SPEEDBOY! の商品レビュー
読み始めた時は「酉ガラさんのかいたものみたいだ」と笑ったが、ともあれこれ、まさか出鱈目に行き当たりばったり、それこそスピードを求めるかのごとくあらゆるものを置き去りにかかれているのか?と不安めいた気持ちになったが、各章の関連性というものが際のところで破綻に至らないまま文字通り加...
読み始めた時は「酉ガラさんのかいたものみたいだ」と笑ったが、ともあれこれ、まさか出鱈目に行き当たりばったり、それこそスピードを求めるかのごとくあらゆるものを置き去りにかかれているのか?と不安めいた気持ちになったが、各章の関連性というものが際のところで破綻に至らないまま文字通り加速するスピードが小説の形で、あらゆる枠を、閾を、破壊してゆく。なんていうかメタバース?みたいな?もの?を思ったりあだち充が提唱してるところのスターシステムみたいなことかと思えばすんなりと気にならなくなった。その腑に落とし方が正しいかどうかはともかくだが、最終章にまぁなんとなくそういうことかわかる説明のようなものはあるけど当該箇所を読むまでそのように理解できる人はいないんじゃないのと思うし、となれば各読者がそれぞれなんとなく暫定的な腑に落とし方で読み進めるしかない。 ともあれそんなことは瑣末で、小説を読んでて「速い」と感じるのは初めてだったしそれはすごいことだ。小説のスピードはこちらの匙加減に依るはずだからだ。ページをどんどん読ませるとかぐいぐい引っ張られるおもしろさとかじゃなくて、単純に読んでいる間、身体的な感覚として「速さ」を感じる。これはどういうカラクリなんだろうか。視覚から肉体に入ってくる小説が皮膚の触覚に伝播する。
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これ、本当に疾走感があって好き。 まず僕は「ソニックブーム」という現象が好きだ。それが登場していて、なおかつ舞城王太郎さんの作品であるのだから本当にこの本は性癖に刺さりました。
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不思議な感じ。 先輩になったり後輩になったり同級生っぽくなったりするのが面白かった。 このテンポのいい感じはすごく好み。
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自分で作っちゃった枷のはずし方。 弱い自分との戦い方。 なんて事考えずに、先ずはこの疾走感が好き。 ニヤッと終われる、ラストシーンも心地よかった。
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舞城先生の話はいつも読み終わってから解説を探してしまう。 物語は分かりやすいし一つ一つの事象もシンプルなのに、全体像に震えのようなブレがあって、掴めそうで掴めない不思議な気持ちになる。 内容は、同じキャラクターが違うシチュエーションでアレコレ起こるのだけど、お互いの話は繋がらない...
舞城先生の話はいつも読み終わってから解説を探してしまう。 物語は分かりやすいし一つ一つの事象もシンプルなのに、全体像に震えのようなブレがあって、掴めそうで掴めない不思議な気持ちになる。 内容は、同じキャラクターが違うシチュエーションでアレコレ起こるのだけど、お互いの話は繋がらない。 共通しているのは主人公がめっちゃ速いってことで、そのスピード感は本編を読んで味わってほしいです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本全体を貫く疾走感を感じた 収録作はどれも厳密に言えば独立した物語である だが、登場人物が同じだったり共通点があったりで、読んでいる最中はまるで繋がりがあるように錯覚する、あるいは疑心を抱く そして、1作目の強烈な疾走、読者をも置き去りにしかねない疾走 そういった、強烈な出だしと繋がっているような感覚がいい意味で頭を麻痺させてくれ、たっぷり舞城世界を堪能出来た ちゃんとラストは、全体を包括するような(ように見える)物語で、疾走の流れも向きもそのままに幕を閉じる それもまた悪くはない
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「山ん中の獅見朋成雄」と設定は共通している部分が多いものの、キャラクターの印象も異なり、世界観も違う。ただ、この作品でも倫理観を飛び越えてしまう成雄くんが描かれている。前作よりもその超越感はより顕著になっており、それは彼の能力がよりわかりやすい形で表現されているためだろう。 また...
「山ん中の獅見朋成雄」と設定は共通している部分が多いものの、キャラクターの印象も異なり、世界観も違う。ただ、この作品でも倫理観を飛び越えてしまう成雄くんが描かれている。前作よりもその超越感はより顕著になっており、それは彼の能力がよりわかりやすい形で表現されているためだろう。 また、前作では彼自身が異様な世界(社会)に飛び込む展開だったが、こちらは逆で、日常的な世界で彼の異様な能力が浮き彫りにされている。同じような能力の仲間はいるものの、その中でも成雄くんの自我は一線を越えそうなのは、彼が他者の存在を必要としないためだろう。 それでも最後の最後ではやはり他者とのコミュニケーションを求めるし、だからこそコミュニケーションの難しさにぶつかる成雄くんが愛しい。彼の暗中模索は続くだろうけど、手探りの未来が待っているのも悪くない。
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集中力 善悪 背中の毛 歯車が噛み合ってなくて、エンジンは高速で回転してるのに、タイヤは空転してあんまり進んでない感じ。
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少し前に福井で九十九橋を見かけたため 久しぶりに舞城氏が読みたくなった 相変わらずのぶっ飛んだ限界超過っぷり その横にいる透明感のある女子も健在 確かに限界は自分および他人に つくられるものなのかもしれないと思い 自分で限界を作っていた あることに 挑戦してみることを決めた ...
少し前に福井で九十九橋を見かけたため 久しぶりに舞城氏が読みたくなった 相変わらずのぶっ飛んだ限界超過っぷり その横にいる透明感のある女子も健在 確かに限界は自分および他人に つくられるものなのかもしれないと思い 自分で限界を作っていた あることに 挑戦してみることを決めた 自己啓発本でうたっている限界超過と 小説で見せつけられる限界超過は受け取り方が違う 小説の方が夢見がちだけど 案外、努力し続けるための納得度が高い気もする
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これはまた違った趣向の成雄シリーズ。過去に遡ったりしてるのか?と思ったけどパラレルなのかな。ちょっとずつ設定は違えど、結局は同じテーマというか、同じところに導かれている感じはする。「獣の樹」でもそうだったけど、「木」とか「森」がなんだか禍々しいものとして描かれているのが印象的。そ...
これはまた違った趣向の成雄シリーズ。過去に遡ったりしてるのか?と思ったけどパラレルなのかな。ちょっとずつ設定は違えど、結局は同じテーマというか、同じところに導かれている感じはする。「獣の樹」でもそうだったけど、「木」とか「森」がなんだか禍々しいものとして描かれているのが印象的。それにくらべると石は神聖かな。とにかくどの成雄も人の痛みには鈍感なようでいて、女の子を守ることには熱心。
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