン500:通学路の本」である。「ライン500」とは、ヴェストマンランド・レーンとダーラナ・レーンにある五つの町を通るバスルートのことで、毎日、多くの高校生を乗せて走る路線バスのルート名をそのままプロジェクトの名前にした。  若者の読書離れを食い止めるためには、高校生が気軽に本を手にとる状況をつくりだすのがよいのではないかという発想が、このプロジェクト誕生のきっかけとなった。バスの中に図書コーナーを設けて、「走る図書館」としたのである。図書館と違うのは、読んで気に入った本を自分のものにしてもよいことである。もちろん、読了後バスに返却してもよいし、友達に貸してもよいことになっている。バスが通る五つの町の図書館では、バスに置いてある本を推薦するためのブログを作成し、本を読んだ高校生の感想も掲載している。ちなみに、このプロジェクトには文化評議会が助成金を出しており、地域図書館とヴェストマンランド公共交通がプロジェクトの実施にあたっている。     --小林ソーデルマン淳子・吉田右子・和気尚美『読書を支えるスウェーデンの公共図書館 文化・情報へのアクセスを保障する空間』新評論、2012年、123-125頁。 ----- 1.小林ソーデルマン淳子・吉田右子・和気尚美『読書を支えるスウェーデンの公共図書館 文化・情報へのアクセスを保障する空間』新評論、読了。 スウェーデンの公共図書館の伝統を言い表す表現に次のようなものがある。すなわち「人は誰しも本を読む権利があり、それを保障する場所が公共図書館である」。本書は百年以上にわたる公共図書館の伝統と今を報告するドキュメント。意義と可能性を示唆する一冊だ。 公共図書館の源流はどこにあるのか?それは生涯学習のさかんなお国柄。百年前からはじまる自主的学習サークルの読書会に由来する。読書会は校舎なき学校の役割を果たし、移民受け入れと教育について、自己認識と他者認識の「平等」の場として図書館が機能した。そのことに驚く。 今日では、単なる資料提供の場にとどまらない。映画会、コンサートから語学講座まで。地域コミュニティの中核としての「総合文化センター」と呼べるほど多様なものになっている。 読書離れに対しては駅構内図書館や「走る図書館」(図書コーナー設置バス)など新しい挑戦も。「公共図書館とは社会を映し出す鏡のようなもの」。施設内の椅子や机、書架にも使いやすさと意匠にも工夫を凝らす。 生涯学習を縦糸に異文化コミュニケーションを横糸に独自の進化を遂げる図書館。本書は、スウェーデンの図書館制度と歴史、法律、サービス・プログラム・施設の今を報告する好著。

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2012/11/05

スウェーデンの公共図書館について分かりやすくまとめた本。口絵のカラー写真も館内の様子がよく分かり、ステキです。 スウェーデンでも若者の活字離れが進んでいて、そのために図書館もティーンエイジャー向けの図書館を作ったりと工夫をしているらしいです。本以外にも魅力的な娯楽がたくさんある...

スウェーデンの公共図書館について分かりやすくまとめた本。口絵のカラー写真も館内の様子がよく分かり、ステキです。 スウェーデンでも若者の活字離れが進んでいて、そのために図書館もティーンエイジャー向けの図書館を作ったりと工夫をしているらしいです。本以外にも魅力的な娯楽がたくさんある中で、いかに本に目を向けさせるかは世界共通の悩みなのねと実感。 「図書館は地域の文化的な拠点である」(スウェーデンにも美術館とか文化的なものがない田舎の地域が多くあるそうな)という考え方、またそこから派生する取り組みを日本の地方都市の図書館は学ぶべきだと思う。

Posted byブクログ

2012/10/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

吉田右子氏による『デンマークのにぎやかな公共図書館』に続く北欧の公共図書館に関する著作。今回は実際にスウェーデンの図書館で司書として働く小林ソーデルマン氏、筑波大大学院の和気氏が共同著者として執筆している。 デンマークと同様に移民国家のスウェーデン。北欧の図書館では移民向けサービスが当たり前の基幹サービスだそう。 スウェーデンが他の欧州諸国の図書館と違うところは教会や国が主体となってできた図書館ではなく、民衆運動から生まれた点。上からの押し付けではなく、市民から生まれた図書館で生涯学習の基盤として根付いている。そのせいもあってか自治自律の意識が強く、図書館法自体が廃止されていた時期が長らくあった、という点が驚きだ。 ただ財政難による閉鎖などや、職員数などは思ったよりも少ない印象で(その分専門性も高いのだろう)、良い面ばかりが強調された本ではなく実状もしっかり紹介されている。 サービス面では生涯学習、マイノリティサービス、障碍者サービスが重視されていると共に、児童サービスが充実している印象。 やはり北欧の図書館はデザインが素敵。特に表紙や口絵に紹介されているストックホルム市立図書館の円柱状の壁にずらりと本が並ぶ様はため息が出るし、何気なく置いてある机や椅子といった家具がとにかくお洒落。居心地のよい空間なんだろうなあ、というのが窺える。

Posted byブクログ

2012/09/06

前作のデンマークのにぎやかな公共図書館に引き続き、 スウェーデンの公共図書館の状況がよくわかる。 まるで、スウェーデンの図書館の心地よい椅子で本をよんでいる気になれる(実際に、スウェーデンの図書館の椅子は最高だった) デンマークの本も、このスウェーデンの本も、読み終わった後に...

前作のデンマークのにぎやかな公共図書館に引き続き、 スウェーデンの公共図書館の状況がよくわかる。 まるで、スウェーデンの図書館の心地よい椅子で本をよんでいる気になれる(実際に、スウェーデンの図書館の椅子は最高だった) デンマークの本も、このスウェーデンの本も、読み終わった後に、「状況は違えど、世界中のライブラリアンががんばってる!自分も頑張ろう!」と励まされた。

Posted byブクログ