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二世兵士 激戦の記録 の商品レビュー

4.1

9件のお客様レビュー

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2020/03/16

日本では「郷(ごう)に入れば郷に従え」という。一神教のような思想の厳しさを持たない民族性を思えば、郷(ごう)の違いは小異であったことだろう。そこに奴隷のような不自由さはなかった。異なる地域・家・人が有する伝統への敬意は我々にとっても自然な感情である。アメリカに渡った日本人は人種差...

日本では「郷(ごう)に入れば郷に従え」という。一神教のような思想の厳しさを持たない民族性を思えば、郷(ごう)の違いは小異であったことだろう。そこに奴隷のような不自由さはなかった。異なる地域・家・人が有する伝統への敬意は我々にとっても自然な感情である。アメリカに渡った日本人は人種差別と戦いながらも、真のアメリカ人になろうと努めた。彼らはアメリカを守るために若き命を花と散らした。 https://sessendo.blogspot.com/2020/03/blog-post_16.html

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2019/06/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

柳田由紀子 山崎豊子の「二つの祖国」のノンフィクション版って感じ。 なかなか読んでて辛い場面が多いですネ。 著者がアメリカの団体「go for broke」の取材に通訳として同行したときのことや二世の方々の著書などから抜粋してまとめたもの。 二世と一口に言ってもアメリカで生まれ、育ち、そこで戦争になり、アメリカ兵として参加した人。 アメリカで生まれ日本に一時帰りまたアメリカに戻る(帰米というらしい)そしてアメリカ兵となる。 また、アメリカで生まれ育つもたまたま日本に戻ってる時に戦争がはじまり、アメリカに帰れなくなった人たち。 様々なシチュエーションで戦争になり、参加し。 そしてどんなシチュエーションでも日本人からもアメリカ人からも信用されずに差別される。 第一〇〇大隊、第四四二連隊なんてアメリカのために死ぬほど働いて戦ってそしてやっと戦後ジャパニーズ・アメリカンズが市民権を得たって。 そんないたたまれないエピソードがたくさん載っていて辛いばかり。 犬の「生き餌」のなる実験をされるとかたまりませんね。 沖縄育ちの二世がで投降をすすめる話とかも辛かった。 あとは特攻隊の飛行機を見上げて「おとされるなぁ」と思ってたらその飛行機に弟が乗っていたって嘘としか思えない話。 そして、戦後の焼け野原の日本。 原爆を落とされた広島と長崎。 みんな、見てるはずなのに戦争の恐ろしさ、原爆の悲惨を見てるはずなのにアメリカを受け入れている。 不思議。 もちろん、私もアメリカを受け入れている一人ですが、、戦争だけは受け入れたくないな。

Posted byブクログ

2013/02/21

去年の半ば頃から、太平洋戦争のことをポツポツ知っておこうと思って読んだ本の一冊。 学校の勉強というのは、戦争についてもっと教えるべきだと思う。

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2014/02/27

アメリカで生きた日本人。これこそ歴史。 学校の歴史でも使ってもらいたい。 【コメント】 第二次世界対戦で、アメリカ兵として戦った日本人のはなし。 戦場以外でも、差別や偏見などと戦いながら生きていく。 振り返ってみると、そこには目をみはる功績や歴史的な瞬間に 立ち会ったエピソード...

アメリカで生きた日本人。これこそ歴史。 学校の歴史でも使ってもらいたい。 【コメント】 第二次世界対戦で、アメリカ兵として戦った日本人のはなし。 戦場以外でも、差別や偏見などと戦いながら生きていく。 振り返ってみると、そこには目をみはる功績や歴史的な瞬間に 立ち会ったエピソードが数多くあった。 ヨーロッパ戦線では米陸軍最強とうたわれ、太平洋戦争では 語学情報兵として働き実は日本攻略の重要な要だったことなど、 日系人の功績がどれだけあったのかに目をうばわれるけど、 裏を返せば日系人はいつもヤバイところに駆り出され、 どれだけ死のうとがむしゃらに戦い続けたということなのだ。 【内容】 この本は、第二次世界対戦での日系アメリカ人の生きざまを記して いる。当時の彼らがアメリカに移り住むことになった背景から、 アメリカ兵として両親の母国と戦わざるをえなくなった背景、 そこであじあわされた苦悩、文字通り必死の生きざまがそこにある。 この本は、著者が米団体「go for broke」の日本取材に通訳として 同行したときのことをもとにしている。 ※「go for broke」は、アメリカ日系二世兵の戦争体験を記録する 非営利団体。日系退役軍人を中心に会員数18,000人くらい。 当時の生き残りの方々の証言は、数々のアメリカの勲章や、 戦後処理の尽力で日本の勲章を受賞していることもあって かなり信憑性があるように思われる。 (とりわけアメリカでもワシントン、エジソン、テレサという偉人 しか受賞していない勲章をほぼ全員の日系二世兵が受賞)

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2013/01/05

二世兵士については、その活躍を中心に広く知られているが、ここまでの厳しい事実があったということは、これまで知ることがなかった。 LA近郊に住んだこともあったが、そもそも日系人、駐在員、留学生のそれぞれが全く別の世界で暮らしているという感じで接点の少ない状況であったこともあり、歴史...

