NHKさかのぼり日本史(10) の商品レビュー
聖武天皇大仏開眼への道・752年:動く→動かない都 聖武天皇 平常遷都 太極殿と大安殿 謀反・病・社会不安 恭仁遷都 仏教で人心をまとめる 仏都・平城京の完成 天皇の都誕生・672年:わが国初の天皇 古代最大の王位継承争い 動かない都の嚆矢 白村江の戦い危機が生んだ大改革・663...
聖武天皇大仏開眼への道・752年:動く→動かない都 聖武天皇 平常遷都 太極殿と大安殿 謀反・病・社会不安 恭仁遷都 仏教で人心をまとめる 仏都・平城京の完成 天皇の都誕生・672年:わが国初の天皇 古代最大の王位継承争い 動かない都の嚆矢 白村江の戦い危機が生んだ大改革・663年:非常時の都 白村江での大敗北 中大兄皇子と乙巳の変の 遅れた政治 官僚の誕生 大津宮がもたらした波及効果 日出づる処の天子の都・603年:外圧による目覚めの 飛鳥の女帝誕生 宮→都 国家の意識 古代王権による遷都から学ぶこと
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(2014.05.26読了)(2014.05.16借入) 今回は、天皇が政務を行う都がテーマです。 「みやこ」というのは、「宮」(みや)のある「処」(こ=ところ)というのが語源です。(108頁) 聖武天皇、天武天皇、天智天皇、推古天皇とさかのぼりながら考察します。 聖武天皇の時代...
(2014.05.26読了)(2014.05.16借入) 今回は、天皇が政務を行う都がテーマです。 「みやこ」というのは、「宮」(みや)のある「処」(こ=ところ)というのが語源です。(108頁) 聖武天皇、天武天皇、天智天皇、推古天皇とさかのぼりながら考察します。 聖武天皇の時代は、万葉集の編纂に深くかかわったと言われる大伴家持の時代と重なります。大伴家持についての本を読んでいたとき、聖武天皇が、あちこちと都にすべき場所を探して、移り歩く話が出てきて、戸惑ったのですが、この本を読んで少しすっきりしました。 全体としても、万葉集に時代と重なる部分が多いので、この時代を多面的に理解する上では、『万葉集』は欠かせないもののような気がします。 各章の扉ページにポイントが書いてありますので、拝借しておきましょう。 第1章、ターニングポイント752年、大仏開眼供養 「彷徨の5年」をへて、首都・平城京は、天皇専制の仏都へと大いなる変身を遂げた。 第2章、ターニングポイント672年、飛鳥浄御原宮への遷宮 「大君は神にしませば……」沼地を都につくり変えて律令国家をめざす―一その準備はここに整った。 第3章、ターニングポイント663年、白村江の戦い 大敗北をバネとした近江遷都と豪族再編。日本最初の官僚政治は、大津宮で始まった。 第4章、ターニングポイント603年、小墾田宮への遷宮 大国・隋の皇帝から〝蛮夷〟とされた倭国。その汚名返上をめざして「文明開化」が始まった。 【目次】 はじめに 第1章 聖武天皇 大仏開眼への道‐752年 第2章 「天皇」の都 誕生‐672年 第3章 白村江の戦い 危機が生んだ大改革‐663年 第4章 〝日出づる処の天子〟の都‐603年 ●歴史書編纂の狙い(57頁) 天皇家と氏族の祖先を神々の系譜に結びつけていくこと それによって、自分たちは他の人々とは違う特別な存在なのだということを主張しようとした ●大津宮への遷都(66頁) 白村江の戦いは古代日本が経験した「最大の対外戦争」であり、また、その敗北は古代日本が経験した「最大の危機」でした。つまり、「外圧」に押されて緊急避難的に敢行されたのが、大津宮への遷都だったのです。 ●白村江の戦い後(82頁) それまで、この国の政治は、豪族たちの合議制のような形で推移してきました。ですから、中大兄の皇子はそれを徹底的にリセットして、天皇のもとにすべてを集約し、また天皇からの命令が、民衆の末端まですばやく、あまねく行き渡るような体制を築き上げたいと考えたのです。 ●「庚午年籍」の作成(87頁) 一国のリーダーにとって、戸籍は自分が統べようとしている人民を把握するための基本中の基本であり、徴税、徴兵、労働力の徴発など、あらゆることを行うベースとなります。 ●まとめ(118頁) 推古天皇は、外国にも通用する国を目指して、都の中心となる先進的な宮をつくり始めました。天智天皇は対外危機を背景に大津へ遷都し、天皇を支える官僚を生み出しました。天武天皇は、それを受け継いでカリスマ性を高め、天皇を中心としたシンボルとしての「みやこ」をつくろうとしました。聖武天皇は、政治の中心であった平城京を仏教の中心として再生し、疫病などの国難を乗り切る方向性を示して民衆に協力を求めました。 ☆関連図書(既読) 「NHKさかのぼり日本史①戦後」五百旗頭真著、NHK出版、2011.07.25 「NHKさかのぼり日本史②昭和」加藤陽子著、NHK出版、2011.07.25 「NHKさかのぼり日本史③昭和~明治」御厨貴著、NHK出版、2011.09.30 「NHKさかのぼり日本史④明治」佐々木克著、NHK出版、2011.10.30 「NHKさかのぼり日本史⑤幕末」三谷博著、NHK出版、2011.12.30 「NHKさかのぼり日本史⑥江戸」磯田道史著、NHK出版、2012.01.30 「NHKさかのぼり日本史⑦戦国」小和田哲男著、NHK出版、2012.02.25 「NHKさかのぼり日本史⑧室町・鎌倉」本郷和人著、NHK出版、2012.03.25 「NHKさかのぼり日本史⑨平安」朧谷寿著、NHK出版、2012.05.25 (2014年5月27日・記) (「BOOK」データベースより)amazon 歴史には時代の流れを決定づけたターニングポイントがあり、それが起こった原因を探っていくことで「日本が来た道」が見えてくる。豪族集団の「倭国」から、天皇中心の律令国家「日本」へ―752年→672年→663年→603年の時代の指導者の姿に“国づくり”の原点を見る。
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さかのぼり日本史最終巻。 シンプルで面白かったものの、この辺りまで来ると文献史学での限界からか考古学に軸足が移ってきて、その分さかのぼりのためのターニングポイント設定が曖昧になって来ている気がします。 この時代であれば、さかのぼり形式じゃなくて普通に教科書的な勉強の方が読み易いか...
さかのぼり日本史最終巻。 シンプルで面白かったものの、この辺りまで来ると文献史学での限界からか考古学に軸足が移ってきて、その分さかのぼりのためのターニングポイント設定が曖昧になって来ている気がします。 この時代であれば、さかのぼり形式じゃなくて普通に教科書的な勉強の方が読み易いかも。
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※このレビューにはネタバレを含みます
≪目次≫ 第1章 聖武天皇 大仏開眼への道 第2章 「天皇」の都 誕生 第3章 白村江の戦い 危機が生んだ大改革 第4章 "日出づる処の天子”の都 ≪内容≫ 大変オーソドックスな考え方の著者の本。目新しいのは第3章の「白村江の戦に負けたことを契機に、旧弊にしがみつく豪族を官僚制に移していった」の部分か…
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大化の改新・平城京遷都など飛鳥~奈良時代のターニングポイントを解説した本 当時の天皇はどうやって中央集権体制を作り出すかに苦心していたそうな。
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