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スウィング・ジャパン の商品レビュー

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2018/11/18

戦後日本のアメリカ化の原風景を描いた前著『ワシントンハイツ』が読み応えがあったので、著者買いした一冊。今回のテーマは、日系二世のジャズマンであり、後に日本文学の教授になったジミー・アラキを通して描いた 戦中戦後の日本と米国の姿。 読む前の期待は、やはりジャズの部分。実際、渡辺貞夫...

戦後日本のアメリカ化の原風景を描いた前著『ワシントンハイツ』が読み応えがあったので、著者買いした一冊。今回のテーマは、日系二世のジャズマンであり、後に日本文学の教授になったジミー・アラキを通して描いた 戦中戦後の日本と米国の姿。 読む前の期待は、やはりジャズの部分。実際、渡辺貞夫、北村英治、ジョージ川口、と言った日本ジャズ界のビッグネームが随所に登場してきて、彼らに大きな影響と手ほどきを施したくだりを読むと、アラキの存在の大きさがよく分かる。 でも、全体を通して浮かび上がってくるのは、日系二世のひとつの生き方と、そうたらしめた当時の日米の状況。ジャズの道で生きる選択肢もあったアラキがそれを選ばず、日本文学の道へどうして向かったのか。その答えを考えることは、日米の歴史を考えることであり、アラキが感じとった日本の価値を考えることでもある。

Posted byブクログ

2013/01/28

日系2世のジミー・アキラ.戦後の日本にチャーリー・パーカーのジャズを教えた話が骨子だが、米兵としての側面も詳細に記載している.ジャズに関しては旧知のプレイヤー名が出てきて楽しめたが、アメリカでの収容所の話が冒頭に連続している点はやや閉口した.

Posted byブクログ

2012/12/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本書は日系アメリカ人ジェームズ・T・アラキの評伝。太平洋戦争で強制収容された一人であり、陸軍情報部日本語学校の教官。惜しまれつつ除隊し、戦後日本にビ・バップを伝えたJAZZ奏者(ジミー荒木)。そして古典学者の顔も持つ。驚いた。 有刺鉄線を経て合衆国に忠誠を誓い陸軍へ。敗戦による来日後、昼は連合国翻訳通訳部、夜はジャズメンとなる。日本人ミュージシャンたちは、フレンドリーなアラキを敬愛した。軍でのエリートコースも保障され、高名な楽団からの誘いもあったが、別の道を選ぶ。 アラキが選んだのはUCLAバークレー校で日本中世文学を学ぶ道だったのである。信長で有名な幸若舞をおいかけ、研究は能、文楽、芭蕉へ広がる。井上靖の作品の英訳も手がけている。研究で何度も来日する姿は、自身を探る旅でもあったのではないか。 筆者は、日米のゆかりの地に足を運び取材を重ね、資料を丁寧に発掘している。本書は一人の北米移民の軌跡から現代史を複眼的に捉えた秀逸な一冊である。筆者の前著『ワシントンハイツ GHQが東京に刻んだ戦後』(新潮社)と併せて読みたい。了。

Posted byブクログ

2012/11/23

ジャズと日系人強制収容所とは、意外な組み合わせ。 ジミー・アラキなる人物の存在は初めて知った。日本のジャズはこの人物に負うところが大きいらしい。 なんとも魅力的な人物で、ジャズに疎くても、楽しめる一冊になっていると思う。

Posted byブクログ