金狼の遺言 完全版 の商品レビュー
馬場のことはどうしても許せなかった模様。 日プロクーデター事件の際の恨み、というよりその直後の日プロ全日合流時、そしてシンとのタッグでの二度目の参戦時に、相当な屈辱的仕打ちを受け、それらについての馬場への恨み、とみえた。 加えて、セメントなら馬場などイチコロ、との意識もありリス...
馬場のことはどうしても許せなかった模様。 日プロクーデター事件の際の恨み、というよりその直後の日プロ全日合流時、そしてシンとのタッグでの二度目の参戦時に、相当な屈辱的仕打ちを受け、それらについての馬場への恨み、とみえた。 加えて、セメントなら馬場などイチコロ、との意識もありリスペクトも出来ないと推察。セメント技術、それって、重要なの?と思うが、当事者にとっては重要なんだろう。別書での猪木にもそれは感じた。 このように当書では、プロレスラーのセメントの強さの必要性を強調していたのが印象的。書かれた時代がすでにゼロ年代後半であるにもかかわらず、である。やはり鉄のケーフェイの中の人なんだなあ、と思った。 そして、新日本系が中心ではあるものの、自分より若い世代をまんべんなく、セメント云々でもかなりたてて褒めた記述になっていることに感銘を受けた。 (つまり本書で貶めている対象は馬場のみ)
Posted by
不滅のヒール上田馬之助こと人間上田裕司が生前筆者に語った内容をまとめた本。今でも謎とされるアントニオ猪木クーデター未遂事件の真相や、セメント(真剣勝負)に強かったレスラーの事がまとめられている。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2011年に亡くなった稀代の日本人悪玉プロレスラー、上田馬之助さん。 上田さんが闘病中に語った言葉を、トシ倉森さんが口述筆記した凄い作品。 東京スポーツでの連載に大幅な加筆・修正が加えられ、完全版となったもの。 本物のプロレスラーであった故人に対し、敬意をもって以下敬称略とさせて 貰います。 上田馬之助というプロレスラーを最初に認識したのは、国際プロレスに フリー参戦した頃。とにかく、その容姿に度肝を抜かれた。 今でこそ普通だが、あの頃(1976年)に頭髪をまだら模様に染めた日本人 なんて、殆ど居なかった筈。戦法は正に極悪、説得力満点の反則技を随所に 繰り出す。ラフには滅法強かったラッシャー木村を完全に圧倒し、IWA王座を 奪ってみせた。 後年になってプロレスの見方が解ってくると、とにかく強さが際立ってる事に 唸った。特に、前田日明のキックを正面から受け、同体で場外心中したシーン は見事の一言。まさに本物という言葉が相応しい、最高の悪玉だった。 そんな上田馬之助が、自身の口から語った言葉は本当に重い。 日本プロレス道場でのセメントスパーリング、トージョー・ヤマモトとの シュートマッチなどの逸話は、あの上田馬之助が語るからこそ説得力に溢れる。 つくずく思う。惜しい人を亡くした、と。 あの交通事故さえ無かったら、きっと今でも上田馬之助はリングに上がって いるんじゃないかと思う。相変わらずの恐ろしさを撒き散らしながら。
Posted by
昨年暮れに亡くなった元レスラー・上田馬之助の東スポ連載コラムを一冊の本にまとめたもの。 実は左耳が不自由だったとか、(噂にはセメントマッチに定評があったと聞いていたが、)アメリカ修行時代のその「武勇伝」や日本プロレス時代のクーデター騒動の話など今まで知らなかったことが綴られていて...
昨年暮れに亡くなった元レスラー・上田馬之助の東スポ連載コラムを一冊の本にまとめたもの。 実は左耳が不自由だったとか、(噂にはセメントマッチに定評があったと聞いていたが、)アメリカ修行時代のその「武勇伝」や日本プロレス時代のクーデター騒動の話など今まで知らなかったことが綴られていて、あっという間に読み終えた。同年代の猪木、馬場には、実は一目置いていたことも本書の端々から感じられた。個人的には、新日時代のタイガー・ジェット・シンとの凶悪タッグで暴れまわったことが忘れられないし、猪木とのシングルの五寸釘デスマッチで、死闘の末、猪木に腕を折られたことや新日vsUWFの対抗戦のときに意外に前田日明とかUWF勢に健闘していたことが思い出される。晩年は不慮の交通事故で、半身不随になるくらいな重症を負ってしまっても、一生を終えるまで”生涯一レスラー”だったことがわかる一冊。改めて合掌。
Posted by
- 1