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読むのが怖い!Z の商品レビュー

3.8

17件のお客様レビュー

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2022/01/11

シリーズ第3弾。 タイトルは【読むのが怖いゼット】ではなく、【読むのがこわーいぜーーーっ!】だそう(あとがきの大森さん談、第2弾に『2』をつけていないので『3』ってのもどうよ、ってことだそう) 北上さんのあとがきによると、単行本の見本が出来てから初めて見る(編集を大森さんに任せチ...

シリーズ第3弾。 タイトルは【読むのが怖いゼット】ではなく、【読むのがこわーいぜーーーっ!】だそう(あとがきの大森さん談、第2弾に『2』をつけていないので『3』ってのもどうよ、ってことだそう) 北上さんのあとがきによると、単行本の見本が出来てから初めて見る(編集を大森さんに任せチェックしない)ので、第2弾で副題に「書評漫才」とかいてあるのを見て、『オレたちの対談書評は漫才だったのか。そんなの全然知らなかった』『しかし私は対談に臨むにあたって徹底して真面目なのだ。ふざけたことは一度もない』と おっしゃっている。 北上さんがノーチェックで見本が出るまでタイトルを知らないことに驚くが「漫才だったのか、知らなかった」と思ってることが、なんだか、この書評本で垣間見える、北上さんの人柄や大森さんとの関係性、この本がなぜこんなに面白いのかをよく表していると思う。 今回は、ようやく2011年頃の書評に突入したこともあり、私自身も割と自分が当時読んだ時の感触を覚えている本も出てきて、お二人がどのように読んで評価するのかを知る、と言う視点が増えて、より楽しかった。 過去の【読むのが怖い】で取り上げられていた、飯嶋和一さんの「黄金旅風」を読んでみたあとで、この対談本を読んでみたら、ふたたび、飯嶋さんの著書の書評が出てきた。そこで、お二人が”主役が誰なのか”についてお話されている。北「主役格は誰だ?」大「誰が主役かは難しい」(略)北「いろんな人物をいっぱい出して、局面を総合的に描くというのが飯嶋さんの手法なんですが」というくだり。そこを読んで、確か、私は黄金旅風を読んだ時に、把握するのに難儀して結構時間がかかった、と言う感想を書いたのだ。主役が分からないと言うのとは違うが、ストーリーごとに中心人物や藩や時代が変わるので、把握するのに難儀した。お二人がこのようなお話をされていて、ああ、そうだ、だからわたしのように歴史の史実を理解していない人が読むと、ころころと人や場面が変わって把握しにくいんだなあ、と腹落ちした。 それから、北上さんの"読みたいものを読む"、"大森さん選のものは読んでみるけど、読めないと思ったものは途中でも辞める"、"分からないものは分からない"と言う潔さが好きなのだが、 今回もこんなやり取りをしている。 北「だから、大森に教えてほしいんだよ。オレはいつもラノベ、ダメなわけじゃない?上遠野浩平もダメだったし。でも、なぜこれがいいんだろう?」大「それがわかんないからいつも困ってるんですよ!永遠の謎ですね」北「えー、説明してくれよお!」大「ムリですよ。なぜコレがよくてアレがダメなのかというのに、全然理屈がないから(笑)。っていうことが、これまででよくわかりました(笑)」 もう、面白過ぎますよ、北上さん。

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2021/06/19

北上次郎の書評が好きなので。自分が超面白いと思った本も北上さんの評価は低かったりもしたが、エンターテイメントとは、ミステリーとはと評価の軸があることがわかった。 それにしても北上さん、”おぼえていない”の連発(笑) 書評を書く予定がない趣味で買った本は、おもしろいおもしろいって...

北上次郎の書評が好きなので。自分が超面白いと思った本も北上さんの評価は低かったりもしたが、エンターテイメントとは、ミステリーとはと評価の軸があることがわかった。 それにしても北上さん、”おぼえていない”の連発(笑) 書評を書く予定がない趣味で買った本は、おもしろいおもしろいって、どんどん読んじゃうから、細かい内容おぼえてないって。わかるわかる。

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2018/03/03

相変わらず、北上次郎の奔放さが素敵な対談集。今、意識的に文学作品を読もうと心掛けてはいるけど、実際には、北上言うところの”面白いかどうか”が最大の読書動機だと思う。それだけに、双方の言い分が、どちらも納得させられるものに思えて、畢竟、読みたい作品が増えていく一方ということになる。...

