グローバル経済に殺される韓国 打ち勝つ日本 の商品レビュー
グローバル化、株主至上主義、外国人投資家、寡占状態の大企業などに舵を切った韓国。その反面で、非正社員や潜在的な失業率・大卒無業者の増大、拡がる格差など国民生活の実態。韓国のグローバル化に関する日本のマスコミ報道のあり方への問題点など。
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妙に説得力のある本でした。そしてこの本の内容が本当なら数年後に面白い展開になっているに違いないと思います。
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今まで読んでみた経済関連の本とは真っ向から対立する立場で書かれた本。いかにも極論が書いて有りそうなタイトルだったので、別の立場を知る意味で読んでみた。 グローバル資本主義に乗っ取る形で経済政策を進めてきた韓国の実態についてデータを見ることができる。ただ、データの見せ方とかタイト...
今まで読んでみた経済関連の本とは真っ向から対立する立場で書かれた本。いかにも極論が書いて有りそうなタイトルだったので、別の立場を知る意味で読んでみた。 グローバル資本主義に乗っ取る形で経済政策を進めてきた韓国の実態についてデータを見ることができる。ただ、データの見せ方とかタイトルに合うように不自然な比較でごまかしているところも多い。気をつけて読めば、グローバル資本主義の先端で何が起きてるか手っ取り早く知る良書なのかも。 一方で日本についてケインズ主義に則った政策をとってこなかったから駄目なんだ、という。なぜかこちらについては避けられない資本のグローバル化について無視した観点で議論されている。基本的な論調としてはケインズ流に税金で公共事業、大きな政府、貿易への介入強化、などなど。 経済については分析はできても、政策を考えるのはずっと難しい。
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韓国国内で生きることが不幸だからだ。韓国はグローバル化によって国内の賃金格差が広がり、ウォン安政策による輸出競争力は高まったものの、輸入価格が上昇したため、資源、食料などが高騰し多くの国民を苦しめている。 韓国経済が抱えている問題はグローバル化した大手企業の利益と国民の利益が一...
韓国国内で生きることが不幸だからだ。韓国はグローバル化によって国内の賃金格差が広がり、ウォン安政策による輸出競争力は高まったものの、輸入価格が上昇したため、資源、食料などが高騰し多くの国民を苦しめている。 韓国経済が抱えている問題はグローバル化した大手企業の利益と国民の利益が一致していないことに尽きる。 かつてのソニーはなによりもまず国内市場に目を向けていた。国内の使いこなしスキルの高い消費者を相手にすることによって、極めて高品質な製品をるくる技術力を鍛え上げたのである。それこそが海外での競争力の源泉となった。
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米韓FTAを受け入れ、グローバル化を更に進める韓国の置かれた悲観的な状況を分かりやすく説明してくれる。また、それを反面教師として、日本が進むべき方向性を示す。デフレ化での無条件貿易関税自由化は危険。それは、当然、その通り。国防を重視し、インフレに舵を切り、TPPに踏み込もうとする...
米韓FTAを受け入れ、グローバル化を更に進める韓国の置かれた悲観的な状況を分かりやすく説明してくれる。また、それを反面教師として、日本が進むべき方向性を示す。デフレ化での無条件貿易関税自由化は危険。それは、当然、その通り。国防を重視し、インフレに舵を切り、TPPに踏み込もうとする現政権も、聖域を設けながらと言っている。本著の良さは、日本と他国が人口や市場においてモデルを共有できず、日本にはとりわけ使いこなしの文化が根付き、ガラパゴス化そのものが日本の競争力の根源であるという視点だ。その上で、労働分配率を下げ、配当金を引き上げる外資の一部特権階級に有利な新自由主義を、21世紀の植民地政策として、批判する。 見た目が怪しくて抵抗があったが、論拠がしっかりしている。新自由主義批判を、通貨危機以降の韓国を切り口に解説しているのは、非常に分かりやすい。
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韓国経済について知ることが出来たのはよかった。 日本経済については... 分析・解説の背景にある経済学のベースをよりしっかりしたものになっていればとは思う。
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・構造改革というのは、 「公営、国営企業を民営化し、競争激化で供給能力を引き上げる」 「規制緩和による競争激化で供給能力を引き上げる」 「外資系企業を国内市場に参入させ、競争激化で供給能力を引き上げる」 などなど、ことごとくが供給能力を引き上げるインフレ対策である。 (TPPも規...
