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探偵法間ごますり事件簿 の商品レビュー

3.4

12件のお客様レビュー

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2012/09/03

彼の持つ武器はお世辞・阿諛追従。 そんな探偵がいままでいたかしら。 少なくとも私は初めてじゃないかな。 ■ ■ ■ ■ ■  先日読んだ「しあわせなミステリ」って本より この本のほうが「しあわせなミステリ」感があると思うの。 最後のお話なんて 殺人犯が、逮捕された後に法間さんのペ...

彼の持つ武器はお世辞・阿諛追従。 そんな探偵がいままでいたかしら。 少なくとも私は初めてじゃないかな。 ■ ■ ■ ■ ■  先日読んだ「しあわせなミステリ」って本より この本のほうが「しあわせなミステリ」感があると思うの。 最後のお話なんて 殺人犯が、逮捕された後に法間さんのペット問題について心配するのよ? 法間さん以外の探偵ではありえへん。 ひとって自分に好意を持った(持ってそうな)相手には 特殊な嗜好のかたでもない限り、なんとなしこちらも好意もつもんね。 やたら知略を巡らしたり、銃をぶっ放したりの探偵ものより 私は好き。

Posted byブクログ

2012/08/08

東直己と言えば「探偵はバーにいる」に代表されるハードボイルド小説、そして北海道新聞に連載されていた爆笑エッセイ「ススキノ・ハーフボイル」シリーズとかなり両極端にその傾向は分かれる。 その間を埋めるような中間小説(って言い方がかなり古いけど)のような著作は無いのだろうかと思ってい...

東直己と言えば「探偵はバーにいる」に代表されるハードボイルド小説、そして北海道新聞に連載されていた爆笑エッセイ「ススキノ・ハーフボイル」シリーズとかなり両極端にその傾向は分かれる。 その間を埋めるような中間小説(って言い方がかなり古いけど)のような著作は無いのだろうかと思っていたら、それがこの幇間じゃなくて「探偵・法間シリーズ」だったとは全く知らなかった。先日は書店で久しぶりに東直己でも読むかなと何気なく手にしたので全く先入観も事前知識も無く買ったのだが、調べてみるとすでに本書で第三作というから驚いた。 関東のある都市に住む冴えない中年私立探偵の法間(ノリマ)だが、タイコもちの如く次から次へとお世辞を速射砲のごとく繰り出すところから、誰もがその名を「ホウカン」」と呼ぶ。着る物も持ち物も安物ばかりなのに何故か古今東西のブランド物には滅法詳しく、その知識をお世辞に混ぜ込んで相手を良い気持ちにさせて口を開かせ謎解きをするというちょっと変わった探偵物語だ。 決して大笑いするものでもないし、テンポが良いとかいうような小説ではないのだが、何故か後を引く感じで過去の作品も読んでみようかなという気になる。否、それ以上にこの小説を書くにあたりやはりブランド物とは全く縁の無さそうな東自身の風貌と、本書を書くに当りブランド物知識を一生懸命に下調べしていたであろう姿を想像するとつい可笑しくなってしまうからだろうか。

Posted byブクログ