長い道 の商品レビュー
映画「かづゑ的」とともに読む。とてもよかった。知識としてのらい病(ハンセン病)だけではなく、ひとりひとりの人生がどのように紡がれていったのかを知ることが大切なのだと思った。 p.100 趣味といっては軽すぎて、読書は私の親友です。 p.102 手のいい皆さんと同じようにはでき...
映画「かづゑ的」とともに読む。とてもよかった。知識としてのらい病(ハンセン病)だけではなく、ひとりひとりの人生がどのように紡がれていったのかを知ることが大切なのだと思った。 p.100 趣味といっては軽すぎて、読書は私の親友です。 p.102 手のいい皆さんと同じようにはできなくても、ひとつひとつ、自分流にやっていけばいいんだと、あるときに会得したのだと思います。世のやり方を全部御破算にして、「私ならどうするか」というやり方があることを見つけたんですね。
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著者のドキュメンタリー映画が公開中と知り、本書を手に取りました。 10歳でらい病で親元を離れ、長島愛生園に行かされ、勉強がしたいのに虚弱体質で2年しか通えず、いじめも受けながら本の世界に助けられたり、親友との出会い、20代で結婚、そこで70年以上生活している中で、ワープロを学び...
著者のドキュメンタリー映画が公開中と知り、本書を手に取りました。 10歳でらい病で親元を離れ、長島愛生園に行かされ、勉強がしたいのに虚弱体質で2年しか通えず、いじめも受けながら本の世界に助けられたり、親友との出会い、20代で結婚、そこで70年以上生活している中で、ワープロを学び綴った作品です。生家を離れるまでの両親や祖父母との思い出がみずみずしく描かれていること、貧しい中での年に数回のご馳走や祖母のうどんの描写は美しかったです。家族との何気ないやり取りと共に、食事の記憶はいつまでも色褪せないのだと、改めて思いました。 親友との死別を綴った作品は涙なくしては読めませんでした。
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とても良かった。 こういう本を読むと、自分が下手に何か書くと汚してしまうような気がする。 著者の宮崎かづゑさんの生き方、考え方に、人間って素晴らしいな、生きる意味があるなと思わされる。生きることへの向き合い方を教えてもらったような気がする。 つい最近、映画「PERFECT DA...
とても良かった。 こういう本を読むと、自分が下手に何か書くと汚してしまうような気がする。 著者の宮崎かづゑさんの生き方、考え方に、人間って素晴らしいな、生きる意味があるなと思わされる。生きることへの向き合い方を教えてもらったような気がする。 つい最近、映画「PERFECT DAYS」を見て同じことを思ったのだが、毎日を誠実に丁寧に生きていくことがとても大事で、そこに幸せがあると気づかされた。 圧倒的に不幸に見える事でも、その後の生き方、考え方で、いくらでも幸せになれる、それは本人次第なのだと思わせてくれた。ご本人は「頑張りませんでした。楽しかった」と。 きっと元気が出ると思うので、たくさんの人に読んで欲しい。 ちょうど3月から宮崎さんのドキュメンタリーが公開されるようなので、ぜひ見たい。
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長島愛生園で暮らす宮﨑かづゑさんが書かれたもの。 連れ合いの仕事がきっかけでいただいて、手に取ることができた。すごい本だった。 「島の70年」で、毎日いっしょうけんめいだった、でもがんばらなかった、楽しかった、って。
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柳田邦男さんがその著書の中で紹介されていたので、読みました。やはり、柳田さんが紹介する本に外れはない。読んで良かった。 この本を読んで改めて強く感じたのは、人を支えるのは、幼少期の親や近しい人からの愛情であり、人との交わりであり、愛のつながりということ。 だから、私たち...
