ロラン島のエコ・チャレンジ の商品レビュー

ニールセン北村朋子【著】

2021/05/25

パワーワード

「ものごとを俯瞰の目で、ホリスティックに捉えるクセをつけよう、世界の大きな流れを感じよう」

・風力発電の投資にとても興味がわいた。日本も脱炭素を目指してクリーンエネルギーの需要や開発がますます高まっていくと思う。その中で風力発電への重要性も高まり、太陽光発電と同様に風力発電でつくった電力を売る売電が今後数年後に定着していくと考える。いまのうちから風力発電について理解をふかめ、投資にむけて動き出すチャンスだと思う。

・この本を読んで、自治体が柔軟にクリエイティブな発想で動いていることにとても驚いた。そしてそもそもに、地域住民の活発な動き、政治への働きかけがここまで世の中を動かすのだと感心した。そこには、政治界が住民の意思を受け止める土壌があるのだろうと思う。はて、日本はどうだろうか？と思ってしまう。だけど人の熱い思いや行動によって世界は変えられると信じたい。

・これからはよりクリーンエネルギーを求め、そしてそれは人間のためであると同時に地球のためになる。これからは自然と共生しながらクローズドな社会が重要になってくる。そう考えると、日本は昔からそうした意識が芽生えているのではないだろうか。地産地消、里山文化、村などなど。古き良き日本を思い返し、昔のしくみをうまく取り入れながら自然と共生していくことができる可能性を秘めているように思う。

2021/04/08

フォルケホイスコーレとは、1844年以降にデンマーク各地に設立された青年・成人のための教育機関。18歳以上であれば誰でも入学でき、内容も歴史や政治、音楽からスポーツまで幅広く、5日から3週間の短期コース、4から5ヶ月の長期コースまで選択可。試験はなく、環境問題など生徒との対話から導き出される質問や疑問に先生が答えながら理解を深めていく

2012/12/16

100％自然エネルギーの島として世界的に有名なデンマークのロラン島。造船と砂糖が島の基幹産業であったこの島が、産業の衰退とともに進む頭脳や労働力の流出、そして迎えた20％を超える高い失業率の中から、いかにして今日の最先端エネルギー社会の自治体へと改革が進められていったのか。
本書は美しい写真と読みやすい文章で、その一部始終を知ることができる。しかも、まるでガイド付きのツアーで島を訪れたかのような気分させてくれる。これからの市の進むべき道筋を「環境」に定め、精力的にその実務にあたった自治体側と、原子力に異を唱えた利用者側の声が、日本の現状とはまりにも対照的だ。その意味では、どちらの立場の人にとっても学ぶことが多く、参考になる1冊と言えよう。
巻末の「ロラン島ミニガイド」も、親切丁寧、かつ楽しいエピローグとなっている。

2012/09/11

過去には、造船所と砂糖工場の撤退などグローバル化の影響を受け、原発建設の話が持ち上がったこともあるロラン島。

でもそんな過去があったからこそ、今の100%自然エネルギーがあるのかもしれません。日本の過疎地域で実現できそうなヒントもたくさんありますし、何よりも本からたくさんエネルギーいただきました。

エネルギー関係の本は小難しい本が多い中、とても読みやすくておすすめの一冊です。