星を撃ち落とす の商品レビュー
素晴らしすぎたので碌な感想にならないが、2012年はこの本を読むことが出来たので良い年になった(小学生の感想)。万人には薦められないが、王道の少女小説が好きな方には。
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全くのノーマークでしたが、オススメされて 読んでみて、すっっかりはまってしまいました。 本書のテーマというか醍醐味は 「一体何が真実で何がうそなのか」を考えること その一点に尽きると思います。 絡み合った人間関係の中で 立場による相違、善意と悪意が入り乱れ 思春期特有の思い込みの激しさで語る登場人物に惑わされ 誰が真実を言っているのかわからなくなります。 さながら、作者が用意した迷宮に、 はまり込んでしまったかのように。 その中で真実を見付け出すことが 本書の中で用意されたミステリーなんだと思います。
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少女小説、少女ミステリ。 「青春ミステリ」「日常の謎」という乱暴なジャンル分けが躊躇われる不思議な読後感と完成度の高さ。 十代で家出をし、世界各国を放浪した上にシングルマザーとなった自由奔放な母。そんな母に憧れ日本を飛び出すことを夢見る反面、恐れを払拭できず堅実に生きようとす...
少女小説、少女ミステリ。 「青春ミステリ」「日常の謎」という乱暴なジャンル分けが躊躇われる不思議な読後感と完成度の高さ。 十代で家出をし、世界各国を放浪した上にシングルマザーとなった自由奔放な母。そんな母に憧れ日本を飛び出すことを夢見る反面、恐れを払拭できず堅実に生きようとする高校生の津上有騎(つがみゆき)。裕福な家庭に育ったゆえのおおらかさとリーダーシップで皆に慕われる水瀬鮎子(みなせあゆこ)。そしてその陰に隠れるように寄り添う引っ込み思案の長岡茉歩(ながおかまほ)。 最近そろって登下校をする三人につきまとうストーカーの気配。 遅刻の常習で不良の元締めと噂される葉原美雲(はばらみくも)。 そして廃園の館で夜な夜な行われる天体観測会。 現実から5ミリ程度宙に浮いた世界観は、細部のリアリティと心情的な説得力によって支えられている。三章立ての物語は各章が短篇ミステリのような味わいを持ちつつ、何度も訪れる構図の反転によって大きな驚きを湛えたひとつの物語となっている。 事件を解決する、謎を解き明かすといった類いの話ではないが、これはまぎれもなくミステリの傑作であり、少女たちの成長物語である。 説明するのは難しいが、説明し難いことこそが読書の醍醐味だろう。すでに隠れた名作として埋もれてしまいそうな予感はあるが、興味を持った方には是非読んで頂きたい。 作者は一部の読者から熱狂的な支持を得つつも沈黙。このたび五年ぶりの本作で完全復活だそうだが、これからも書き続けてほしい。早くも次回作を期待している。
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親分肌、臆病者、クール、変わり者というタイプの違う4人の女子高生。 自殺未遂をキッカケにそれぞれの思いがぶつかり合う。 物語は視点を変え色々な側面を見せ、人物像も変わっていく感じが面白い。特にイジメの部分はいわゆる悪役が次々入れ替わる。ただスピード感が無いのと登場人物は殆ど女性し...
親分肌、臆病者、クール、変わり者というタイプの違う4人の女子高生。 自殺未遂をキッカケにそれぞれの思いがぶつかり合う。 物語は視点を変え色々な側面を見せ、人物像も変わっていく感じが面白い。特にイジメの部分はいわゆる悪役が次々入れ替わる。ただスピード感が無いのと登場人物は殆ど女性しか出てこないので感情移入はしにくい。青春ものとしては女性向け。オチもちょっと中途半端。
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表紙とタイトルに中2心をくすぐられ、購入。 正直、内容はあまり覚えてない。 そんななかでも印象に残ってるのは、無人島心理テストと、姉の行動が弟の死を招くくだり。
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少女達の成長の物語。 非/日常の切り替えが劇的かつ違和感なく実現されている。 状況は二転三転し飽きさせないし、破綻も無い。 比較的地の文が多く、想像力を働かせながら読めると思う。
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繊細で美しい雰囲気のミステリ。少女たちの痛々しい物語の裏に潜む真実は、残酷なものなのか穏やかなものなのか。 思い込みと思い違いで歪められた真相に驚かされます。いったい誰の言うことが真実なのか、信じる相手を違えるだけでがらりと様相の変わる物語は、見事。だけど、そんな嘘をつくことでし...
