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「新型うつ病」のデタラメ の商品レビュー

3.7

25件のお客様レビュー

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2012/07/29

精神科医がこれぐらいの物言いを言ってくれるとすっきりする。 特に、「うつ病の不連続性と新型うつ病の了解可能性」については、非常に分かりやすく説明されており、一番ためになった箇所です。 「徳」とか何とかいう所は余計だったけれど、全体的に良。 内容については賛否両論あると思うけれど、...

精神科医がこれぐらいの物言いを言ってくれるとすっきりする。 特に、「うつ病の不連続性と新型うつ病の了解可能性」については、非常に分かりやすく説明されており、一番ためになった箇所です。 「徳」とか何とかいう所は余計だったけれど、全体的に良。 内容については賛否両論あると思うけれど、こういう物言いをする精神科医がもっと増えて欲しいと思いました。 「精神病理学は、伝統的に、それが内因性かどうかという問題にこだわってきました。内因性であれば、それは本格的な病気です。(中略)しかし内因性でなければ、それは病気ではあっても正常心理と連続したものであり、そんなに深刻に捉える必要がありません。」(p82)

Posted byブクログ

2012/07/16

最近ではしばしば話題に上り、知名度も増してきている「新型うつ病」似ついての解説書。 「うつ病」についての理解を通して、この「新型うつ病」を理解しようとする試みの書。 「うつ病」に関する説明は、歴史的経緯を中心に、かなり分かりやすくなっていた。それ故に、「新型うつ病」が、どういっ...

最近ではしばしば話題に上り、知名度も増してきている「新型うつ病」似ついての解説書。 「うつ病」についての理解を通して、この「新型うつ病」を理解しようとする試みの書。 「うつ病」に関する説明は、歴史的経緯を中心に、かなり分かりやすくなっていた。それ故に、「新型うつ病」が、どういったものなのか、どういった経緯で現れ、そして広まったのか・・・などが分かりやすく解説されている。 また、それのみにとどまらず、著者からの生き方・考え方に対する提言も非常に興味深く、共感を覚えるものだった。 とかく、努力やストレスというものを”ないほうがいい”という価値観で物事が考えられるようになってきている。が、本来、人間にはストレスは必要なものだと、改めて考えさせられる。 一方向的に語るおしつけ書ではなくて、両論併記的な部分も多くあり、そのなかで著者の考える者が採用されている背景がよくわかり、もっと他の本を読みたくなった。 著者の思想に触れるには、特に第三章「精神科診療から見た現代社会」の一節「ストレスが成長を促す」からでも読んでみたらいいかもしれない。たった4ページ(p.179~183)だが、非常に気持ちのよい文章になっている。 曰く『一体、無理しないで一人前になった人などいるのでしょうか。それは一部の天才だけではないでしょうか。どのような分野にせよ、高いパフォーマンスを示す人をみると、賛嘆と敬意を禁じ得ませんが、それはつまるところ、表にはみえはしないが確実に重ねたに違いない、彼らの人知れぬ努力に対する賛嘆と敬意だと思います。現状に満足せず、むしろあらゆる程度の障壁(ストレス)を自ら求める心と、それを乗り越える力、それがある人だけが、どの分野にしろ、一人前と言われるレベルに達するのだと思います。』 ---------------- 【内容(「BOOK」データベースより)】 「上司に叱られ、やる気ゼロ」「彼女に浮気されたので休職したい」…。この十年、そんな理由で精神科を訪れる人が急増。従来のうつ病とは明らかに異なる病態をもつそれは、「新型うつ病」と総称されるようになった。診断書を手に堂々と会社を休む人々、手厚すぎる社会保障、肥大化する自己愛と精神力の低下。はたして「新型うつ病」は本当に“病気”なのだろうか。もはや社会問題。そのまやかしを、現役精神科医が暴く。 ---------------- 【目次】 第1章 「新型うつ病」とは何か 「新型うつ病」とはどのような病気か うつ病概念の歴史 「新型うつ病」の位置づけ 「新型うつ病」はなぜ生まれたか―その三つの要因) 第2章 「新型うつ病」がもたらした社会的弊害 休職をめぐる問題 簡単にもらえる傷病手当金 しばしばもらえる障害年金 公費医療・サラ金・奨学金返済 給食費免除 その他の保障や利益 労働紛争の不思議な結末―富士通四国システムズ事件 第3章 精神科診療からみる現代社会 「何でも人のせい」という風潮 「何でも病気」という風潮 「『知らない私』のせい」という風潮 ----------------

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2012/07/01

従来型うつ(自罰的、了解不能、治癒しやすい)と新型うつ(他罰的、了解可能、癖になりやすい、逃避傾向)の違いや、うつ病事態の症例数が近年大幅に増加している背景(精神病理学の衰退、副作用がない抗鬱剤の開発により積極的に治療をしやすくなった、精神科→心療内科とすることで敷居を下げた)を...

従来型うつ(自罰的、了解不能、治癒しやすい)と新型うつ(他罰的、了解可能、癖になりやすい、逃避傾向)の違いや、うつ病事態の症例数が近年大幅に増加している背景(精神病理学の衰退、副作用がない抗鬱剤の開発により積極的に治療をしやすくなった、精神科→心療内科とすることで敷居を下げた)を纏めた本。 鬱事態に関する漠然としたイメージの整理と新型鬱に関する釈然としない感覚を(本当にこれって病気なのかとか)多少クリアにしてくれた。鬱事態、判断が難しい病気なだけに、少々理解が追い付き切らない部分もあったけど、総体的には分かりやすかった。

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2012/06/28

うつ病から新型うつへ。新型うつという言葉を聞いたのは香山リカさんの本が最初ではなかったか、と思います。傷病手当金や障害年金受給のためにうつ病になりたがる患者が目立ってきている、と。そもそもうつ病とは?という解説から。こんな患者が、という事例だけでも参考になります。

Posted byブクログ

2012/06/20

中嶋 聡 (著) 「上司に叱られ、やる気ゼロ」「彼女に浮気されたので休職したい」…。この十年、そんな理由で精神科を訪れる人が急増。従来のうつ病とは明らかに異なる病態をもつそれは、「新型うつ病」と総称されるようになった。診断書を手に堂々と会社を休む人々、手厚すぎる社会保障、肥大化...

中嶋 聡 (著) 「上司に叱られ、やる気ゼロ」「彼女に浮気されたので休職したい」…。この十年、そんな理由で精神科を訪れる人が急増。従来のうつ病とは明らかに異なる病態をもつそれは、「新型うつ病」と総称されるようになった。診断書を手に堂々と会社を休む人々、手厚すぎる社会保障、肥大化する自己愛と精神力の低下。はたして「新型うつ病」は本当に“病気”なのだろうか。もはや社会問題。そのまやかしを、現役精神科医が暴く。

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