祈祷師の娘 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
主人公が、 平凡な自分と やや重なった。 ばけものになりたい気持ち、 ばけものになれる人が羨ましい気持ち、 この世にはどうしてもだめなことがあるってわかった。 そんな春永の気持ちが、心にグッときた。
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「私は誰なんだろう」「何のために生まれたのだろう」 血のつながらない家族の中で1人で生きる主人公の、己のアイデンティティを求める声が胸に響く。 祈祷師という特殊な環境のなかで「普通」であることの苦しみ、特別な力への狂おしいほどの憧憬。 実の母親との唯一のつながりである金魚の死によ...
「私は誰なんだろう」「何のために生まれたのだろう」 血のつながらない家族の中で1人で生きる主人公の、己のアイデンティティを求める声が胸に響く。 祈祷師という特殊な環境のなかで「普通」であることの苦しみ、特別な力への狂おしいほどの憧憬。 実の母親との唯一のつながりである金魚の死によって自分がいるべき場所を見つけた瞬間、きっと世界がつながったのだろう。 自分が誰であったとしても、ありのままの自分を受け入れてくれる人。そんな人がそばにいればきっと生きていける。その生きる力を、この小説は私に与えてくれた。
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