怒る犬 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本の犬たちは怒っている。 目を赤くして怒っている。 犬は人間に怒りたい気持ちがあるかもしれない。 けれども 犬は本当に怒っているのだろうかと思った。 この世界は、この地球は 人間だけのものではない。 ヒバクシャを作ったのはだれだ。 地球を壊すのはだれだ。 こんなことになったのはだれのせいだ。 人間だ。 間違いなく人間だ。 犬はそれを知っていても怒っていないかもしれない。 怒っているかもしれない。 私はそう思うのだ。 私は犬と17年暮らしていたことがある。 それで犬はいろんなことを分かっていると感じてきた。 犬が怒っているのなら、 「人間よ、わかってくれ」という怒りではないか。 人間にとって犬は最良の友。 犬にとっても人間は最良の友だと思う。 犬は人間がやっぱり好き。 人間はダメな生きものだけど、 一緒に生きていく仲間だと犬は思ってくれていると思う。 まえがき、あとがきの黒田征太郎さんの文を読むと、 黒田さんが犬を人間に従うべき単なる生きものと 思っていないのがわかる。 そして、人間が特別なわけではない。 人間が偉いわけではないという想いが伝わってくる。 犬を怒らせたり、悲しませたりしない世界は 平和な世界だと思う。 Hiroshima, Nagasaki, Fukushimaへの想いがつづられた絵本。
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