ヒロシマの歌 愛蔵版 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「ヒロシマの歌」は、広島で被災して孤児になった赤ちゃんが、同じく子どもを亡くした夫婦に引き取られて幸せな生を得る話。とはいえ、父親は原爆から7年経ってから急性原爆症で亡くなるという、陰も差している。それでも、悲惨な出来事の中で、希望を感じさせる物語ではある。 それは、他のどの話にも共通し、子ども向けということもあって、少しふわふわと優しすぎる気がするが、そういう意味では、逆に、親子で初めて手に取るには適書かと思う。 有名な作者だけれど、きちんと本を読むのは初めてだったかも。表題作のほかに「ゆみ子とつばめのお墓」「あるハンノキの話」「時計」「ハコちゃん」「一つの花」「鐘」「土の笛」をおさめる。 個人的には、大人になったこともあり、お寺の鐘を献納(供出)するかどうか、とか、戦争中にも音楽の力を信じて鐘を求めて日本中を走り回る青年の思いなど、「鐘」が一番共感したかもしれない。この作品に☆3つ。
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