知られざる国オマーン の商品レビュー

森元誠二(著者)

2014/01/11

［どこよ？から歩を進めて］多くの日本人にとってはあまりなじみ深いとは言えない国であろうオマーン。一方で、外交戦略的・地政学的にも重要な位置を占めるこの国の魅力を、駐オマーン大使を務め上げた著者が、自らの業務を振り返りながら解説する一冊です。著者は、およそ40年にわたり、外交一筋のキャリアを積み重ねてきた森元誠二。

オマーンの歴史や地理といった基礎的な事柄についての説明あり、日本との関わりに関する説明あり、さらには近年のオマーン外交についての説明ありととにかくもりだくさんの内容になっています。また、全編カラーで写真もふんだんに掲載されていることから、視覚的に「オマーンってこんな感じのところなんだ」ということが捉えられることも魅力的です。

まだ日・オマーン間の外交関係樹立は1972年ということもあり、まだまだ協力を深化させられる分野が多く眠っているのではないかとも感じられました。環境やエネルギーの分野での協力が特に進展している様子が本書からは伺えたのですが、著者の語るように「オアシス」としてのオマーンの魅力は改めて再発見されるべきものかと思います。

〜オマーンを日本にとって名実ともに最も近しい国にする努力が払われるべきですが、その際、この国の持つ日本にとっての戦略的・地政学的重要性についても認識が新たにされる必要性があります。なぜならば、オマーンは「激動する中東におけるオアシス」ともいうべき存在だからです。〜

ひいき目にみずとも☆5つ