海賊のジレンマ の商品レビュー
かなり時間かかったけどようやく読了。 世にあるいわゆる海賊行為を、排除ではなく新たなビジネスモデルとして捉えて取り込んでいくことで、文化の発展や社会への貢献に繋がるといった内容。 実例としてパンクやリミックス、ヒップホップ、オープンソースソフトウェアなどを取り上げていて、個人的な...
かなり時間かかったけどようやく読了。 世にあるいわゆる海賊行為を、排除ではなく新たなビジネスモデルとして捉えて取り込んでいくことで、文化の発展や社会への貢献に繋がるといった内容。 実例としてパンクやリミックス、ヒップホップ、オープンソースソフトウェアなどを取り上げていて、個人的な関心範囲を視点の軸にした内容が多く、とても理解しやすかった。 刊行自体は数年前のため状況は違うものの、結果的に現状にも見事に当てはまる理論となっていて説得力もあるため、下手なビジネス本より面白いと思う。 この本にならって、現状では違法やタブーとされている手法にこそヒントや新たな文化的・商業的可能性を秘めていると考えると、変化の早い現代の各局面でどのように判断すべきか見えてくる部分がありそう。 老害と言われる旧体質にしがみつく層にこそ読んでもらいたいかな笑
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ほとんどのユースカルチャーを知らなかったのでピンと来ないところもあったが、なかなか面白かった。 フレームワークを崩そうとする海賊達がいて、状況は変化しつつある。 既得権益を壊すとして排除される文化は結局駆逐されずに広まって新しい文化を作る。 変化を乗りこなせれば大きな利益を市場か...
ほとんどのユースカルチャーを知らなかったのでピンと来ないところもあったが、なかなか面白かった。 フレームワークを崩そうとする海賊達がいて、状況は変化しつつある。 既得権益を壊すとして排除される文化は結局駆逐されずに広まって新しい文化を作る。 変化を乗りこなせれば大きな利益を市場から得ることができる。 さあ、どうする? そんな感じだろうか。 情報格差が大きかった過去と異なり、今では情報共有に至るまでの時間が短縮されている。 ラジオが広まるまで、テレビが広がるまで、ネットスケープが広がるまでという表現で紹介されているが、確かに短くなっている。 ユースカルチャーに乗って商業利用しようとする動きも加速して、ムーブメントは拡大する前に商業化されてしまう。 結果大きなムーブメントとはならない。 商業はリアルに似せた方法で近寄って来るため、消費者はリアルに飢えている。 結果、大きなムーブメントは作れないまでも食って行くくらいの成功が溢れるようになった。 時代を作るにはコンピューターしかないのか、あるいはアナログゆえに密かにムーブメントを起こすことができるのか。 共有化が進歩を急速化するのならば、中国の海賊版も貢献していると言えるのか、それとも進歩しないほうがいいのか。 各ユースカルチャーに詳しければもっと楽しめたかも知れない。
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パラダイスガラージの生誕の部分の記述がとても美しい。この本で最も魅力的でした。あとは、まあワイヤード的な、キャッチフレーズありき。ほらこの話もあの話も全部海賊のジレンマです。みたいな三段論法が多いですね。
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現代のカルチャーは往々にして著作権を無視、侵害する「海賊」によって革新、更新されてきた。 その際たる例がヒップホップだろうが、それも含めて、海賊達が起こしてきた革新を次々と紹介していき、その海賊行為が、現在どれだけの人から支持を得ているかを明らかにしている。 文化の話だけではなく...
現代のカルチャーは往々にして著作権を無視、侵害する「海賊」によって革新、更新されてきた。 その際たる例がヒップホップだろうが、それも含めて、海賊達が起こしてきた革新を次々と紹介していき、その海賊行為が、現在どれだけの人から支持を得ているかを明らかにしている。 文化の話だけではなく、例えば薬に関するエピソードもあり、著作権や特許から受けられる便益の「私(個)」と「公共」のバランスみたいな事に考えが及んだ。
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ロフトのエピソードが一番印象深い。いろいろなカルチャーを横断的に「海賊」というキーワードで論じていく手腕はなかなか。
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