柳田邦男さんがその著書の中で紹介されていたので、読みました。やはり、柳田さんが紹介する本に外れはない。読んで良かった。 この本を読んで改めて強く感じたのは、人を支えるのは、幼少期の親や近しい人からの愛情であり、人との交わりであり、愛のつながりということ。 だから、私たちは人との関わりを大切にしていかなくては。近しい人にはしっかりと愛情を注がなくては。 それが巡り巡って、回り回って、幸せの種を蒔いていく。
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片足を切断した。最愛の人と結ばれた。たくさんの本を読んだ。うつ状態になった。死を前にした友人にポタージュをつくった。辛いこともあったけど、楽しいこと、うれしいこともたくさんあった。そんな日々のうしろがわには、お父さんやお母さん、生まれ故郷の村、幼き日々の思い出がいつもきらめいてい...
片足を切断した。最愛の人と結ばれた。たくさんの本を読んだ。うつ状態になった。死を前にした友人にポタージュをつくった。辛いこともあったけど、楽しいこと、うれしいこともたくさんあった。そんな日々のうしろがわには、お父さんやお母さん、生まれ故郷の村、幼き日々の思い出がいつもきらめいていた。家族のもとで過ごした10年、長島愛生園に入園してからの70年。辿ってきた「長い道」の記憶をゆったりと振り返り、やわらかな言葉で語った一冊。
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ハンセン病で70年もの間隔離された島で暮らした作者。 淡々と静かな語り口は、想像もできないほどの身体的な苦痛と、寂しさ、哀しみを通り越して、生きてることの素晴らしさを語りかけてくれる。作者宮崎かづゑ の生き方はできなかったことを呪うのではなくできることを幸せに感じ、学び行動し、喜...
ハンセン病で70年もの間隔離された島で暮らした作者。 淡々と静かな語り口は、想像もできないほどの身体的な苦痛と、寂しさ、哀しみを通り越して、生きてることの素晴らしさを語りかけてくれる。作者宮崎かづゑ の生き方はできなかったことを呪うのではなくできることを幸せに感じ、学び行動し、喜ぶ生き方である。指のなくなった手で、料理を作り、膝で歩き、長い鬱病の苦しさも、最後にはあれも必要だったんだと思う。本が大好きで一冊を何度も読み込む宮崎かづゑさん。幼少期の記憶の実家の祖父母、父母の描写の豊かなこと。飾りのない素直な文章の伸びやかなこと。心に強く沁み入ってくるようだった。心洗われる一冊。
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※このレビューにはネタバレを含みます
宮崎かづゑ『長い道』みすず書房、読了。10歳で隔離政策を受け、長島愛生園で70年の時を過ごした著者の手記。「両親と暮らした10年が人生のすべて。病気に憎しみはないが、肉親を心配させたことが悔い」。恨みはなく創造的な毎日を過ごす。らい予防法廃止から16年。何も終わっていない。
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ハンセン病の女性の手記。花の美しさ、鳥の声、人の優しさ。何事も喜べる心の豊かさと強さには心を打たれた。お誕生日のくだりには涙。 幸せとは、与えられるものではなく、自分の中にあるものだと気づかされる。
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10歳で家を離れ、以来ハンセン病療養所長島愛生園で暮らす著者が、ゆっくりと、淡々と語る幼い頃の日々。 誇張や装飾とは無縁の言葉が、圧倒的に訴えてくる。 知らない土地、自分の故郷でもない場所が、無性に懐かしくいとおしく感じる。その揺るぎなさ。紡ぐ日々とは、こういうことを言うのだろ...
10歳で家を離れ、以来ハンセン病療養所長島愛生園で暮らす著者が、ゆっくりと、淡々と語る幼い頃の日々。 誇張や装飾とは無縁の言葉が、圧倒的に訴えてくる。 知らない土地、自分の故郷でもない場所が、無性に懐かしくいとおしく感じる。その揺るぎなさ。紡ぐ日々とは、こういうことを言うのだろか。「家族のぬくもり」を皮膚に感じられるほどなのだ。 涙を落としながら読み続ける本なんて、そう滅多にあるものではない。しかも、それは悲しみの涙ではなく、生きていること、生かされていることへの感謝の涙。 著者の辿ってきた長い道は、いのちの光り輝く道。 この本に出会えたことにも感謝したい。
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