外国語をはじめる前に の商品レビュー
語学を学ぶのは楽しいことです。楽しくなければ覚えない、上達しない、ということを実感させてくれる本。外国語を主に習う大学に通っている人が羨ましいと思う。
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語学という学問の巾は広い。語学勉強に王道なし、という事が分かる本。読んだから上達の近道があるというわけでは無いので注意。
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外国語を勉強する動機にはどのようなものがあり、習得するためには何を意識してどのように努力するべきなのか、という点を言語学の専門家が高校生向けに分かりやすく解説したもの。外大での授業をもとに、受講生の意見を紹介しながら説明されている。外国語を習得する上で知っておくと有利な言語学の...
外国語を勉強する動機にはどのようなものがあり、習得するためには何を意識してどのように努力するべきなのか、という点を言語学の専門家が高校生向けに分かりやすく解説したもの。外大での授業をもとに、受講生の意見を紹介しながら説明されている。外国語を習得する上で知っておくと有利な言語学の知識(音声学、比較言語学、語用論、社会言語学など)も解説されている。 いろんな言語があります、という本は結構あるが、それぞれの言語を学んでいる人はこんなことを考えて日々勉強しています、という本はあまりないと思う。 著者は色んな学生がいる中でも、単純に「外国語はカッコいい!」と思って「チャラく」努力する学生を応援している。また、例えば音声学は大事だけれども音にこだわりすぎてはいけない、といった偏りのない視点、文法も大事だし英語は大事だという堅実な意見に共感できた。 たぶん本の趣旨とは関係ないが、自分の専攻語について解説している外大生の文章を取り上げて、こう説明するともっと分かりやすい、とかこういう点が説明されていて良い、といった、効果的に人に物事を説明するための技法についてのコメントも参考になった。(12/09/--) 9年前に読んだらしいが、全く忘れていた。最近、同じちくまプリマー新書で、読んだことを忘れて結果的に再読したのがあり、今までそんなことなかったのに、続け様にこういうことになっていてちょっとショックだ。悪い本じゃないから何回読んでもいいんだろうけど、全く読んだ記憶がない、というのが…。そしてブクログを書く段になって唖然。「既に登録済み」という…。これからはだいぶ前に買った本を読もうとするときはブクログをチェックした方がいいのかもしれない。 今回読んで、気になったところ。まず外国語学習に才能は関係ないけど、得意・不得意はあるという話で、「目立つのは数詞で、大きな桁の数字を外国語と日本語の間でスイスイと置き換えられる人がいる。」(p.36)という部分。確かに大きな数字は訓練しないと難しいが、簡単な数字でもパッと置き換えられない人がいるようだ、というのはおれも英語を教えていて思う。次に「ネイティブにもいろいろな人がいる。誠実に対応して、分からないことは率直に分からないといってくれる人は本当にありがたい。だがそういう人は少なくて、その反対に、文法について調べたり考えたりしたことさえないのに、直感的に文法の理由づけをするネイティブも珍しくない。本来、一人の言語体験には限界があるわけで、そんな人の意見を信じてしまったら後々困ることになる。ネイティブだって神様ではないのだ。」(p.71)の部分。特に「ネイティブだったらこう言う」系の本を読むのは、わりとおれも好きだし、一人のネイティブに確認して満足してしまうことも多いけれど、実は当てにならないことも多いんじゃないかと、実感は難しいけれどあらためて肝に銘じておきたいところ。次に比較言語学のウィリアム・ジョーンズの話。「サンスクリット語からギリシャ語やラテン語ができた」(p.105)と考えなかったことが重要、という視点が面白い。想像力は言語研究でも重要という話。次に方言地図の話で、『お国ことばを知る 方言の地図帳』という本の「お国ことばで聞く桃太郎」は面白そうだ(って、どっかで聞いたことがある気もするけど、これも忘れてしまっているのか…??)。あと元外国語学部生としてギクっと来たのが「自分の目指した外国語を捨てて、日本語の方言研究に逃げないことである。外国語はなかなか上達しない。そのことに苛立ちを覚え、それよりも長年親しんできた日本語に切り替える。そんな学生が実は少なくない。」(p.142)という部分。実はおれも大学院の研究テーマを決める時に、日本語学を専攻したいと思ったことが一瞬だけど、あった。これは完全に「逃げ」の気持ちだった。やっぱり外国語学習のプロにはこういう心理もすぐ見抜かれてしまうという怖さを感じた。あと英語の話だけど、「teaにはイギリス、オーストラリア、ニュージーランドで『夕食』の意味があるという。」(p.146)だそうだ。知らなかった。 という感じで、単純に外国語やってみたい、と思う人へのスタンダートな指南書。面白く短時間で読めるけれど重要な言語学のコンセプトが詰まっている本だと思う。(21/05/03)
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外国語をなぜ学ぶのか。外国語学習で挫折しないためには。 大学の外国語学部に学ぶ学生の論述を交えながら、外国語学習について視野を開いてもらえた。軽妙な語り口やユーモアも楽しい。 英語だけではもちろんなく、文字がかわいいとか、発音がおしゃれなど、チャラい動機で勉強に興味を持つことの大切さも理解できた。 12-123
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外国語を始める前に、言語学を知りなさい、という本。 たとえば音韻学、音声学を知ることで・・・ 厳密に音を区別し、聴き取ることを発音に活かす(音声学)と同時に、 ネイティブ並の発音でなきゃだめ、という強迫観念に陥らないよう 意味の区別さえできればよいという柔軟さを持つ。 こういう...
外国語を始める前に、言語学を知りなさい、という本。 たとえば音韻学、音声学を知ることで・・・ 厳密に音を区別し、聴き取ることを発音に活かす(音声学)と同時に、 ネイティブ並の発音でなきゃだめ、という強迫観念に陥らないよう 意味の区別さえできればよいという柔軟さを持つ。 こういうバランス感覚を持つことが大事だという。 この本の面白いところは、筆者の教えた、外国語学部の学生さんたちのレポートがふんだんに引用されているところだ。 外国語学習に長けた彼らも、私たち一般人と同じ所に苦しんだりすることがわかる。 この本の目論見は、外国語学習をめぐるいくつかの思い込み、神話を解体しようということのようだ。 たとえば、留学すれば上達する、とか。 ネイティブに教わらないと上達しない、とか。 文法ばかりやってもしかたない、とか。 これらを一概には否定しないものの、丁寧にそうばかりではない、と説いている。 結局語学学習は、じっくり時間をかけて取り組むことが大事。 語彙と文法と発音の三者をどれも高めていくということ。 至極もっともな結論が、筆者の体験などから諄々と説かれている。 筆者はかつてNHKのテレビ、ラジオのロシア語講座の講師を担当者。 個人的にはテレビもラジオも語学講座を時々試聴するので、その制作の舞台裏の話なども興味深かった。 スキットなどを講師が作っているというのは、何となく創造していたけれど… 衣装が自前というのは、びっくり。スタイリストがついている訳じゃない、とは…。
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外国語学習のための言語学概論。 動機はチャラくていい!上達するのに時間はかかる。そりゃあそうね。 外国語は英語だけじゃないよ、ってのも大事なメッセージ。 高校生に読んでほしい。
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