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江戸の茶碗 の商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2024/04/03

女性作家が描く時代小説も 大好きだが、この本の作家中島要氏の本も大好きである。 着物の柄やそれに合わせた色合い。 日本独特の色柄など、描き方が、素敵で、シリーズ物を読んでいた。 これは、今まで、読んだことの無い貧乏浪人が主人公。 その主人公も 飲んだくれでニートのような生活を...

女性作家が描く時代小説も 大好きだが、この本の作家中島要氏の本も大好きである。 着物の柄やそれに合わせた色合い。 日本独特の色柄など、描き方が、素敵で、シリーズ物を読んでいた。 これは、今まで、読んだことの無い貧乏浪人が主人公。 その主人公も 飲んだくれでニートのような生活をしている赤目勘兵衛。 余り表向きは、小説には、手助けする時にだけ、登場で、長屋の住人の生活で、難儀している事柄から、話が進んで行く。 7話からなる。 最初の話は、この本の題名の話である。 親の代から人の良い兄妹。 人の騙されながらも、自分たちは、まっすぐな性格。 この兄妹が、偽物茶碗を浪人勘兵衛が、目利きを紹介するのだが…… 妹は、嘘をつけず、割ってしまう。天下の名品も有名人が価値を認めたら、それが名品となる。  物の価値を江戸っ子の正直を表す品に換えてしまった。 母子家庭の男の子の寝小便も、浪人の勘兵衛、気になって、母親の仕事中に、預かるなど、人の良さを伺われる。 嫁入り問答も、長屋の住人の駕籠かきの2人が、跳ねっ返りのお嬢様をどのようにして、おさめていくのか… 最後のおちが、「かつぐ(担ぐ)のが商売だ!」と、落語のようなおちで終わるのには、面白い。 最後は、寝小便をしていた定吉の母親と浪人の2人の話。 今まで、ちょっとした事にモヤモヤしていた子供でなく、人間関係の感情の複雑さも理解出来る子供になっていた。 面白かった。

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2018/09/02

江戸時代の人情ものが好きです。 こちらは、海の底(底辺のさらに底辺)に安い店賃を誇る松蔵長屋が舞台の短編集です。 そこに住む、日がな1日飲んだくれている貧乏浪人、赤目勘兵衛。 頼りになりそうもないそんな浪人が、他の住人たちの抱える悩みや困りごとを解決していってしまいます。 結局...

江戸時代の人情ものが好きです。 こちらは、海の底(底辺のさらに底辺)に安い店賃を誇る松蔵長屋が舞台の短編集です。 そこに住む、日がな1日飲んだくれている貧乏浪人、赤目勘兵衛。 頼りになりそうもないそんな浪人が、他の住人たちの抱える悩みや困りごとを解決していってしまいます。 結局、赤目勘兵衛の正体(アカンベエだなんて明らかにふざけた偽名)は、判ったようなわからないような。 ただ、真っ正直に生きていれば報われると信じることができる短編集は、とても面白かったです。 続編があるなら読みたいし、中島要さんの他の作品も読んでみたいです。

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2018/02/11

貧乏長屋の松蔵店を巡る人情噺。主役は浪人の勘兵衛だが、支え合って生きて行く長屋の誰もが主人公。続編が気になって仕方が無い。

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2014/01/18

肩の凝らない楽しい貧乏長屋人情もの。 語り口が軽妙で読みやすさは抜群。うかうかしてるととぼけた会話に吹き出すので注意が必要。落語のノベライズといった趣きがあり、いくつかの短編には下げまでついていてニンマリする。 中川学画伯の鼻くそほじる定吉のカバー絵がとってもいい。

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2013/06/27

まっくらだなと呼ばれる寂れた松蔵店に住む浪人赤目勘兵衛と長屋の住人のほっこりする人情話。 なんとなく心温まるお話しでした。

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2013/02/23

だまされて店を失った兄弟。 見てはいけないものを見てしまったこども。 大店の主人が残した遺言のなぞ。 浪人のもとにもちこまれてきた問題をさりげなく、人を斬らずに解決する。 破格の安さで住むことができる長屋で生活する人々の、人情物語。 江戸の町を舞台に、誰もが直面しそうな物...

