1,800円以上の注文で送料無料

悪の教典(下) の商品レビュー

3.7

816件のお客様レビュー

  1. 5つ

    161

  2. 4つ

    289

  3. 3つ

    220

  4. 2つ

    68

  5. 1つ

    9

レビューを投稿

2025/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

貴志祐介の『悪の教典』は、一度映画で観たことがあるものの、小説を読むのは今回が初めてでした。 本作は、主人公の蓮見聖司が他人の感情に共感できないサイコパス教師であることを壮絶に描いています。 何か問題が発生すると、解決策として、人命を奪うことも選択肢も上がってしまう。 蓮見は非常に賢く、生徒たちからも人望のある教師です。 彼は卓越した人間関係の操り手であり、学校で起きるさまざまな問題を巧妙に解決していきます。 しかし、彼が気に入らない人物が現れると、自分の関与を一切残さず、見境なくその人物を排除してしまいます。 下巻に入ると、 生徒たちの予想外の行動によって、蓮見もまた予期せぬ行動を取らざるを得なくなります。 これにより、蓮見も次第に追い詰められていき、読者に切れ味鋭い緊張感をもたらします。 上下2巻の長編ですが、楽しく一気に読めてしまいます。大量殺人が行われる小説にもかかわらず、蓮見が殺人に対して一切抵抗を持たずに実行していくためか、どこか爽やかな印象を与えます。

Posted byブクログ

2025/01/11

間延びした上巻とは打って変わり蓮実のサイコパスぶりがエンジン全開に。一夜の殺戮ショーが良い意味で醒めない悪夢のように長く、今までにないハラハラ感に文字通り一気読みしていた。生徒のキャラもしっかり立っていて学園モノも好きな身としては最高のエンタメ小説だった。

Posted byブクログ

2024/12/27

 映画化された作品で、(上)を読み終えた後、ビデオも鑑賞しました。 怖い小説は嫌いです。  凄惨な物語なのに、何故か高評価です。  この作品の映画監督は、主人公のサイコパスキラー「蓮実聖司」ニックネーム「ハスミン」のファンになったという。巻末には、「彼こそがエロスとバイオレン...

 映画化された作品で、(上)を読み終えた後、ビデオも鑑賞しました。 怖い小説は嫌いです。  凄惨な物語なのに、何故か高評価です。  この作品の映画監督は、主人公のサイコパスキラー「蓮実聖司」ニックネーム「ハスミン」のファンになったという。巻末には、「彼こそがエロスとバイオレンス。蓮実聖司そのものが、エンターテイメントの本質であると確信する」とまで書いているのです。  貴志祐介さんの著書を初めて読みましたが、免疫がないため、脳ミソに直撃爆弾!散弾銃で頭部をぶっ放されたような衝撃を感じました。  一体「ハスミン」とは何者ぞ‼  生来のサイコパスなら、遺伝子は誰から受け継いだのかと考えましたが、その辺については小説には書かれていない。後天性ならきっかけは何だろうか?  〇〇にしかエクスタシーを感じない。多くのサイコパスは同じ様な共通点を持っているが、精神異常と言えるかどうかは誰が決めるのか!刑法上の犯罪には違いないが、スケールが違う。 長編小説ですが飽きることなく興味深く読めました(原稿初めと矛盾しています) 今でもモリタートの口笛が聞こえる。  ヒーハー、読書は楽しい 登場人物が多いです

Posted byブクログ

2024/12/23

最後まで一気に読ませる怒涛の展開。 人が死ぬ死ぬ…登場人物の殆どが死んでしまう。 とにかく主人公の狂気、ただの狂気じゃなくて、人の感情が全くない感じがとにかく凄い。 貴志祐介作品は三作目、ハマりそう。

Posted byブクログ

2024/12/06

サイコパス教師のお話 全部終わってみれば、蓮実聖司は明らかに可怪しいのだけれど 小説として一人称視点で読んでいる分には、とても合理的な判断で行動しているように思えてしまう 違法行為は行っているけれど、現代日本の運用上はバレて捕まらなければお咎めはないわけで 自己の利益のために計...

