功利主義入門 の商品レビュー
ゴドウィンはウォルストンクラフトとの出会いで功利主義思想に修正を加えた。その娘はフランケンシュタインの作者。 現代の功利主義は、家族や道徳的規則も考慮する間接功利主義。行き過ぎを戒める規則功利主義。 元祖は、直接功利主義で行為功利主義。 同性愛と異性愛に道徳的な違いはない(ベ...
ゴドウィンはウォルストンクラフトとの出会いで功利主義思想に修正を加えた。その娘はフランケンシュタインの作者。 現代の功利主義は、家族や道徳的規則も考慮する間接功利主義。行き過ぎを戒める規則功利主義。 元祖は、直接功利主義で行為功利主義。 同性愛と異性愛に道徳的な違いはない(ベンサム) 男女に違いはない(ミル) 動物と人間に違いはない(シンガー)。 最大多数の中に、どこまで入れるか。 常識的な規則が、功利主義的に見ると不公平に扱っていることがある。 幸福は多様だが、不幸は同じ=ホバー。最小不幸社会を目指す。 医療現場のトリアージは、功利主義的な考え方。 津波のときは、てんでんこで逃げる。自分のことだけを考えて逃げることが一番効率的。 リバタリアンパターナリズム=自由だが、望ましい方向が自然と選べるように導くべき、という考え方。 トゥルーマンショーの主人公は幸福か。薬で幸福感を得ることは幸福か。 群衆を見ても助けようとしないが、個人を見ると助けようとする。人間の命の重さが等しいと考えると功利主義的には非合理。 ビルゲイツは寄付先を選ぶとき、多くの人に影響を及ぼしていて、過去に無視されてきた問題、に対して寄付する。功利主義的な考え方。直感を排除する。
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功利主義の概要とそれにまつわる諸問題を、わかりやすくていねいに解説している入門書です。 著者はすでに『功利と直観―英米倫理思想史入門』(2010年、勁草書房)を刊行しており、そちらではかなりていねいに功利主義と直観主義の対立を軸に倫理学の思想史を紹介していますが、これに対して本...
功利主義の概要とそれにまつわる諸問題を、わかりやすくていねいに解説している入門書です。 著者はすでに『功利と直観―英米倫理思想史入門』(2010年、勁草書房)を刊行しており、そちらではかなりていねいに功利主義と直観主義の対立を軸に倫理学の思想史を紹介していますが、これに対して本書では「体系性はあまり重視せず、むしろ倫理学に対する読者の関心を高めることに意を注いだ」と「あとがき」に書かれているように、より親しみやすい内容の入門書となっています。 倫理学は、いったいどのような立場から、どのような方法にもとづいて、倫理についての考察をおこなっているのかという基本的なところから説きはじめています。著者は、功利主義の立場から公衆衛生の諸問題に対してどのような解決策を示すことができるのかという問題に対しても、アウトラインにとどまってはいるものの、みずからの見解を示しており、さらに幸福度の評価という困難な課題についても一定の見通しを提出しています。もちろんこれで完全に問題が解き明かされたというものではありませんが、読者を倫理学的な議論の場へと招き入れることには成功しているように思います。
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かなり面白い。が、考え得るケースが膨大にあり、思考を放棄したくなる。 功利主義では全ての人は一人としてカウントされる。首相だろうと身内だろうと一人であり重み付けされない。社会全体という俯瞰的な視点から個人を観測する、さながら最大利得を目指すマルチエージェントシミュレーションのよ...
