空洞化のウソ の商品レビュー
かなりショッキングなタイトルだが、著者による新興アジア進出における海外戦略の考え方やヒントが充実している。著者が言うとおり一度今の考え方をリセットしてみたほうがいいかな。
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1.この本をひと言でまとめると 日本は新興アジアとともに生き延びろ 2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度 ・「現地化」の真の目的は、日本企業の再生であり、日本産業の再編であり、経済構造改革という国家改造に逢着します。(p51) →企業が変わるには外科的処...
1.この本をひと言でまとめると 日本は新興アジアとともに生き延びろ 2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度 ・「現地化」の真の目的は、日本企業の再生であり、日本産業の再編であり、経済構造改革という国家改造に逢着します。(p51) →企業が変わるには外科的処置が必要。現地化はいいきっかけになると思う。 ・「空洞化」論は既得権益のわずかの時間稼ぎの延命装置。(p176) →バッサリ切り捨て。 ・「富を積む・徳を積む・夢を積む」(p245) →徳を積むというところがよい。人の教育に日本的な仕組みを取り入れられるとお互い幸せだと思う。 3.突っ込みどころ ・日本企業の海外への飛翔が、国内の雇用をむしろ加速的に増加させている(p40) →ブルーカラーからホワイトカラーへの転換が前提となっていると思うが、その点が触れられていない。 ・「日本型投資立国」(p157) →金融危機などに弱くなるのでは? ・「日本入ってる」(p195) →短期的には日本ブランドは通じるかもしれないが、近年徐々に通じなくなってきているように感じる。大丈夫だろうか? 4.自分語り ・本書を読む前は、「空洞化」とは海外進出を積極的に進めることでいい意味と理解しており、本書も「海外進出より日本国内の製造業のものづくりをもっと大事にしよう」的な本かと勘違いしていた。なので最初読み始めると言葉の定義の違いで混乱した。 ・著者は結構熱い。 ・「空洞化」への懸念を定性・定量データを示しながら払拭する点は納得感があった。 ・「空洞化論」を言ってる人って具体的に誰か知ってますか?
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アジアのビジネスに精通した著者による日本の特に中小企業の海外進出を促進する提案本。日本の国内市場だけを対象にしたビジネスでは、もはや立ちゆかない現状を厳しく指摘し、海外、特にインドなどの南アジアとタイ、ミャンマー、ベトナムなどの東南アジアへの進出の優位性を説いている。現地駐在が長...
アジアのビジネスに精通した著者による日本の特に中小企業の海外進出を促進する提案本。日本の国内市場だけを対象にしたビジネスでは、もはや立ちゆかない現状を厳しく指摘し、海外、特にインドなどの南アジアとタイ、ミャンマー、ベトナムなどの東南アジアへの進出の優位性を説いている。現地駐在が長く、現地日本企業の状況をつぶさに観察してきた経験から、説得力ある意見が述べられている。日本の中小企業にとって海外進出は容易でないが、創意工夫の方向性も示され、納得のできる内容である。 「2005年以降、日本は「貿易立国」から「投資立国」へと変貌を遂げている」p21 「2009年4月以降、自らの外国子会社から受け取る配当を原則非課税とする「外国子会社配当益金不算入制度」が導入され、国内に環流した配当は、2008年の2.4兆円から2009年の3兆円へと2割強増加した」p23 「(関西の複数企業)もはや海外子会社からの送金なくしては日本での操業は立ち行かない」p24 「海外展開によって子会社の雇用者数が増えると親会社のホワイトカラーが増えるという実証結果がある」p47 「はっきり申し上げます。競争力のある日本企業は、無条件に「新興アジア」の市場を狙うときです。さもなければ未来の競争力を失いかねません」p60 「(商業資本主義)中国のようにビジネスの結果を重視し、その結果(お金)のためならばつぎつぎと商売すら変える。 (産業資本主義)日本式「ものづくりの帝国」では、現場でものづくりに専念する素地が紡ぎ出されており、さらなる発展のため、同じすりあわせ文化を共有する「新興アジア」と共進していく必要がある。日本企業FDIが生産ネットワークを形成し、複雑で濃密な関係を構築する世界なのです」p92 「「すり合わせの帝国」は、じっくり腰を据えて構築されてきた、ある意味根の深い秩序なのです。「現地化」した日本企業が、雇用、技術、所得を生むことで歓迎されながら自らの地歩を築いていく、ソフトな経済安全保障のアプローチなのです」p95 「日本企業が中国や韓国に対し、ビジネスで後塵を拝する理由、それは、経営のスピード、決断の遅さにあります」p129 「日本企業の視察は多いがビジネスが成立しない。「NATO: Not Action, Talking Only」。あるとき社長や会長が来て「持ち帰って検討する」と真顔で答えました。すると相手方の大臣が怪訝な顔をして質問されたのを覚えています。「社長や会長の上に誰かいるのかい?」」p130 「(日本の誇る3つの価値)遅れも早過ぎもしない「ぴったり」(時間)、ノーベル平和賞マサイ氏が絶賛した「もったいない」(エコ)、信頼できる「大丈夫」(安心・安全)」p194 「アフリカの奥地に2人の靴商社パーソンが派遣された。現地では誰も靴を履かない。1人は市場がないと本社に報告。もう1人は、無限の市場が広がっていると報告した」p200 「禁断の低コスト・低価格競争に手を染めた瞬間、負のスパイラルに陥り、競争優位性が崩れ、その滅びが近いという「汎用性の罠」に陥る危険性があります」p236
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『「新興アジア」における「現地化」が提供する、未知の領域を開拓するワクワクするような仕事、血湧き肉躍る新しいチャレンジと新しい価値想像を期待される雇用機会の提供は、この国が真に必要とする新しい雇用ではないでしょうか。』 そうなのかなぁ〜? 筆者の論調はアジアに魅惑された一人とし...