・構造改革というのは、 「公営、国営企業を民営化し、競争激化で供給能力を引き上げる」 「規制緩和による競争激化で供給能力を引き上げる」 「外資系企業を国内市場に参入させ、競争激化で供給能力を引き上げる」 などなど、ことごとくが供給能力を引き上げるインフレ対策である。 (TPPも規制緩和なので、デフレ化する影響を与える施策) ・李明博政権の通貨安政策により、韓国の経済成長の主役は、完全にサムスン電子や現代自動車に移った。正確には、李明博が彼らに主役の座を委ねたのだ。 その結果、韓国の貿易依存度は2011年にはなんと96%に達したというわけである。何度もいうようだが、貿易依存度とは、輸出と輸入を合わせた額とGDPを比べたものだ。韓国こそが完全なる貿易立国だ。貿易なくして成り立たない国なのである。 日本の貿易依存度は27%、アメリカが25%、中国が40%、ドイツが60%である。
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2012年 民主党野田政権時に書かれた本です。 「韓流ブーム」と言われている状況と大きく印象の異なる韓国経済の悲惨な状況とそこに至った経緯、また日本がどのようにすべきか、納得のいく内容でした。 ただ、いろんな事象に対しての考察の行きつく先が同じためか、「日本は韓国を反面教師とす...
2012年 民主党野田政権時に書かれた本です。 「韓流ブーム」と言われている状況と大きく印象の異なる韓国経済の悲惨な状況とそこに至った経緯、また日本がどのようにすべきか、納得のいく内容でした。 ただ、いろんな事象に対しての考察の行きつく先が同じためか、「日本は韓国を反面教師とするべき」「ここでグローバリズムはNG」といった結論が何度も出てきてくどく感じました。 本書に従って、韓国の悲惨な経済の成り立ちの経緯について簡単にまとめてみると、 ・韓国がデフォルトに陥ったとき、IMFあるいは世界銀行が問題を片づけるために融資をするそのときに各種の条件を突きつけた。(「ワシントン・コンセンサス」) ・そのうち、直接貿易の受け入れ促進 が、グローバリズム(資本移動の自由化)に拍車をかけた。 ・外国人労働者が入って来るので人件費は下がる(→国民の所得が減る)。 ・輸出入貿易は成長し、GDPは増える(ただし外国資本)。経済成長により物価は上がる。 ・物価は上がるが国民の所得は減る。(→スタグフレーション) (自殺者比率が世界一の理由と考えられる。) こんな感じでしょうかね。 そもそも日本と韓国では経済モデルが異なる ということや、「グローバル資本」の存在について意識するきっかけになったかと思います。
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サムスン電子に代表される、「グローバル市場を席巻する」韓国企業。 日本企業の多くも、そのような韓国企業を見習うべし!と、研究と模倣に取り組んでいますね。 そんな韓国の経済が実は「大変な状態」であり、日本は見習うべきではない、というのが、本著のアウトラインです。 きっかけは1997...
サムスン電子に代表される、「グローバル市場を席巻する」韓国企業。 日本企業の多くも、そのような韓国企業を見習うべし!と、研究と模倣に取り組んでいますね。 そんな韓国の経済が実は「大変な状態」であり、日本は見習うべきではない、というのが、本著のアウトラインです。 きっかけは1997年の通貨危機。 IMFの管理下となった韓国は、経済構造の大きな転換を求められます。 その代表が、産業ごとの寡占企業化。 体力を強くした韓国企業は、グローバル市場に進出し、成功を収めます。 しかしその企業の株主の多くは、海外の投資家。 さらに、グローバル市場での競争力を高めるため、韓国企業の従業員は賃金を低く、抑えられています。 企業の利益が国民に還元されない仕組み。 これが、著者の言う「グローバル経済に殺される韓国」という意味なのだなと、理解しました。 そんな韓国の政策、韓国企業の取り組みを見習おうとする日本国、日本企業は間違っていると、著者の主張は展開していきます。 僕は特に、前半の韓国経済状況の分析の部分が参考になりました。 この本を読むと、韓国の経済が今後どのように進むか、興味が沸きますね。 いたずらに真似するだけでなく、その背景と構造を理解する。 韓国、中国の経済関連の本については今後も、読んでいきたいと思います。
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本当に、「国債発行 -> 日銀による買取 -> 財政出動 -> 公共投資 -> デフレ脱却」となるのかな。けど、もう他に手立てがないのか?大前研一やユニクロの柳井社長のコメントに違和感を感じていた理由が分かった。米韓FTAについてマスコミはそのメリット・デ...
本当に、「国債発行 -> 日銀による買取 -> 財政出動 -> 公共投資 -> デフレ脱却」となるのかな。けど、もう他に手立てがないのか?大前研一やユニクロの柳井社長のコメントに違和感を感じていた理由が分かった。米韓FTAについてマスコミはそのメリット・デメリットを報道すべきだと思うけど、何も報道がないのはなぜ?
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