相変わらず、北上次郎の奔放さが素敵な対談集。今、意識的に文学作品を読もうと心掛けてはいるけど、実際には、北上言うところの”面白いかどうか”が最大の読書動機だと思う。それだけに、双方の言い分が、どちらも納得させられるものに思えて、畢竟、読みたい作品が増えていく一方ということになる。やっぱりここでも嬉しい悲鳴。

Posted byブクログ

2014/05/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これまでの経験からいって、大森望とも北上次郎ともそれほど好みは合わないんだけれど、このブックガイド読んでると二人が選んだ本は読みたくなっちゃうな。 困ったな。

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2013/11/06

大森さんといえば、文学賞を斬りまくるあのシリーズでも有名で、黄色い目立つ装丁と、大森さんの名前で手に取った。で、途中で気づいた。そうか、北上さんって、椎名誠さんのエッセイ常連の目黒さんの別名ね。ナルホド!表紙のイラストで気づくべきだった。 立ち読みのつもりでパラパラ、ってして、...

大森さんといえば、文学賞を斬りまくるあのシリーズでも有名で、黄色い目立つ装丁と、大森さんの名前で手に取った。で、途中で気づいた。そうか、北上さんって、椎名誠さんのエッセイ常連の目黒さんの別名ね。ナルホド!表紙のイラストで気づくべきだった。 立ち読みのつもりでパラパラ、ってして、いやいや荷物多いしな今日は、やめよう、えなに、今日はセールで500円ですと?といってひらりと身を翻したあたしのすがたは、傍目にはわりと機敏だったと思う。 で、この、対談と言うよりはきわめて「放談」に近いやりとりがなかなか楽しい。もう、二人が仲がいい様子なんだけどかみ合わないの。 「え、なんでそれがいいわけ?」「だから・・が、な、わけですよ(とねたばらし)」「あーそれ?そこってふつうじゃん、なんで?」「もういいですよ、それがわからないんじゃだめだもの」 てなかんじ。 完全に居酒屋で、最初は酔っ払ってうるさいなーって思っていたおっさんの二人連れのトークに、途中から引き込まれた感じです。 いろんな意見が出て、自分が読んだ本ももちろんあったけど、食わず嫌いの作家や、あーこれあたしも気になってたけど何で読まなかったの?って本を、メモメモメモ。 なんだかずいぶんと、本の喧騒にあてられたところで、あたしもちょっくら酔い覚ましに、本屋さんに行って来ようかな? そんな、きーぶん、っと。 <以下、こりゃよまなあかん!リスト。順は出たとこ。> 松浦理英子 犬身 貴志祐介 新世界より 絲山秋子 逃亡くそたわけ 松尾スズキ クワイエットルームへようこそ 打海文三 ドリーミングオブホーム&マザー 筒井康隆 ダンシングヴァニティ コーマック・マッカーシー ザ・ロード 中田永一 百瀬、こっちを向いて。 ジョー・ヒル 20世紀の幽霊たち ジョージ・R・R・マーティン 洋梨型の男、ハンターズ・ラン 津村記久子 アレグリアとは仕事はできない ほしおさなえ オレンジの陽の向こうに 白河三頭兎 角のない消しゴムは嘘を消せない 津原泰水 11 eleven 川村蘭太 しづ子-娼婦と呼ばれた俳人を追って 読書にはおあつらえ向きのあきってことで、楽しみがまた増えました。 はーこれはほんとに、御褒美読書。

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2013/02/22

「SIGHT」連載中の「読むのが怖い!」書評の4年間をまとめたもの。この種のものは資料としては必要だが読み物としてはつらいところがある。4年前、「ゴールデンスランバー」が面白いと聞いてもしょうがないところがある。 それにしても以前は大きな信頼を寄せていた北上次郎の劣化ぶりがひど...