『「新興アジア」における「現地化」が提供する、未知の領域を開拓するワクワクするような仕事、血湧き肉躍る新しいチャレンジと新しい価値想像を期待される雇用機会の提供は、この国が真に必要とする新しい雇用ではないでしょうか。』 そうなのかなぁ〜? 筆者の論調はアジアに魅惑された一人としての論調であり、そうでない人間を惹きつけるロジックはないような気がする。目の前にある危機の希薄さ、生ぬるく快適な日本の環境、対して頑張りもしない受験競争と大学生活、健康的で綺麗で整っている日本社会でぬくぬく育ってきた若者に響くものが本当にあるのかな?
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日本の中小企業に、アジア市場(ASEANやインド)を狙いましょうと奨めている本。アジア市場は、日本とも欧米とも中国とも違ったビジネスルールがあるし、日本の部品と現地の部品を組み合わせる「現地化」が成功のカギだったりして、難しい市場ではあるが、とにかくパイが大きいのが魅力。完成品で...
日本の中小企業に、アジア市場(ASEANやインド)を狙いましょうと奨めている本。アジア市場は、日本とも欧米とも中国とも違ったビジネスルールがあるし、日本の部品と現地の部品を組み合わせる「現地化」が成功のカギだったりして、難しい市場ではあるが、とにかくパイが大きいのが魅力。完成品ではなくコア部品を売り物にする、という考え方は参考になるけれど、ソフトウェアの場合、部品は「タダ」というのが大きな流れだからねぇ…。ソフトウェアでも、「凄い部品」のラインナップを揃えれば、売り物にできるのだろうか??
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日本企業が現地化をして乗り切るべき。その分、国内のバックオフィスとしての仕事が増えるはず。 旧来の雇用対策では、雇用のミスマッチがおきる。 マルチスズキはインドの半分のシェアがある。味の素は家庭料理の必需品。国内の需要だけに目を向けていると、トリビアな差異のみを追求してしまう...
日本企業が現地化をして乗り切るべき。その分、国内のバックオフィスとしての仕事が増えるはず。 旧来の雇用対策では、雇用のミスマッチがおきる。 マルチスズキはインドの半分のシェアがある。味の素は家庭料理の必需品。国内の需要だけに目を向けていると、トリビアな差異のみを追求してしまう。 インドは人口ボーナスが2045年まで続く。中国は一人っ子政策によって2015年までしか続かない。 工程間分業は成長がプラスサムになる。一方、ヨーロッパでは産業が地域ごとに自己完結しているため、ゼロサムになりやすい。 FTAやEPAの交渉が複雑化するなかで、現地化が跳躍になる。 アセアンウエイ=全会一致を旨とし、他を否定しない文化。問題があれば否定するのではなく放置して解決する。=なんとなくきまっていく秩序=機能主義アプローチが有効。 貿易立国から投資立国へ。 空洞化論は鎮痛剤のようなもの。それよりは、現地化するべき。 インドのナノ自動車の立役者は、ボッシュのディーゼルエンジン。
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空洞化を恐れて海外に出ていかないことこそジリ貧の道だと説く。企業が集合して、クラスターとして進出すればよいとも。まぁ確かにそうだなという話。
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新興アジアにおける現地化の真の目的は日本企業の再生であり、日本産業の再編であり、経済構造改革という国家改造に結着する。国内改革と比較して変革のためのコストが低く、その意味で痛みを伴わない。
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私も同感ですが、海外に進出することで、国内の売上アップにはつながっていると思います。だたし後半部分の中小企業海外のクラスター戦略はちょっと無理あるのでは、実際うまく運用している例を見たことがありません。やっぱり自分の城は自分で守らなくては、うまくいきません。
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日本がタイやインドなどのアジアに出て行き、もっと現地化を進めることの重要性と説いた本。 現地化をすることで、日本の雇用が奪われるといういわば空洞化は、本来そこまで心配のないことであると主張されている。実際に、海外での現地化が進み、企業が潤えばその分企業も拡大して、海外展開できる人...
日本がタイやインドなどのアジアに出て行き、もっと現地化を進めることの重要性と説いた本。 現地化をすることで、日本の雇用が奪われるといういわば空洞化は、本来そこまで心配のないことであると主張されている。実際に、海外での現地化が進み、企業が潤えばその分企業も拡大して、海外展開できる人材の雇用は拡大することとなろう。ただし、タイトルまで持ってきている割に、日本の雇用の問題、空洞化が本当にうそなのか、ということに関して、分かりやすい回答を用意しているとも言いがたい。 ただし、タイトルと内容の不一致は別にして、海外での展開の必要性、日本人がもっと海外に現地化して住むようになり、倭僑として世界に幅を効かせるという考えには、そうあるべきだと考える。 各論としては面白みのある本だが、全般としてのメッセージの説得力にはやや欠けるといったところ。
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