小説 日蓮(下) の商品レビュー
柴田錬三郎が言ったように日蓮は「法螺吹き」ではないか?良観との「祈雨対決」仏教者が「7日のうちに雨降らば弟子となろう」と思い切った挑発を言うだろうか。自伝的文章にあるといっても疑わしい(と思う)。女性信徒への情感溢れる書簡が有名だが、ほとんど色気なし。自ら「なぜ正しいことを主張し...
柴田錬三郎が言ったように日蓮は「法螺吹き」ではないか?良観との「祈雨対決」仏教者が「7日のうちに雨降らば弟子となろう」と思い切った挑発を言うだろうか。自伝的文章にあるといっても疑わしい(と思う)。女性信徒への情感溢れる書簡が有名だが、ほとんど色気なし。自ら「なぜ正しいことを主張して迫害される」と苦悩する人間像。対蒙古防衛体制に邪魔者なのを無自覚。 鎌倉から佐渡へ流罪。佐渡で曼荼羅を書き上げたところで小説は終わり。 名脇役の源空丸は、佐渡で怪我をして亡くなりその際、日蓮が念仏を唱えたのはちょっと不思議 〇法門上は、本尊は最重要の争点。 佐渡始顕本尊は実在せず(だから「文字が金色になった」と空想を巡らせる)はじめて本尊を書いたのはまだ鎌倉に居るときなので史実とは異なる(もちろん作者は承知だろうが) 島田の意図は、従来の激しくプロテストする怪傑のイメージを改め「念仏に寛容」な日蓮を打ち出してみることにあったと思う。『斬首場・竜の口での奇跡』にしても、あまりに堂々とした態度に気圧されて、平左衛門でさえ刀を降りおろせなかった‥とする。それは《奇跡》よりも人の心を打つことであるから、幕府は一層恐れ弾圧し、弾圧は宗教を強くした‥
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上巻の方が面白く読めたな~と思って読んでいましたが、最後がとても良かったです。 心の底から突き動かされる真っ直ぐな気持ちに、人は感動したり心動かされ変わっていけることを見た気がしました。 日蓮が斬首になる過程が、あっさりとしていて今一つよく分からなかったし、人々が念仏にすがる時代背景をもう少し描いて欲しかったかなと思いました。
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