赤黄男百句 の商品レビュー
富澤赤黄男は、その俳号にも象徴されるように 創作上、色彩イメージの豊かさを優先した人で その才が俳句の枠におさまりきらないこともしばしばだったようだ 季語のない句がやたら目立つうえ 無機質なつめたさと、南国的なやかましさが両極端である それはしかし、デモクラシーの終焉から泥沼の日...
富澤赤黄男は、その俳号にも象徴されるように 創作上、色彩イメージの豊かさを優先した人で その才が俳句の枠におさまりきらないこともしばしばだったようだ 季語のない句がやたら目立つうえ 無機質なつめたさと、南国的なやかましさが両極端である それはしかし、デモクラシーの終焉から泥沼の日中戦争 そして戦後の混乱期という 時代の流れにコミットし続けた、いち社会人としての 偽らざる実感 その心象風景にほかならないものであろう
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廉価な文庫版サイズで富澤赤黄男の代表作を読むことができる良いアンソロジーである。「富澤赤黄男全句集」などを追いかけてゆくと、フランス象徴詩などにも興味を持っていた様子で、このような俳句らしからぬ異形の俳句に到達したようである。
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