中国は東アジアをどう変えるか の商品レビュー
東南アジア研究の第一人者である白石隆氏が、東アジアを地域システムと捉えて、中国の動きが東南アジア諸国の外交・経済政策にどのような影響を与えているのかを論じた書籍。中国の近年の動きの分析に始まり、中国と東南アジアの交易の歴史から読み解くこれからの中国の姿、中国人のアングロサクソン化...
東南アジア研究の第一人者である白石隆氏が、東アジアを地域システムと捉えて、中国の動きが東南アジア諸国の外交・経済政策にどのような影響を与えているのかを論じた書籍。中国の近年の動きの分析に始まり、中国と東南アジアの交易の歴史から読み解くこれからの中国の姿、中国人のアングロサクソン化の指摘の3つに内容が分かれている。東アジアの秩序と中国のつながりがわかる一冊。
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東アジアについて、めっちゃ勉強になります。欧州はNATOとEUと経済と安保が一体的な面があるのに対し、東アジアは中国が改革解放を選んで経済的に統合されたが安保上は米国をハブとする2国間同盟からなる。ここに構造的な緊張が生まれやすいが、中国が米国の秩序に挑戦しないことで今まで平和に...
東アジアについて、めっちゃ勉強になります。欧州はNATOとEUと経済と安保が一体的な面があるのに対し、東アジアは中国が改革解放を選んで経済的に統合されたが安保上は米国をハブとする2国間同盟からなる。ここに構造的な緊張が生まれやすいが、中国が米国の秩序に挑戦しないことで今まで平和にきた。中国が大国主義的な行動を取ることは中国を利さないが、国内の慢心や強いリーダーがいなくなって戦略的外交政策決定能力が欠けてきた。 周辺諸国もその場所の地政学的な特性とかから、それぞれに中国の台頭と向き合ってきてる。 元、明、清との歴史比較から、今後中国の台頭で新しい朝貢体制が生まれると考えるのは間違いで、東アジアで中国が圧倒的に優位になってルールを作って押し付けるようなことはあり得ず、今までマージナルだった海のアジアが米国の海となっていること、また自由と平等の概念が当たり前になって、朝貢システムが復活することはない。 誰が、どこで、といった文脈で意味がいくらでも変わるチャイニーズという概念。現在東南アジアのチャイニーズはアメリカ人と同じ波長、言語でものを考えるアングロチャイニーズであり、中国が台頭しても大陸のチャイニーズのようになることはあり得ない。むしろ大陸のチャイニーズもアングロ化が進んでいる。
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かつて東アジア経済危機の直後にはアメリカの介入がこの地域の多くの国々でリスクと受け止められていた。その結果、東アジア共同体構築を大義名分として、東アジアを地域敵な枠組みとしたアメリカ抜きの地域協力のメカニズムが作られた。 中国あhすでに世界経済に深く統合されており、中国を封じ込...
かつて東アジア経済危機の直後にはアメリカの介入がこの地域の多くの国々でリスクと受け止められていた。その結果、東アジア共同体構築を大義名分として、東アジアを地域敵な枠組みとしたアメリカ抜きの地域協力のメカニズムが作られた。 中国あhすでに世界経済に深く統合されており、中国を封じ込めることなどできない。そうではなく中国がその台頭とともに責任ある大国として東アジア秩序の維持、発展のために行動するよう、に促してく。 ミャンマーにとって長い間、そお最大の脅威はアメリカだった。 東アジアのチャイニーズはハイブリッドで洗練されてきた。
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経済規模で、いずれ米国を凌駕すると予測される中国。富と力のシフトにより、世界秩序もまた確実に変容しつつある。しかしヘゲモニーの交代は果たして現実のものになるのか。近年の中国に対する周辺諸国の多様な動向に加えて、鍵を握るのが東アジア社会のチャイニーズ(華人)の急速なグローバル化であ...
経済規模で、いずれ米国を凌駕すると予測される中国。富と力のシフトにより、世界秩序もまた確実に変容しつつある。しかしヘゲモニーの交代は果たして現実のものになるのか。近年の中国に対する周辺諸国の多様な動向に加えて、鍵を握るのが東アジア社会のチャイニーズ(華人)の急速なグローバル化である。中国の台頭にともない東アジアで起こっている複雑で多義的な事象を的確に理解するための、新しい視座を提示する。
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東南アジアの政治、経済の状況を中国の近年の台頭による情勢の変化という視点でまとめたもの。 米国:ジョージ・Wのときにアメリカがアジアから手を引き気味になったが、そのあと中国の対等目覚ましく、東/南シナ海を中心にasean諸国との緊張感が高まり、小浜時代には再度米国が乗り出してきた...
東南アジアの政治、経済の状況を中国の近年の台頭による情勢の変化という視点でまとめたもの。 米国:ジョージ・Wのときにアメリカがアジアから手を引き気味になったが、そのあと中国の対等目覚ましく、東/南シナ海を中心にasean諸国との緊張感が高まり、小浜時代には再度米国が乗り出してきた。 タイ:メコン圏開発に中国を資本を取り入れ、東南アジアのハブ化戦略を進める。 ベトナム:南シナ海で領土問題で緊張がある。そこで中国のみには頼らず、日本/ASEAN/米国との外交関係をうまく使って経済成長を実現しようとしている。 インドネシア:日米豪との連携が強く中国とは距離を置きがち。 中国の台頭は主に経済的なものからであるが、それが近年の大国主義的外交に結びついてきた。この動きは国内のナショナリズムを現共産党政権の力では抑制できないことの現れ。
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中国、中華、チャイナ、チャイニーズ、中国人、華僑、華人、それぞれが何を意味するかを輪郭をもってとらえることは確かに難しいですね。国力は経済規模だけでなく、軍事力、産業力、科学技術力、教育水準、政治的リーダーシップで決まるとのことですが、2030年に中国の経済規模がアメリカを超え日...
中国、中華、チャイナ、チャイニーズ、中国人、華僑、華人、それぞれが何を意味するかを輪郭をもってとらえることは確かに難しいですね。国力は経済規模だけでなく、軍事力、産業力、科学技術力、教育水準、政治的リーダーシップで決まるとのことですが、2030年に中国の経済規模がアメリカを超え日本の五倍となり、インドの経済規模が日本の二倍、ASEANの経済規模が日本を超えるとき、どんな世界秩序になっているんでしょう。
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