不安のしずめ方 の商品レビュー
人の「心」に寄り添ってきた著者、加藤諦三が生きる上で抱く不安の苦しみに対して考察を与える。 不安には2種類あり、一つは現実に迫っている不安(家賃の支払いなど)、もう一つは自分が作り上げた不安(この人に嫌われたらどうしよう)。というもの。 このうち、特に自分が作り上げる不安は時間や...
人の「心」に寄り添ってきた著者、加藤諦三が生きる上で抱く不安の苦しみに対して考察を与える。 不安には2種類あり、一つは現実に迫っている不安(家賃の支払いなど)、もう一つは自分が作り上げた不安(この人に嫌われたらどうしよう)。というもの。 このうち、特に自分が作り上げる不安は時間や状況が変わっても変わることが無く、厄介なものである。 という事から、「不安」のメカニズム、そしてそれがもたらすものについて論じている。 以下、心に残ったこと。 ・不幸より不安の方がはるかに強い感情 ・不幸を受け入れれば、今を生きられる ・神経症的不安とは、自分が自分でないというところから生まれる ・不安は「自分の価値」「保護と安全」が脅かされるが原因 ・人が理屈に合わないことをしているとき、一番の原因は不安 ・不安に駆られた人は「迎合」「攻撃」「とじこもり」を逃避として使う(人とコミュニケーションができない) ・迎合は支配ー被支配の関係を受け入れる事 ・迎合すると周囲には利用しようとするズルい人ばかりになる ・認められるだけの行動をする人は自分の心の中に支えがない ・不安で保護を求めているとき、わがままな時、迎合しているときは相手が見えない。自分の中に甘えがなくなった時、初めて相手が見えてくる。 ・迎合とは「従順、遠慮」「優れていようとする」「無理して明るくふるまう」 ・大人になったあなたが「オレにとって都合悪ければ愛さない」という相手に不安になる理由があるだろうか ・自分を信じられない人は、どんなに相手に気に入られても心配で心配で仕方がない ・自分の考えを言って否定されることと、気に入られるために言ったことを否定されるのは違う ・迎合は人生の課題を解決しない ・自分を安売りすると、相手が自分自身を過大評価する ・敵意に満ちた世界というのは、親の感情に自分を合わせなければいけない世界である ・今日から相手の顔色よりも、「自分の好きな食べ物は何か」を探すこと ・ストレスの最大の原因は「こうしなければならない」と思い込むことである ・愛されないで育った人は、水を飲まないでいる人と同じである ・ウサギがライオンである「かのように」振舞っても幸せになれない ・愛を動機とした努力と、劣等感を動機とした努力では全く違う ・自分では一生懸命、真面目に努力しているつもりでも、それはある意味で滑稽でしかない ・人との関係を維持するために、自分の本性を犠牲にしてはならない ・準備もしないで、すべてに優越しようとするのは、恐ろしい不安や劣等感があるからだ ・「なぜ自分はそんなに自分を価値がないと感じてしまったのか?(人から嫌われることを恐れるのか)」と自分に問う事 ・弱い人は、失恋から逃げるために別の人を恋する。その人が好きだからではない。 ・不安から自分を守るために努力は、現実の自分の可能性を無視した、他人に優越するための努力である ・その人たちは、言葉はうまいが、あなたを具体的には助けてくれない ・遠慮は愛情を要求する手段なのである ・自分の判断で行動し、その責任を負う事 ・不安で間違える選択「自分に嘘をつく」「こうあってほしい現実を見る」「私は特別と主張する」 ・自分で自分の人生を生きていれば、自分が幸せならそれでいい。私が世界一幸せかは問題でない。 ・不安は「今のような生き方を続けてはいけない」というシグナルかもしれない ・自分が何をしたかでなく、自分はどういう人間かに視点を移す ・何事も人に頼るとどうしても不安になる ・自分が空っぽだから他人に認めてもらうことがそこまで重要になる ・好かれることが必ずしも幸せではない ・「あの人に気に入られなければ」と感じるストレスはすごい ・夢を与える人は、失敗を話す人 ・自分が我慢をしているというのはたいてい本人のエゴ ・案ずるより産むが易し ・理想の自分に執着せず、次善の策(最悪を避ける)を取る ・しょせん人間は出来る事しか出来ない 全てのページに罫線を引きたくなる素晴らしい内容でした。
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