二世兵士については、その活躍を中心に広く知られているが、ここまでの厳しい事実があったということは、これまで知ることがなかった。 LA近郊に住んだこともあったが、そもそも日系人、駐在員、留学生のそれぞれが全く別の世界で暮らしているという感じで接点の少ない状況であったこともあり、歴史認識の甘さを今になって反省している。

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2012/12/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

柳田由紀子『二世兵士 激戦の記録』新潮新書、読了。「当たって砕けろ」を合言葉に差別を乗り越え、同化のために戦った二世兵士たちの記録。欧州戦線での有名な激闘のほか、語学兵として解読や宣伝への従事、連合国による日本占領下での活躍など、その全貌を紹介する簡便な一冊。

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2015/12/10

●:引用 ●日本人の血を引きアメリカで生まれた「二世」。アメリカと日本、そしてヨーロッパとアジア、太平洋の島々で、二世兵士は日本人の美徳を発揮し、壮烈に戦った。その姿は、米大統領の心をも揺さぶるものだった。米陸軍史上最強の第100大隊、第44連隊、”米軍の秘密兵器”情報語学兵、...

●:引用 ●日本人の血を引きアメリカで生まれた「二世」。アメリカと日本、そしてヨーロッパとアジア、太平洋の島々で、二世兵士は日本人の美徳を発揮し、壮烈に戦った。その姿は、米大統領の心をも揺さぶるものだった。米陸軍史上最強の第100大隊、第44連隊、”米軍の秘密兵器”情報語学兵、そして日本兵になった二世、GHQ、朝鮮戦争・・・。未だ激戦の記憶が生々しい元兵士たちの厖大な証言から浮かび上がる第二次大戦。 読んでいて時々涙が出そうになった。感情移入しやすい文章なのかもしれない。インタビューが多く挿入されているせいか、米軍二世兵士」だけでなく、日本軍二世兵士、日本兵捕虜など多角的に、戦中、戦後(占領期)、そして朝鮮戦争までその舞台を広げているせいか。「棄民たちの戦場」「栄光なき凱旋」参照。

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2012/09/04

二世兵士は第二次世界大戦時、アジア戦線だけでなくヨーロッパ戦線や朝鮮戦争でも闘っていたことに驚いた。また、終戦後のGHQの占領行政に、彼ら二世が果たした役割は大きかった。清貧で黙々と生きる明治の精神を持つ一世の生きざまや考え方を引き継いだ二世だから、後世に残る偉業を成すことができ...

二世兵士は第二次世界大戦時、アジア戦線だけでなくヨーロッパ戦線や朝鮮戦争でも闘っていたことに驚いた。また、終戦後のGHQの占領行政に、彼ら二世が果たした役割は大きかった。清貧で黙々と生きる明治の精神を持つ一世の生きざまや考え方を引き継いだ二世だから、後世に残る偉業を成すことができたのであろう。

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2012/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 色々と考えさせられるというか……非常に辛くて落ち込んだ。  上手く感想なんか纏められないのでボツボツと。  アメリカ軍に入った兄が、軍艦の上で「すぐに米軍に墜とされるな」と思いながら見送った特攻機には、日本軍に入った弟が乗っていた。後年、更に上の兄からの手紙でその事を知る。  そんな事がフィクションではなく、本当に起きたなんて。  アメリカでの日系人への差別や第四四二連隊の話などは少しは聞いていたけれど、本当に“少し”しか知らなかったんだと痛感。  この本を読んで、全ての事実に物凄い衝撃を受けたけれども、それでも以前の知識に“もう少し”が加わっただけなのだよね。  第二次世界大戦が終わった後も、元日本軍として戦った北朝鮮人・韓国人が朝鮮戦争で戦い、アメリカ軍に入った日系二世たちも、再び朝鮮戦争へ、そしてベトナム戦争へ。  そういった事をつい忘れがちな自分に情けない気持ち。  先人の苦労の上に、今の自分の生活がある……だから感謝しなければ……そんな気持ちよりも、屍の山を築いてからでなければ、生きている事に感謝も出来ない、どこにも居場所を作れない、そんな人間という種族にうんざりしてしまう。  そんな気持ちを持ってしまう事がまた辛い。  でも、こういった事実から目を背けるべきではない。

Posted byブクログ