サイコパス教師のお話 全部終わってみれば、蓮実聖司は明らかに可怪しいのだけれど 小説として一人称視点で読んでいる分には、とても合理的な判断で行動しているように思えてしまう 違法行為は行っているけれど、現代日本の運用上はバレて捕まらなければお咎めはないわけで 自己の利益のために計画立案実行ができてそれを成し遂げる実行力が伴っているのであればそうなるわなぁという納得感がある 蓮実は人の感情がわからないという事だけど、これって哲学的には私達も他人の感情なんてわからないんですよね 自分が相手の立場だったらこう思う、という思考で感情を推定しているだけで、実際に相手の気持ちなんてわかってない となると、蓮実と自分との違いは何だろうか?と考えだすと違いはないのでは?と思えてきてしまう 蓮実は何でもできるように感じられるものの 抜けてるところが結構ある カラス退治のところで、電気の知識がない事を露呈してるし AEDの全てがそうではないけど録音機能もあることを知らないのが致命的だったよね この知識があればAEDも破壊してただろうにね それにしても、最後に蓮実を刺した証拠は、助からないと悟りつつも助けようとせずにはいられない人の善性による行動の結果というのが構造として面白い あと、冒頭のアパートの説明のところで 「屋根瓦が一部脱落しているのをブルーシートで恒久的に応急補修をしている」という表現 多分、蓮実の精神的な状況の比喩としての表現なのだろうなぁ 応急補修にしてもランクがあるわけで、それなりの補修をしてくれた人は亡くなっているのが彼にとって残念なところですかね 他の人の感情をシミュレートできるようになっていれば、また別の道もあったのかもね そしてこの小説の一番恐ろしいところは、まだこれで終わりではないのでは?と感じてしまったところ 何だかんだで、不起訴やらになってたり、脱獄なりしてそうな気がするんだよね あの蓮実がこれで終わりなわけないと思わせるところが怖い それこそ、裁判の前に警察や検察、または看守を誑かすような言動をする姿が容易に想像できてしまう うーん、やはりこれはサイコホラーだな

Posted byブクログ

2024/11/24

上巻を読んだ時にはまさかこんな展開になるなんて想像もできなかった。蓮実聖司が淡々と犯行を繰り返す場面には、とても引き込まれるものがあり、一気読みでした。これまで読んでいた中でもスケールが一つ抜けていたように感じます。

Posted byブクログ

2024/11/09

んー、後半はやややり過ぎというか冗長すぎて期待したほどの出来ではなかった。ただ上下巻全体として面白く一気読めた。

Posted byブクログ

2024/10/03

あんなに慎重に殺人をしてきたのに、下巻になって急に突発的な稚拙なものになってきたような気がします。 いろいろ綻びが出てきて、それを隠すための大量殺人…でも殺人自体を愉しむところもあり… 途中から精神が崩壊してくるところは、いくら共感性欠如があっても殺人というのは人の心を蝕むのだな...

あんなに慎重に殺人をしてきたのに、下巻になって急に突発的な稚拙なものになってきたような気がします。 いろいろ綻びが出てきて、それを隠すための大量殺人…でも殺人自体を愉しむところもあり… 途中から精神が崩壊してくるところは、いくら共感性欠如があっても殺人というのは人の心を蝕むのだなと思いました。 先が気になり、いっきに読んでしまいましたが、まだどこかに蓮見がいるような、モヤモヤ感が残る読書になりました

Posted byブクログ

2024/10/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 上巻から蓮実聖司の性格が破綻している、つまりサイコパスだということが明かされているが、下巻では彼のサイコパスな言動が本格化する。多くの生徒、教師から尊敬される蓮実であるが、一部の人からは疑問視された。何名かの生徒は蓮実の過去を探り、彼のこれまでの経歴から、なぜ高校の教師として勤めているのかを不思議に思った。その後、彼らは蓮実が以前赴任した高校と、そこでの事件が何か関連しているのではと勘繰った。そんな中、学校の文化祭に向けて準備していた。夕方6時を過ぎても準備に励んでいたが、アクシデントが発生する。携帯電話が突然圏外となり、外との連絡が遮断された。そこから本当の恐怖が始まる。蓮実は、自身の過去がばらされないために、大胆な行動に走る。それは学校内の生徒を一人残らず始末することである。

Posted byブクログ

2024/09/26

蓮実聖司。その残忍な思考と強烈なキャラクターに最後まで釘付けになります。 生徒達に迫り来る恐怖に鳥肌が立ちました。

Posted byブクログ