だまされて店を失った兄弟。 見てはいけないものを見てしまったこども。 大店の主人が残した遺言のなぞ。 浪人のもとにもちこまれてきた問題をさりげなく、人を斬らずに解決する。 破格の安さで住むことができる長屋で生活する人々の、人情物語。 江戸の町を舞台に、誰もが直面しそうな物語がつづられている。 無理な設定もなく、特別際立った登場人物が登場するわけでもない。 読み手として、ごくごく自然に物語に入り込める作品。 どれも人情あふれた物語ではあったけれど、『真贋』のラストにおもわず目頭が熱くなった。

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2013/01/22

L まっくら長屋騒動記 まっくら長屋と称される貧乏長屋に住む得体の知れない浪人勘兵衛とその仲間たちの話。 江戸の茶碗…騙されて身を落とした太吉とお初の兄弟 寝小便小僧…夜中鬼を見た定吉は寝小便をするようになり手習いに行けなくなる 遺言…吉原通いの放蕩三昧で自分の薬種問屋を潰す...

L まっくら長屋騒動記 まっくら長屋と称される貧乏長屋に住む得体の知れない浪人勘兵衛とその仲間たちの話。 江戸の茶碗…騙されて身を落とした太吉とお初の兄弟 寝小便小僧…夜中鬼を見た定吉は寝小便をするようになり手習いに行けなくなる 遺言…吉原通いの放蕩三昧で自分の薬種問屋を潰す間際まで陥らせた栄太郎と勘兵衛の縁。 真眼…按摩の梅次郎。何故隣に住む彦兵衛は自分に親切にしてくれるのか。 嫁入り問答…駕籠かきの寅三と丑松コンビ。 いじっぱり…定吉の母お今は定吉が親しくする勘兵衛が好ましくない。勘兵衛は何者なのか。 全ての話が勘兵衛がらみ。 勘兵衛の生い立ちと長屋住人のことがほぼ語られたのでシリーズ化は困難か?勘兵衛、なかなか謎めいていてイイ漢。

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2012/11/28

短編なのかと思いつつ読み進む。すべての話がちゃんと繋がっている。ほのぼのしつつ、小気味いい。楽しい読書だった。

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2012/11/14

短編七話連作集?舞台は芝神明にほど近い貧乏長屋。住人の中でも一番謎な貧乏浪人赤目勘兵衛…。内容から、途中で読めないかもと思ったけど、半ばから盛り返して楽しく読めた。勘兵衛さんいい人だし。

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2012/08/16

書店に行ってもなかなか買いたい新刊が無く、無理やりに探し出した時代小説がこれで、当然の事ながら著者である中島要氏のことも全く知らずに買ったのだが、意外にも当りくじであった。 芝・神明にある「まっくら店(だな)」と呼ばれるボロ長屋が舞台。なぜ真っ暗と呼ばれるかと言うと、いつの間に...

書店に行ってもなかなか買いたい新刊が無く、無理やりに探し出した時代小説がこれで、当然の事ながら著者である中島要氏のことも全く知らずに買ったのだが、意外にも当りくじであった。 芝・神明にある「まっくら店(だな)」と呼ばれるボロ長屋が舞台。なぜ真っ暗と呼ばれるかと言うと、いつの間にか住みついた浪人・赤目勘兵衛のためだ。いつも酒を飲んで寝てばかりいるが、仇持ちではないか、乱暴狼藉者ではないか、地元の親分とは浅からぬ縁が有るとか、用心棒ではないか、と噂が絶えないことから長屋の住民が気味悪がって何時のまにやら居なくなり灯の消えたような長屋になったことからついた名前だ。 その勘兵衛が何故か長屋の隣人の心配事の相談に乗り、謎解きをするというのがこの物語だが、勘兵衛は取っ付き難い割りに意外と人懐っこい不思議な魅力の浪人に仕上がっている。 出来ればこの勘兵衛をシリーズ化してもらいたい、と思うくらいに楽しめた本書であるが果たしてどうなることやら。但し、今後の連載という観点で言えば勘兵衛の正体は最後の最後まで内緒にしておくほうが良かったような気もするのだが・・・。そこは作者そして編集者のうでの見せどころなのかも知れない。

Posted byブクログ