誘惑三重奏 私立高校生徒会 の商品レビュー
内容としてはほぼ完璧と言えるのだが……
前半ツンで後半からツンデレとなる勝気な生徒会長&おっとりさんな書記がヒロインで主人公は副会長。舞台は当然ながら高校(主に生徒会室)。ほとんどライトノベルな設定であり、官能要素があるからほとんどジュブナイルポルノと言える作風だが、これに女教師が加わることで学園官能小説の体を成してい...
前半ツンで後半からツンデレとなる勝気な生徒会長&おっとりさんな書記がヒロインで主人公は副会長。舞台は当然ながら高校(主に生徒会室)。ほとんどライトノベルな設定であり、官能要素があるからほとんどジュブナイルポルノと言える作風だが、これに女教師が加わることで学園官能小説の体を成している作品である(ついでに言えば、生徒会長はツインテール)。先生は27歳だが人妻でもあり、本作では熟女担当となる。確かに17歳の主人公から見れば熟女だろうから別段問題はなく、妖艶な魅力で作中のオトナ成分を一手に担っている。バラエティに富み、魅力に溢れ、そして属性としての守備範囲も広いこの3人のヒロイン構成は実に素晴らしい。青臭い娘っ子ばかりでもなく、脂っこい熟女ばかりでもない陣容はほぼ完璧と言える。 特にメインヒロインがいる訳でもなく、官能面としては、後半以降で出てくる3Pや4Pもカウントするとして、生徒会長5:先生3:書記2といった比率だろうか。責められると可愛らしくなる生徒会長のギャップも良いし、何より先生の熟女っぷりというか年上お姉さんっぷりが半端なく淫靡でナイス。奥手で健気な書記さんが若干押され気味で少々報われない感じもするが、そのキャラが逆に庇護欲をくすぐる面もある。官能描写も申し分なく、濃厚過ぎず淡白でもない淫猥さが全編で描かれている。 ストーリーというほどのドラマはなく、まぁ、かなり都合の良い、一種の超展開ではあるのだが、上流階級の多い私立高校の生徒であり、そもそも生徒会役員だし、先生もまた出自が良いことを逆手に取った心情描写を葛藤と困惑の背景にしているのはなかなか良かった。恋慕の情を内に秘め、頑張って告白するような場面のあるが、基本的には最初からラヴラヴ設定ではなく、許されない関係を結ぶことへの理性的な矜持と肉欲的な感情とがせめぎ合い、揺れ動く悩ましさから、最終的には、どちらかと言うとその背徳感をスパイスにしながら心を解放する方向寄りでタガを外し、全員で秘密を共有するような関係になっていく感じである。7月から11月という経過の合間には文化祭という生徒会向きなイベントもあったりで、ストーリーと官能の双方で時間をかけた関係の醸造が見てとれるのも好ましい。 しかしながら、例えば夏休みにお口奉仕のみだった関係が、いつの間にか合体も済んだことになって後の展開が進んでいたり、これに付随して、初めて結ばれた場所が当初と変わっていたり、あるいは対面座位や正常位で繋がっているのに『背中越しに振り返り』とか『後ろ姿』といった、後背位かの表現が出てきたりしており、小説として決して小さくない齟齬が散見された点において残念と言わねばならない。キャラ設定(属性)やストーリー展開および官能面において総じて見れば実にバランスの取れた上質な出来映えであり、本来なら星5つを献上したいところである。
DSK
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