なぜアメリカは日本に二発の原爆を落としたのか の商品レビュー
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読了。内容がないようなだけに、読んでいて暗い気持ちになって、読み進めるのが辛かった。腹が立ったり、がっかりしたりと、人によるだろうが私には精神衛生上あまり良い本ではなかった。内容は興味深い。簡潔にまとめると、アメリカは落とす必要のない原爆を落とし、実験をした、ということ。 星三つ。 下記に付箋を貼った個所の要約をしるす: 20:原爆製造の指示を、ルーズベルトが出したのは、真珠湾攻撃の前の、1941/12/6のこと。 27-35:原爆運搬用の長距離爆撃機の必要を知り、開発を始めたのは1930年代の事。 58:ルーズベルトだけではなくその側近たち、米政府首脳らは、ソビエトにたいする親近感があった。そこで原爆を使用すれば、ソ連の対日参戦を、後押しできるという雰囲気もあった。 64:人類初の原爆実験は、1945/7/16,午前5時29分になされた。 140:日本の国土は原爆を使用するまでもなく、すでに壊滅状態であった。 145:原爆投下の候補地であった、広島、長崎、京都、新潟、小倉、には通常爆弾を落とさないように指示されていた。それ故、ルメイ将軍は人口3万人の郡山にまで爆撃範囲をひろげつつ、「これでは爆撃目標がもうなくなってしまう」と嘆いていた。 160:オレンジプランについて。日本を戦争に巻き込むプラン。オレンジは日本に充てられた色。他にも黒=ドイツ、赤=ソビエト、青=イギリス、などの色と外交プランがそれぞれ練られていた。
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読みやすい構成で一気に読了。 アメリカをよく知る著者の分析が面白い。 私の浅薄な知識では、日本海軍は開戦後長期の間持ちこらえられないことは、事前に解っていたと記憶している。大本営の指導力のなさというのはその通りだが、船乗りが戦闘に長けていただけ、というのは著者の言い過ぎだろう。 ...
読みやすい構成で一気に読了。 アメリカをよく知る著者の分析が面白い。 私の浅薄な知識では、日本海軍は開戦後長期の間持ちこらえられないことは、事前に解っていたと記憶している。大本営の指導力のなさというのはその通りだが、船乗りが戦闘に長けていただけ、というのは著者の言い過ぎだろう。 また、二度と落とされないようにするために、抑止力を持たなければならないというのは議論の余地がある。
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日本が戦争で負けるとわかっていたときに、原爆を二発投下したアメリカが解せなくて、読んでみた。理由はなんとなく想像していたのと近かったので納得。 ただ東京大空襲のときの被害の大きさは、原爆のものと匹敵していたのは知らなかった。六章の、いまの現実のほうが恐い。また世界は戦争へと向かっ...
日本が戦争で負けるとわかっていたときに、原爆を二発投下したアメリカが解せなくて、読んでみた。理由はなんとなく想像していたのと近かったので納得。 ただ東京大空襲のときの被害の大きさは、原爆のものと匹敵していたのは知らなかった。六章の、いまの現実のほうが恐い。また世界は戦争へと向かっているような気がする。そのきっかけがこのアジアになりそうだと思ったのは気のせいか? いつまでも同じ世界情勢ではいられない。 集団自衛権でいろいろ言われてはいるが、この章を読むと、そして、アメリカが弱体化し、中国が国際法を領土、海洋を奪い始めているいま、ゆったりとした戦後のアメリカ植民地化している平和から国家として、まともなものにならなきゃ、と思う。 福島原発についても書かれている。原発が日本にあることで、日本はすぐにでも核保有国になれる、ということが、他国への抑止力となっていると他の本で読んだし、納得はするが。だがごみ箱のない放射性物質をまきちらすのもね。
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原爆投下に関する話は面白い。 読みやすい文章かと言われると、?な感じ。 結論部分(筆者の主張)が、ちょっと微妙というか乱暴? でも日本人なら知っておかないといけない内容。
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かなり細かく当時の原爆を落とす流れを書いてくれてる。原爆投下の記憶が強いが被害だけなら東京大空襲も同じくらいくらってたんだ。オイラまだまだ勉強が足りんぜよ
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「戦争を早く終わらせるため」という言説がウソだという立場で原爆が日本に2発落とされた経緯を細かく解説。 また、原爆にとどまらず、東京大空襲についても、当事者のインタビューやさまざまな資料を通して、その意味を問うている。 戦後、ただただ「祈り」を続け思考停止状態の日本はこういった...
「戦争を早く終わらせるため」という言説がウソだという立場で原爆が日本に2発落とされた経緯を細かく解説。 また、原爆にとどまらず、東京大空襲についても、当事者のインタビューやさまざまな資料を通して、その意味を問うている。 戦後、ただただ「祈り」を続け思考停止状態の日本はこういった事実からは目を背けていることがよくわかる。 最終章では、原爆からの議論を少し離れ、中東・アジアの不均衡な情勢について解説されている。 そして、日本がいま何をすべきかについての提言もなされている。 また原発運用の是非についても反反原発の立場から冷静に解説を加えられている。 下に【目次】を挙げておいたが、それだけでも興味をそそられるでしょう? こう言ったことをゴッソリと置き忘れてきたのが、戦後日本の教育。 ---------------- 【内容紹介(amazonより)】 日本人が毎年の夏、半世紀以上にわたって「二度と原爆の過ちは犯しません」と祈りを捧げている間に、世界では核兵器を持つ国が増えている。そうしたなか、日本は平和憲法を維持し、核兵器を持たないと決め、原子力発電もやめようとしている。だが、それで本当に悲劇は繰り返されずに済むのだろうか。 著者が日本に帰国すると、若い人々が口々に「理由のはっきりしない閉塞感に苛立っている」と述べ、日本国家に対する不信感を隠さないという。そこで著者は、本書の「まえがき」で、こう綴る。「日本はいまや原点に立ち戻り、国家と戦争、そして核について考えるべきときに来ている。日本が変わるには、考えたくないことでも考えなければならない」。 アメリカは何を考えて大量殺戮兵器である原爆を製造したのか。なぜ日本に原爆を投下したのか。史上空前の無慈悲な仕打ちはどのように日本に加えられたのか。新たな記録の発掘と新証言をもとに、「真実」に迫る。 ---------------- 【目次】 第1章 真珠湾攻撃前からアメリカは日本への原爆投下を考えていた 第2章 広島・長崎への原爆投下は人体実験だった 第3章 皇居・京都への原爆投下も話し合われた 第4章 日本は軍事的に崩壊していた 第5章 それは日本に対するホロコーストだった 第6章 祈るだけでなく抑止力を持つことが必要である あとがきに代えて―日本は何をなすべきか ----------------
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太平洋戦争敗戦間際の日本に対するアメリカ戦略分析書。ネオコン派勢力均衡論による厳格な洞察。また、日本国内の原発に対する過剰アレルギーは原爆にあり、だからこそ安全対策を追求するべきと主張。
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