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代理母問題を考える の商品レビュー

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2019/03/29

法律家だけあって女性の出産をコントロールする(中絶の)権利(それに男性も加わるか)VS胎児の人権を各国様々とレポートし「現在、人類の2/3が(部分的にでも)中絶を許される地域に住んでいる」とする。サウジアラビアでは胎児を流産させるのは殺人罪(死刑)だが、イスラム圏でも甘い国もある...

法律家だけあって女性の出産をコントロールする(中絶の)権利(それに男性も加わるか)VS胎児の人権を各国様々とレポートし「現在、人類の2/3が(部分的にでも)中絶を許される地域に住んでいる」とする。サウジアラビアでは胎児を流産させるのは殺人罪(死刑)だが、イスラム圏でも甘い国もあるのか?ライフサイクルとして「産む権利」が保証されなければ社会は存続できない、東京に出生率日本最低でも流入があるように、国際移民が人口維持するようになるだろうか。文化ギャップ以上に出産法制の隔絶、韓国のように移民志向の貧国の人権侵害

Posted byブクログ

2013/09/26

勉強になった。用語解説もあり、代理母問題を考えるのに便利な一冊と言えるだろう。 ただ、やはり日本学術会議の提言はパターナリズムに陥っていて、受け入れることはできないと感じる。この問題で第三者がすべきなのは規制ではなく、予防・解決のための環境づくりだろう。

Posted byブクログ

2012/12/02

代理母にまつわる世界と日本の歴史的過程、現在をまとめた1冊。 著者が法律系の人なので、法律に関する話がものすごく多いです。まぁ代理母および代理出産は法的にどう位置付けるかが国によっててマチマチで、日本はまだ法整備もできていないので当然と言えば当然なのですが。 わたしはこっちのほう...

代理母にまつわる世界と日本の歴史的過程、現在をまとめた1冊。 著者が法律系の人なので、法律に関する話がものすごく多いです。まぁ代理母および代理出産は法的にどう位置付けるかが国によっててマチマチで、日本はまだ法整備もできていないので当然と言えば当然なのですが。 わたしはこっちのほうが好き。 「代理出産 生殖ビジネスと命の尊厳」 http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0492-b/index.html あと次に読む一冊はこれだなと思った。最近新聞の書評でも話題だし。 「精子提供 父親を知らない子どもたち」http://www.shinchosha.co.jp/book/438803/

Posted byブクログ

2021/01/05

法的な記述はさすがに正確。Roe vs WadeからCassy判決までちゃんと書いてある。でも辻村先生がどう考えているかはわからない。ジュニア新書だから事実だけ書けば十分なのだろうが、淡々としすぎていてジュニアは読まないだろう。

Posted byブクログ

2014/06/20

日本学術会議の「生殖補助医療の在り方検討委員会」による代理母出産のルール作りのための提言を下敷きに、人権の概念や歴史を交えつつ代理母出産をめぐるいろいろを紹介する本。 ジュニア新書は子供に興味を持たせるためのものと、興味はあるけれど難しいことはわからないよという大人がとっつきや...

日本学術会議の「生殖補助医療の在り方検討委員会」による代理母出産のルール作りのための提言を下敷きに、人権の概念や歴史を交えつつ代理母出産をめぐるいろいろを紹介する本。 ジュニア新書は子供に興味を持たせるためのものと、興味はあるけれど難しいことはわからないよという大人がとっつきやすいものとある。 これは(子供に語りかけてはいるけれど)後者の色合いが強い。 自ら「中立」と言い切ってしまう前書きに少々警戒したけれど、確かに中立といってもいいかもしれない。 まんなかの「中立」ではなく、あんなのもこんなのもあるよと並べて見せる「中立」。 子供を産む権利はたしかにあるけれど、それは他人の体を危険にさらしても許されるほどの権利なのか? 自由意思とは本当に自由意思なのか?社会的経済的な圧力がないといえるか? 代理母と依頼者、卵子提供者と代理母と依頼者、法律上の母は誰?どうやって決める? など、様々な論点が論じられる。 検討委員会の検討は、この本を読んだ限りでは本当に検討しているようで、ちょっとびっくりした。 政治的なすり合わせやイデオロギーの対決ではなく、倫理と論理で真っ向から思考してる。 提言自体は私の考えと違うところもあったけれど、この根拠にもとづいてこう考えた結果こういう理由でこれを推します、と筋道だてて説明されているので納得できた。 世論を反映すると言っても世論が無知に基づいている場合もあるとか、法や判例に基づくといってもその法や判例を検討しなければならないのだからそれを根拠にするのはおかしいとか、反論の仕方が論理的に強い。 いい具合に学術してる。 ただ、著者が自明の理と考えているらしい部分が少々気になる。 たとえば貧しい女性を搾取する営利目的の代理出産は処罰すべきだが、処罰の対象はどこまでかという問題。 依頼者を罰しては生まれた子供を「犯罪者の子供」「犯罪によって生まれた子供」にしてしまい、子の福祉に反する。という意見がでてくるけれど、これっておかしくないか? 正すべきは「犯罪者の子供」が不利益をこうむる状態であって、子供がかわいそうだから罪に問わないってのは、万引きなんかでもよく聞くけれど論点がズレている。 結局依頼者も処罰に含める結論にいたるけれど、「犯罪者の子供」という発想自体は問われない。 あるいは「独身者や同性カップルの代理出産を認めないのは当然」という、これは著者自身の意見と思しき部分。 戸籍上の同性は婚姻できない。性同一性障害で戸籍を変更したい人は体を変えて生殖能力をなくさなければいけない(これはリプロダクティブライツに反するんじゃないか?よく考えたら「戸籍が欲しけりゃ去勢しろ」ってものすごく怖い考えだ)。 婚姻できないのも生殖できないのも法律上の問題なのに、それを理由に排除するのっておかしくないか? 婚姻しないヘテロカップルだって婚姻制度に不備があるせいで事実婚にとどまっているケースがある。 と思うんだけど、これは多分検討されていない。 ただ当然ダメだろうと書かれるだけで、ダメな理由の説明はない。 この本の中で扱われる「子をほしがる人」が「婚姻中の日本国籍をもった夫婦」であるのは典型例を出しているからだという。 一応「一般的には」「一番多い型を例にとって」とあるし、ところどころで同性カップルの存在にも(マイナス面ながら)触れている。 それでもやっぱり典型例以外は眼中にないような気がしてしまう。 少なくとも、この本を読む子供の中に生殖医療で生まれた子やセクマイがいる可能性はまったく見えていないだろうと思う。 全体としては良い本だけに残念。

Posted byブクログ