繊細で美しい雰囲気のミステリ。少女たちの痛々しい物語の裏に潜む真実は、残酷なものなのか穏やかなものなのか。 思い込みと思い違いで歪められた真相に驚かされます。いったい誰の言うことが真実なのか、信じる相手を違えるだけでがらりと様相の変わる物語は、見事。だけど、そんな嘘をつくことでしか自分を守れないって悲しいなあ。 無人島の心理テストにはなるほど、と思いました。ちなみに私がやることは「物語を書く」でした。やっぱり好きだなー。
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書店で表紙に惹かれて手に取ってみると滋賀県出身の作者さん。 同郷ということで勝手に親しみを覚えて手を出してみました。 ミステリフロンティアシリーズは小路幸也さんのを前に読んだときおもしろかったのにも背を押されました。 タイトルや各話タイトルがまず好みでした。 そして”星を撃ち落す”ってそういう意味だったのね~。 ミステリだからあの終わり方でよかったのかもしれませんが個人的にはもう少し終わり方に軌道を示してほしかったかなぁ・・・ 中盤から終盤にかけて物語に引き込まれつつあっただけにブツンと終わってしまった感がありました。 A嬢のこと、薙のこと・・・ 始めから最後まで有騎の視点のみでいったほうがよかったのかなぁとも思います。 終わり方についてぐだぐだ書きましたがけして読後感が悪い訳ではなくむしろよかったです。 辻村深月さんを読むときにいつも思う少女の描写のうまさ。辻村さんとは少し雰囲気が違うけれどこの作者さんの少女にもリアリティがありました。 (美雲や真理みたいに頭のいいこはなかなかいないかもしれないけど知りたがる好奇心や自分が子供だと気付いてないところ) 何年か前に他にも作品があるみたいなので読んでみたいと思います)
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うーん、よく分からない。ごちゃごちゃしてて、結局何なんだと思いながら読み終わった。最初っから舞台の中心にいたのはま歩だったってことなのかな。お嬢様の話もただの飾り付け?
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ストーカーに悩まされていた津上有騎は同じクラスの水瀬鮎子のアドバイスのおかげで撃退することに成功。 それから有騎は鮎子と親しくなっていくが、反対にもともと鮎子に庇護されていた立場の長岡茉歩は鮎子から離れてしまう。 そしてあろうことか、校内で悪い噂の絶えない葉原美雲の下へ。 茉歩が...
ストーカーに悩まされていた津上有騎は同じクラスの水瀬鮎子のアドバイスのおかげで撃退することに成功。 それから有騎は鮎子と親しくなっていくが、反対にもともと鮎子に庇護されていた立場の長岡茉歩は鮎子から離れてしまう。 そしてあろうことか、校内で悪い噂の絶えない葉原美雲の下へ。 茉歩が気になる鮎子と美雲の対立が極限に達したとき、ひとつの悲劇が起き・・・。 初めての作家さん。評判がいいので読んでみました。 うん、面白かったです。 なんというか、事実はひとつなんだけど、真実というのは人ごとに異なるよね。っていう。 ものの見方って、立場によって異なるよね。という当たり前のことを描いただけというか。 そんな中で、なんとなく予想できた範囲の真相と、提示された真相があまり離れていなかったのは残念でした。 もうひとつ捻くれて、大きく飛び越えて欲しかった。 が、どんどん上書きされていく展開は飽きさせませんでした。 ラストが藪の中なのは投げっぱなしなのではなく、なんらかの効果を狙ったものなのでしょう。 私は本来こうしたはっきりしないモヤモヤしたお話は嫌いなのですが、この作品についてはアリだなと思えましたので。 有騎と美雲の細い縁の糸について、作中で二人に知らせないのも憎い演出ですね。 楽しめましたので、次回作がでたらまた読みたいな。
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