増補新版 岡崎京子 の商品レビュー
1996年の自己により執筆活動を休止することになったものの、現在でも高い評価のつづいている岡崎京子のムック本です。もともと2002年に刊行された本ですが、蜷川実花によって『ヘルタースケルター』が映画化されたことを受けて、2012年に増補版として再刊されることになりました。 蜷川...
1996年の自己により執筆活動を休止することになったものの、現在でも高い評価のつづいている岡崎京子のムック本です。もともと2002年に刊行された本ですが、蜷川実花によって『ヘルタースケルター』が映画化されたことを受けて、2012年に増補版として再刊されることになりました。 蜷川実花へのインタヴューのほか、よしもとばなな、宮台真司、椹木野衣らがインタヴュー形式で岡崎の作品世界について語っています。よしもとが『リバーズ・エッジ』を酷評しているのは意外でしたが、マンガに親しみ「マンガのような小説」と評される作品をえがいてきたよしもとだけに、マンガという媒体でしかできないことに対するなんらかのこだわりのようなものがあるのかもしれません。 宮台の解釈は、いつものように彼自身の現代社会の見方のなかに岡崎の作品を取り込むようなもので、意外性はなかったように思います。ついでながら、岡崎とは無関係のことではありますが、椹木が中原昌也の作品について、「小説の自明性みたいなものに対して、日本語がもともと持っている主体の分裂性や書き割り性みたいなものを、文学の解体のような「実験」に陥らずに、一定の文学的先例を参考にしながら、きっちり書いてもみるという、いま考えうる小説の可能性の中でも、かなり難しい道を選んでいる」と評し、「岡崎さんの作品なんかをきっちり読んでいたひとならば、中原さんのやろうとしていることがきわめてまっとうなことだということはすぐにわかるはずなんだけれど」と語っていることは、非常に腑に落ちるように感じられました。 それはともかく、岡崎の主要作品くらいは文庫版で読めるようになってほしいものです。
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通ってこなかったのを後悔、今からでも順に読んで行きたい。楽しみができた。小沢くんと知古だとわ!また事故に遭われてたのも有名な話だったよう。全て知らなかった!映画ヘルタースケルターも観たいな。本としてはもう、分析の域にくるような方なんだね、難しい解釈で読み飛ばす。
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