続・生き人形(完全版)(文庫版) の商品レビュー
稲川淳二さんの「生き人形」のマンガは怖かった。 子供心にトラウマコミックである。 それが完結したと聞いて読んでみる。あれ……怖くない。大人になったからだろうか? なんとなくだけれど、著者のスタンスが変わっているのではなかろうか、と思う。昔の作品は怖がらせるためだけれど、...
稲川淳二さんの「生き人形」のマンガは怖かった。 子供心にトラウマコミックである。 それが完結したと聞いて読んでみる。あれ……怖くない。大人になったからだろうか? なんとなくだけれど、著者のスタンスが変わっているのではなかろうか、と思う。昔の作品は怖がらせるためだけれど、本作は生き人形の正体について冷静に分析しているような。 確かに起こっている事象は恐ろしいんだけれど、でてくる霊能力者たちも強力で「どういうことなのかな?」とわくわくして読める。 すこしだけ小野不由美さんのゴーストハントの視点に似てる。(あちらはきちんと科学だけれどね) エンディングまで行くと「旧読者へのサービスもすごいな」と思うのだけれど「読み手にかかる霊障」すらも「あの霊能力者さん」がなんとかしてくれているのだと思うと心強い(笑)
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事の始まりは2007年1月。漫画家の永久保さんの所に、「あの『生き人形』の続編を描いてほしい」という依頼が入った。当事者で話者の稲川さんも話の提供を承諾し、永久保はあの話の続きを伺いに稲川さんに会うことになった。話を伺い、制作活動を始めた永久保さんだったが、事態は予想外の方向に進んでいき……。 30年に渡り話題となった『生き人形』の物語は、ここで静かに幕を閉じる――。 『生き人形』を知ってからこれまで、関連する商品に手を出してきました。でもまさか、稲川さんの手を離れて初めてこの一連の事態が解決するとは、思いもしませんでした。 これを読み終えた今では、もう人形に対して、何と言うんでしょう、恐怖心はまだ残っていますが、それ以上に、人形に込められた魂への哀悼の意と冥福を祈る気持ちが強くなりました。 人形を構成する元となったモノ。それらはきっと今でも至る所にあって、「怪談」や「目撃談」などに形を変えて、私たちの前に現れる。『生き人形』はそれら複数の要素が複合したことで、【伝説】となったのでしょう。
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