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本ボシ の商品レビュー

3.4

19件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2015/09/23

2015年、44冊目は長らく積読だった曽根圭介。 あらすじ:静岡県警富士署、一杉研志巡査部長は沼津署管内で起こった幼女死体遺棄事件の捜査本部へ応援で詰めることとなる。事件は元小学校教師の自供で一応の解決を迎える。しかし、元刑事、宇津木は一杉に一枚の紙を渡す。そして、二年後、また...

2015年、44冊目は長らく積読だった曽根圭介。 あらすじ:静岡県警富士署、一杉研志巡査部長は沼津署管内で起こった幼女死体遺棄事件の捜査本部へ応援で詰めることとなる。事件は元小学校教師の自供で一応の解決を迎える。しかし、元刑事、宇津木は一杉に一枚の紙を渡す。そして、二年後、またしても幼女殺害事件が起こる。 500p弱、久々、一気読み。面白かった。『熱帯夜』の複数視点が織り成す展開、今回も叙述トリック系かと思いきや、どちらかと言うと、『沈底魚』に近い感触。冤罪を絡めて、警察機構(日本の行政機構)に対しての辛辣さが表れてる。 ラストは「えっ?コレで終わるの?」と思うかもしれないが、読んだそれぞれの人がそれぞれの展開を考えさせるような造り。自分は、逆にこの終わり方がシックリきてる。一杉が一皮剥けて、ネクスト・ステップに踏み出す感じが出てると思う。まぁ、好み分かれる大きなポイントだとも思うけど……。

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2015/07/24

人間の記憶がいかにあいまいか、そして自分に都合のいいように作り変えられるかという脳関連の本では必ず出てくる図地反転を題材にしたミステリー。伏線も多く後半にいくにつれて期待が高まったのだが、予想に反してラストはあっさり。うーんこういうのもアリだとは思うけどちょっと物足りなかったかな...

人間の記憶がいかにあいまいか、そして自分に都合のいいように作り変えられるかという脳関連の本では必ず出てくる図地反転を題材にしたミステリー。伏線も多く後半にいくにつれて期待が高まったのだが、予想に反してラストはあっさり。うーんこういうのもアリだとは思うけどちょっと物足りなかったかな。

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2014/01/10

原題は『図地反転』。最初落丁かと思ってしまった・・くらい、評価が分かれる新鮮な終わり方。まるで打ち切りの少年漫画の最終回のよう・・・。 でも、誰が犯人で動機があーだこーだ、警察組織の体制がどーとかがメインの話ではなく、どのように冤罪が生まれるのか、人の記憶のいい加減さを伝えたかっ...

原題は『図地反転』。最初落丁かと思ってしまった・・くらい、評価が分かれる新鮮な終わり方。まるで打ち切りの少年漫画の最終回のよう・・・。 でも、誰が犯人で動機があーだこーだ、警察組織の体制がどーとかがメインの話ではなく、どのように冤罪が生まれるのか、人の記憶のいい加減さを伝えたかったであろう話なので、これはこれで有りだと思う。 冤罪に立ち向かう女弁護士や家族問題を抱えるアパート大家、独自に事件を追う元刑事の宇津木、そして本ボシと思われる人物など、登場人物への掘り下げも個人的には物足りなかったけれど、一体何を信じればいいのか、誰を信じればいいのかわからないままにしたかったっていう目的があったのであれば、大成功だと思う。

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2013/07/06

自分と同じ地元出身の著者。その地元が舞台になっている。親しみのある地名や場所、訛りなどになんとも郷愁をそそられた。ストーリーに関しても自分好みの人間ドラマ色の濃い警察小説で、一気読み。確かにエンディングはあっけなかったが、解説を読むとこれもアリなのかな、と思う。それにしても同じ警...

自分と同じ地元出身の著者。その地元が舞台になっている。親しみのある地名や場所、訛りなどになんとも郷愁をそそられた。ストーリーに関しても自分好みの人間ドラマ色の濃い警察小説で、一気読み。確かにエンディングはあっけなかったが、解説を読むとこれもアリなのかな、と思う。それにしても同じ警察小説でもド公安モノの「沈底魚」とは毛色が全く異なるし、ホラーの「鼻」も又然り。著者の才能の深さに感心する。すっかりファンになってしまった。

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2013/02/12

舞台は沼津。 静岡県東部在住者にはお馴染みの場所が多数登場して楽しめます。 物語は悪くないが、全てが中途半端で終わってる感じ。残念。

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2013/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人間の先入観・思い込みがもたらす悲劇を冤罪をテーマに描いた物語。浮かび上がる組織、メディアの問題点や右往左往する人間模様に引き込まれてするする読み切ってしまった。結局真実に到達するのは小悪党のアウトローというのが皮肉が効いてた。面白かった。 人間の記憶なんて曖昧なものでしかないという認識。それによって人間の制度は辛うじて成り立っている、というのは実は非常に怖いことだ。それでもしも自分が決定的に不利な立場に置かれてしまったら……。二重の恐怖を覚えた。 作者の曽根圭介は沼津出身で、沼津周辺が主要な舞台になっているので、静岡県東部の人が読んだらさぞ臨場感があるんだろうなと思った。中部も西部も出てくるので静岡県人は要チェック。第一回静岡書店大賞・小説部門で静岡作家賞を受賞。

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2012/10/24

連続幼女殺人事件を扱った秀作。 全体的にテンポも良く読ませる。 アパート管理人の老人のパートは面白いですね。 終局に向かっての弱さも指摘されますが充分な出来。

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2012/09/29

「沈底魚」で乱歩賞を受賞した著者の第二作。 幼女殺害事件の「本ボシ」とは誰なのか。 肩すかしの結末。

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2012/08/25

図地反転の単行本時代から姉に薦められていた本をやっと読んだ!! 警察の捜査と元警察官の独自の捜査が描かれていて、同じ幼女誘拐事件の捜査なのに全く違う犯人を追いかけているのが面白いです。 また感情的な警察官、いい加減な警察官、落としの神様みたいな警察官とか、白黒はっきりさせたい弁...

図地反転の単行本時代から姉に薦められていた本をやっと読んだ!! 警察の捜査と元警察官の独自の捜査が描かれていて、同じ幼女誘拐事件の捜査なのに全く違う犯人を追いかけているのが面白いです。 また感情的な警察官、いい加減な警察官、落としの神様みたいな警察官とか、白黒はっきりさせたい弁護士さん、冤罪で服役し出所したおとなしい青年、同じく冤罪で家族に敬遠されるおじいさんなと色んな人物がよく動いていて世界がイメージしやすい!! ただね、取り調べのときは相手が確実にクロだと思ってあたれって科学的にも人としてもダメだろうって思いました。松浪さん、って名前だったと思うけど、彼は相手の心をつかんで自白させるのが上手くて、はじめはこの人カウンセラーになった方がいいんじゃない? って思ったけど、それは私が馬鹿でした。正反対です。こういう風に自分の求めるように相手を誘導するって絶対ダメ! カウンセラーといえば、なんでそんなこと考えたかっていうと、ちょびっとだけど心理学のお話も出てきたからです。そもそも図地反転が心理学のお話だしね。その辺はどうぞ、読んでみてください。 この事件はどれが真実か。 考えながら楽しめるお話だと思います。 でも個人的には、この作者さんの別の作品「沈底魚」の方が内容が好きかなぁ……なんて、宣伝じゃないですよ(笑)

Posted byブクログ