かなり面白い。が、考え得るケースが膨大にあり、思考を放棄したくなる。 功利主義では全ての人は一人としてカウントされる。首相だろうと身内だろうと一人であり重み付けされない。社会全体という俯瞰的な視点から個人を観測する、さながら最大利得を目指すマルチエージェントシミュレーションのようなもの。 功利主義の3つの特徴。1.帰結主義。こう行為するとこういうことが結果として起こるだろう、という事前の予測に基づいて行為の正しさを評価する。2.幸福主義。何かの役に立つという理由からではなく、それ自体に価値があることを内在的価値と呼ぶ。幸福主義によれば、この世界で内在的価値を持つものは幸福だけであり、それ以外は手段としての道具的価値を持つに過ぎない。3.総和最大化。各人を一人として数え、誰もそれ以上には数えない。 ーメモー 倫理学とは「倫理について批判的に考える」学問である。よりよく生きるために社会の常識やルールを考えなおすための技術である。ある党派的な諸原則を押し付けられるのではなく、批判的な思考能力を高め、自分で思考できるようにすることが、本書の狙い。 ー倫理の学び方ー 1つ目は守るべきルールを学び実践できるようになること。2つ目はルールについて疑問を発し、自分なりの答えを出せるようになること。 批判的に考えることの主目的は、ルールの根拠を確認することにある。みんなが従っているルールだから従うのではなく、確信をもって従うのだ。 倫理的相対主義・・・俺の中ではOK、あなたの中ではNG。人それぞれ規範が異なる。他人の倫理観についてとやかく批判すべきではないとの考え。 →倫理は相対的か?元をたどると共通のルールがあることがわかる。 →倫理的相対主義への批判。他人の倫理観についてとやかく批判すべきではないというのなら、その倫理観を他人に主張すべきでない。 動機は倫理における一番大切な事柄ではない。なぜなら人は善い動機から非倫理的な行為をすることもあるし、利己的な動機から倫理的な行為をすることもある。動機の善し悪しではなく、倫理的な行為がなされるかどうか。動機の問題ではなく、その行動に主眼がある。 人間は利己的だから倫理は無駄。 これに対する反論は2つある。1つは倫理は動機(利己/利他)によらないとの見方。利己的であっても倫理的/非倫理的な行動をとりうる。もう1つは人間は常に利己的ではないとの見方。利己と利他は対義的ではない。倫理/非倫理と利己/利他で見るといい。 ジェレミーベンタム・・・政治においても道徳においても、何をなすべきかを考える際に指針となるのは、功利性の原理において他にない。最大多数の最大幸福を指針として行為せよ。自然は人間を苦痛と快楽という2人の王の支配下に置いた。 なぜ最大多数の最大幸福を追求したければならないか。 →社会全体の幸福の実現のため。実現に向けて:功利主義に従う人はそれでいい。それ以外の人は?→サンクションによって拘束する。 功利主義の3つの特徴。帰結主義:結果ではなく、事前に予想される結果に基づいて評価される。幸福主義:行為が人々に与える影響こそが倫理的に重要な帰結。総和最大化:各人を1人として数え、誰もそれ以上には数えない。 メタ倫理学:「〜は正しい」と言うときの正しいとはどういうことか、「〜は善い」と言うときの善いはどう言う意味か
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とにかく親しみを与えてくれる 興味持てたらもっと深めてくれたらええんやでという優しさがある すぐ読めるので何回も読んじゃう
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臓器移植の是非についての記事を読んでいた時に、功利主義の話が出てきて、もっと深めてみたいと思い読みました。功利主義の基本的な考え方や、批判を経て思想として強化されていく過程、政治や公共事業への応用、幸福とは何か、などについて書いてありました。特に、幸福についてという人生における大...
臓器移植の是非についての記事を読んでいた時に、功利主義の話が出てきて、もっと深めてみたいと思い読みました。功利主義の基本的な考え方や、批判を経て思想として強化されていく過程、政治や公共事業への応用、幸福とは何か、などについて書いてありました。特に、幸福についてという人生における大きな問題へのアプローチとして、功利主義という立場の存在を学べたことが大きかったです。
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功利主義についてわかりやすく軽くつまんで説明してある 重要そうなところは話していると思うので、倫理学について考えるとしたらこれである程度十分だろう。 倫理の難しさもわかって良い
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なんかようやく倫理学に入門できた気がする。功利主義に絞っているから、ふつうの『倫理学入門』みたいな本には書いてないこともあれこれ書いてある。田上孝一先生の本のタバコ批判とかもああこういう話かと納得。
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文学博士による功利主義についての本。子供向けに解説するがごとく、簡単な解説書であって学術性なく、内容が薄い。読む価値が感じられない内容。
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タイトル通り、功利主義の入門書で倫理学についての新書らしい新書。不用意に深く踏み込むことなく、また著者の価値観を大量にちりばめることなく書かれているので身構えることが少なく読みやすい。しかもリファレンスとして使えるレベルでまとまっている。 知識レベルで功利主義について知るならこの...
タイトル通り、功利主義の入門書で倫理学についての新書らしい新書。不用意に深く踏み込むことなく、また著者の価値観を大量にちりばめることなく書かれているので身構えることが少なく読みやすい。しかもリファレンスとして使えるレベルでまとまっている。 知識レベルで功利主義について知るならこの一冊になる。
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功利主義の批判.古い考え方として排除されることが少なくないが,道徳等はじめに様々な配慮がある.答えはないが,一考すべき考えかた.公衆衛生と功利主義についてはさらに学ぶ必要がある.
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