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核エネルギー言説の戦後史1945-1960 の商品レビュー

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2012/08/13
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P9 日本は、広島から核エネルギーの生産性を学ぶ必要はありません。つまり地震や津波と同じ、あるいはそれ以上のカタストロフィーとして、日本人はそれを精神の歴史にきざむことをしなければなりません。広島の後で、同じカタストロフィーを原子力発電所の事故で示すこと、それが広島へのもっともあきらかなうらぎりです。(大江健三郎) P11 われわれは原爆の被害国であるから、その点を外国に訴えて、原爆の被害国は最もフェアーに原子力の研究をやる権利があり、必要以上のウラニウムを平和利用のためにのみ無条件に入手する便宜をはかる義務を諸外国はもっているはずである、と主張すべきだというのである。(谷屋三男) P11 ここで浮かびあがってくるのは、戦後日本の輿論において、「被爆の記憶」と「原子力の夢」がどのように関連付けられてきたのか、という問いにほかならない。この問いに答えるため、本書では、戦後日本社会のメディア言説を分析し、それを時代状況と付き合わせることで、「被爆の記憶」と「原子力の夢」をめぐる輿論のダイナミズムを解明したい。 P14 本書では「軍事利用」と「平和利用」を一体としてとらえるために、原子力ではなく核エネルギーという言葉を使用する。

Posted byブクログ