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NHKスペシャル うつ病治療 常識が変わる の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2016/01/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

精神疾患は客観的な診断をすることが難しい上に、それがいいか悪いかは別として医師の質が担保されづらい構造上の問題がある。それならばその周囲の人も含めた患者側は他の病気以上に主体的に情報を集めて治療に関わっていくべきだと痛感した。 病気のことはその専門である医者の意見に従おう、という意見ももっともだが、患者の生活をもっとも近くで長く見ている人が精一杯情報を得て、その上で下す判断は医者に劣らないことも往々にしてあるのではないだろうか。 そうしていろんな人がうつ病を理解すれば、うつ病を取り巻く環境も変わっていくと思う。 また、今は精神疾患の患者の脳の動きを見える化する技術開発が進んでいるらしい。そうしたエビデンスに基づいた治療が気軽に受ける世の中になればいいと思う。

Posted byブクログ

2013/02/25

番組も見てなかったので、とても衝撃的だった。 うつを抱える本人、家族にとっては聞き流すことのできない重大な問題が治療の現場、薬の処方において放置されていると感じた。 取材時から現在までで何か改善されたのか分からないが。。 民放でこういった問題はもっと大きく取り上げるべきなんだろう...

番組も見てなかったので、とても衝撃的だった。 うつを抱える本人、家族にとっては聞き流すことのできない重大な問題が治療の現場、薬の処方において放置されていると感じた。 取材時から現在までで何か改善されたのか分からないが。。 民放でこういった問題はもっと大きく取り上げるべきなんだろうけど、製薬会社が大きなスポンサーとなっている限りは期待できないのかな。

Posted byブクログ

2012/08/23

NHKスペシャルで放映された内容の書籍版。この本は単行本から新書版に改訂されたもの。 うつ病治療について、疑義を呈すべき部分、新治療として効果が期待できる手法や検査法についての記載は大体においてテレビでも紹介されている。 多剤大量併用処方をする医師、話を聞かずに薬だけ出す医師...

NHKスペシャルで放映された内容の書籍版。この本は単行本から新書版に改訂されたもの。 うつ病治療について、疑義を呈すべき部分、新治療として効果が期待できる手法や検査法についての記載は大体においてテレビでも紹介されている。 多剤大量併用処方をする医師、話を聞かずに薬だけ出す医師などの話は同じ精神科医として耳に痛い。 この本を読むと精神科医不信が強まるのではないか、と思う。 初めの多剤大量処方に関しては、まず減薬を進める杏林大田島教授の話が進み、それを減薬療法と表現しているのだが、それはどうもなぁ...明らかに間違った大量処方を減らすことを〇〇療法と言うのは気がひけるのだが...。 とはいえ、多剤大量処方に恐れをなして逃げてくる患者さんがいるのは事実。クリニックを選ばないといけないのも事実だろうと思う。 とりわけ本書に紹介されている医師の治療には首をかしげるどころか、犯罪的なものも多く、それがほんの一部の精神科医によるものだと信じたい。この本を読んで精神科医全体が不信の目で見られるとしたらそれは困るなぁ...と思ってはいるものの、薬に頼るのは患者だけでなく医師にとっても楽は楽なので、本書の問題提起は常に念頭に置くべきものだろう。 医学的見地からは、幾つかの記載で過剰な期待、間違いや誤解があることが気になる。 1つは心理療法について。 本書でも指摘されていることだが、日本でカウンセリングを望んでも、カウンセラーが師事した指導者の立場によってカウンセリングの内容が大きく異なり、「臨床心理士」という同じ資格を持ったカウンセラーであるのに、その「治療」内容は驚くほどカウンセラー間で異なる。 治療が進まない、こじれる原因に心理士の治療とは言えないカウンセリングが多いことは事実で、本書ではそれに対する突っ込みが足りないのは残念。 期待のもたれる認知行動療法は、その効果もさることながら(残念ながら夢の治療ではないが)、技法として一定の質が担保されていることが最も信頼のおける心理療法となっている。 次に番組でも紹介されている、新検査としてのNIRS(近赤外スペクトロスコピー)に関して。 NIRSに関しては、うつ病診断が可能かといえばそれはとても疑わしい。NIRSが診断の決め手になったような紹介がされるが、決め手になったのはNIRSの測定データではなく、改めて行った詳細な問診である。 http://d.hatena.ne.jp/kyokoso/20120225/1330182626 市井の医師として参考にしたいのは、一部の医療機関で行なっている、うつ病患者へのリハビリである。 多職種がそれぞれの専門領域の強みを発揮して、社会復帰をサポートしていくというシステムが構築できている場所は羨ましい。 全体としてやや扇情的な部分は目立つが、現状の精神科医療に対する問題提起として本書は価値があり、本書で指摘されるような医療への不信感を払拭させるような医療を提供していく義務が精神科医には課せられているように感じた。また、患者の生の話が中盤から後半にかけて幾つか紹介されており、そこには当事者のみが語れる迫力が感じられ、大変参考になった。 正確でない内容がままあることを考えて星1つ減点。科学書ではなくても細かい点まで間違いは書かないことは重要である。

Posted byブクログ