「SIGHT」連載中の「読むのが怖い!」書評の4年間をまとめたもの。この種のものは資料としては必要だが読み物としてはつらいところがある。4年前、「ゴールデンスランバー」が面白いと聞いてもしょうがないところがある。 それにしても以前は大きな信頼を寄せていた北上次郎の劣化ぶりがひどい。ストライクゾーンは小さいと自ら言ってるし、忘れてるし、読むのやめてるし。そんな書評があるものだろうかと思う。 しかし、「都筑道夫の読ホリデイ」の書評で、都筑さんの老人力がどんどん高まっていることを褒めていて、「北上さんがあと10年でこの域に到達できるのか、ぜひ知りたい」と大森さんが言っていてわかったのだが、これは北上次郎さんの老人力を楽しむレビューなんだと。 後で知ったのだが「書評漫才」というネーミングなんだそうでなるほどです。そのネーミングは大森望さんだそうですべてわかってるわけだ。ボケのそれも天然の北上次郎さんを大森望さんが突っ込むというパターンですね。 北上次郎さんが書評家のプライドなんて気にせずに、分からないを連発するのはある種”芸”ですね。「虐殺器官」が面白いとしながら二回読んでしまってやっぱり面白いうなんてスゴイ。普通だと途中で気がつく。それをまた正直に言うところもスゴイ。老人になって、忘れっぽくなってもこのくらいアッケラカンとしてるのは勇気さえもらえます。ちょっと本格的にアルツハイマーが入ってるかもしれない。 大森さんはその面白さを理解して、笑いにもっていき、北上次郎のストライクゾーンを狙ってボールを投げるのだが、論理性皆無の北上次郎さんには通じないことが多い。いかにストライクゾーンが狭いことかということだ。「北上次郎を理解する道は険しい」と嘆いている。こうなると落語の芸を見てるようなものなので紙数が尽きるのが惜しい感じで読み進んだ。 たまに北上次郎さんが先輩面して「きみは◯◯と思ってるわけ?」と批判がましくなって、「これはペンです」の時は完全に衝突してますね。次の時はまた普通の漫才に戻ってるけど。 「理論&バランスの知性派」大森望と、「読みたいものしか読まない大御所」北上次郎 というくくりも出来るし、「客観的な読書家」大森望、「主観的な読書家」北上次郎とも言える。 普通に書評家に求めるものは、大森望で十分と思うが、そこに水と油の北上次郎を混ぜることで付加価値が発生する。また完全に信頼できない北上次郎に客観性の裏付けをとることで北上次郎も補強される。いろいろな意味で面白いコンビです。

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2013/01/19

二人の読者談義。  言いたい放題で小気味よいが、新しい発見はなかった。でも良質な SF 読みたいなぁ。

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2013/01/03

北上次郎の老人力のエスカレートっぷりにわりと真面目にイライラしたりもしたんだけど、それをフォローして有り余る大森望のレビュアー力に改めて感心したことであるよ。

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2012/12/02

2008年春から2012年春までの書評対談をまとめた本。 紹介されている本は169冊とのこと。 私が読みたいなと思った本は5冊くらいなので、読み切るのにかかる時間と比較するとブックガイドとしての効率は悪い。(あくまでも私にとっては、ですが) でも2人のやりとりがとても面白くてその...

2008年春から2012年春までの書評対談をまとめた本。 紹介されている本は169冊とのこと。 私が読みたいなと思った本は5冊くらいなので、読み切るのにかかる時間と比較するとブックガイドとしての効率は悪い。(あくまでも私にとっては、ですが) でも2人のやりとりがとても面白くてその点では満足♪ 好みは人それぞれだということがよく分かるので、自分の好きな本が酷評されていてもあんまり気にならない。 前の2冊には遡らないけど、次が出たらまた読みたいなと思う。

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2012/11/10

おもしろかった! 書評本だから、きっちり論評してあるのかと思ったら、北上さんの「途中で読むのやめた」とか「全然覚えてない」とか「全く分かんない」とか(笑)。 でもちゃんと大森さんが説明してくれるから本の内容は分かるし。 紹介されてた本で読みたい本のリストを作って、うっとり眺めて...

おもしろかった! 書評本だから、きっちり論評してあるのかと思ったら、北上さんの「途中で読むのやめた」とか「全然覚えてない」とか「全く分かんない」とか(笑)。 でもちゃんと大森さんが説明してくれるから本の内容は分かるし。 紹介されてた本で読みたい本のリストを作って、うっとり眺めてます。これから読める、きっとおもしろいであろう本がこんなにたくさんあるなんて…ってね。

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