浄瑠璃を読もう の商品レビュー
仮名手本忠臣蔵の文楽を以前見た記憶をたどりながらこの本を読みました。また何度か文楽を見てこの本を読み橋本さんの本の内容を理解したいなと思う。
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文楽「妹背山婦女庭訓」は、18世紀後半から活躍した近松半二の大作です。桜満開の吉野山、真ん中に吉野川が流れ、左右に三味線、太夫の床が設置されるという、豪華で迫力ある演出に魅せられるのですが、この物語が複雑かつ不自然、理不尽でなかなか頭に入ってきません。実は、今度、この演目の集中講...
文楽「妹背山婦女庭訓」は、18世紀後半から活躍した近松半二の大作です。桜満開の吉野山、真ん中に吉野川が流れ、左右に三味線、太夫の床が設置されるという、豪華で迫力ある演出に魅せられるのですが、この物語が複雑かつ不自然、理不尽でなかなか頭に入ってきません。実は、今度、この演目の集中講義を受けるのでおさらいしました。
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この夏「女殺油地獄」で文楽デビューして文楽の華やかさ・シュールさ・今っぽさ・そして、人間を見つめる深さに驚愕し、なにか浄瑠璃の本を、と本書を手に取りました。しかも橋本治印だし。期待にたがわず橋本節は人形浄瑠璃という芸術の中でのストーリーを縦横無尽に語っています。そもそも浄瑠璃その...
この夏「女殺油地獄」で文楽デビューして文楽の華やかさ・シュールさ・今っぽさ・そして、人間を見つめる深さに驚愕し、なにか浄瑠璃の本を、と本書を手に取りました。しかも橋本治印だし。期待にたがわず橋本節は人形浄瑠璃という芸術の中でのストーリーを縦横無尽に語っています。そもそも浄瑠璃そのものが破天荒な物語であるのですが、その意味合いをなんとか一生懸命伝えようとする著者の熱情が面白い。一生懸命理解しようとしているのが面白い。いろいろ話題になった芸術ですがちょっとはまってみようと思います。
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「あまでうす」などと名乗っているくらいだから私は西洋の音楽が大好きで、とりわけモザールのオペラなどを見聞きしていれば上々の気分なのですが、それよりも好きなのがなにを隠そう浄瑠璃なのでありまする。 浄瑠璃、すなわち三味線の調べに乗って太夫が「語る」江戸時代の音曲、あるいは歌舞伎の...
「あまでうす」などと名乗っているくらいだから私は西洋の音楽が大好きで、とりわけモザールのオペラなどを見聞きしていれば上々の気分なのですが、それよりも好きなのがなにを隠そう浄瑠璃なのでありまする。 浄瑠璃、すなわち三味線の調べに乗って太夫が「語る」江戸時代の音曲、あるいは歌舞伎の下座音楽に耳を傾けることが出来れば極楽極楽で、あとは何も要らないと断言する著者には我が意を得た思いでした。 著者によれば、そもそも日本の音楽はメロディラインではなく「拍子」を軸にしているので、例えば人形浄瑠璃の三味線と太夫の語りも(小澤征爾の死んだ音楽のように縦と横の線を顕微鏡的に合致させることなく)それぞれが勝手に演奏しているのに、結果としてなぜだか1つになっている。そして「この本来バラバラであるはずのものが、1つになっているというスリリングなところが、日本の伝統芸能の妙味なのだ」とあざやかに喝破しています。 もちろんこの本は「浄瑠璃を聴こう」ではなく「浄瑠璃を読もう」なので、「仮名手本忠臣蔵」「義経千本桜」「菅原伝授手習鑑」「本朝廿四孝」「ひらかな盛衰記」「国性爺合戦」「冥途の飛脚」「妹背山女庭訓」という本邦の代表的な人形浄瑠璃(及び歌舞伎)作品を文学テキストとして深く読み込み、その解釈と鑑賞について私たち読者の蒙を徹底的に啓いてくれるのですが、それはそれ、本書をつらつら読んでのお楽しみということで。
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ブログに感想書きました。http://georgebest1969.typepad.jp/blog/2012/11/%E4%BB%AE%E5%90%8D%E6%89%8B%E6%9C%AC%E5%BF%A0%E8%87%A3%E8%94%B5%E3%81%A8%E6%96%87%...
ブログに感想書きました。http://georgebest1969.typepad.jp/blog/2012/11/%E4%BB%AE%E5%90%8D%E6%89%8B%E6%9C%AC%E5%BF%A0%E8%87%A3%E8%94%B5%E3%81%A8%E6%96%87%E6%A5%BD%E3%81%AE%E6%9C%AA%E6%9D%A5.html
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しばらく積んでたんですが、「仮名手本忠臣蔵」観た勢いで読破。面白かった!今回通し狂言観ても思ったが、やっぱり一部(有名な段だけとか)じゃなくて、全部を観ないと、話が理解できんな、ということがよくわかった。 それにしてもスペクタクル。原文がもっと文庫とかで気軽に読めたらなあ。
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三大浄瑠璃を始めとする義太夫の名曲を、作曲された時代背景や作者・それを受け入れた町人の感覚等を踏まえて読み解いていく。恐らく「橋本節」とも言うのであろう、脇道に逸れたり遡ったりしつつであり、学問的に正しい読みかは不明だが、興味深い記述。
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著者の「大江戸歌舞伎はこんなもの」は以前読んで、随分感心した。 期待大で、手に取る。 本書の最初は仮名手本忠臣蔵。こんな面白い本って暫く無かったと思う。官能的と云っていいほど脳味噌に刺激を受ける。昔の日本語は、ともかくつながっていれば良い、とか忠臣蔵の主題は仇討ではなく、お軽勘...
著者の「大江戸歌舞伎はこんなもの」は以前読んで、随分感心した。 期待大で、手に取る。 本書の最初は仮名手本忠臣蔵。こんな面白い本って暫く無かったと思う。官能的と云っていいほど脳味噌に刺激を受ける。昔の日本語は、ともかくつながっていれば良い、とか忠臣蔵の主題は仇討ではなく、お軽勘平のように自ら悲劇を呼んでしまう傍系の人々だとか、驚かされる記述満載。こういう文章が書きたいという著者は、天守物語を薩摩琵琶の語りのための台本(?)を書いていたりもする。この人でなきゃ、これほど浄瑠璃を語れないだろう。 しかし、義経千本桜、菅原伝授手習鑑と進んで、当方の頭の回路がショートして、しんどくなった。 たぶん、浄瑠璃を実際見てもこの本を読む以上の感激が無いと確信する。むしろ、話の不自然さやどんでん返しにウンザリしてしまうだろう。 浅野の遺臣達の仇討なんて江戸の小さな事件だし、義経は源氏の一族殺し合い一人の犠牲者に過ぎないのに、我々はまだ浄瑠璃、歌舞伎に捕われてまともな歴史認識が出来てないという。成程と深く納得。 それにしても、婿の為に実の娘を売るとか、主のため自分の子供を殺すとか納得しがたいよなあ。僕などはドラマをややこしくするため道理が必要になるのかと思ってしまうが、浄瑠璃を読むことが江戸の人々の意識を規定して、それが我々の深層心理に生きていると云う。 そう云えば、司馬遼太郎は「菜の花の沖」の高田屋嘉兵衛の人となりを作ったのは諳んじた浄瑠璃で、ロシア人達からもキャプテンとして尊敬されたのは、その道理に基づいた規範ゆえとしていた。 道理について思いを致し、ついつい、息子に懲役忌避させた金子光春、小説「永遠のゼロ」、迫りくる津波の警報を続けながら死んでいった役場の人のことなどを考えてしまった。正直、誰が正しいなんて判らないよ。 冥土の飛脚は他と違って、べリズモ・オペラ風というか、3面記事風というか、実際の事件に則した内容。その分、救われ無さが極まった印象。 浄瑠璃の美は悲劇を受容するマゾヒズム的心情にあるという。確かに美しく滅びたいと云う心情は我々にあるかもしれない。 暫く置いてから再読しようと思う。 追記。 10月14日のFM、小川洋子さんのメロディアスライブラリーで冥土の飛脚を取り上げていた。人形浄瑠璃。やっぱり見るべきかな。
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浄瑠璃をユニークな視点で解説している。 ちょっと理屈っぽいけど、おもしろい。 文楽のお姫さんは恋をするために生きているとの視点には笑ってしまった。この次の文楽公演が楽しみになる。ちなみに11月公演は『仮名手本忠臣蔵』の通し狂言ですよ。
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