ママと7つのお願い の商品レビュー
愛情に溢れる実母相姦だが終盤で少し締まりのない印象
タイトルにある『ママ』は実母(未亡人)である。全7章立てで、それぞれに「お願い1~7」と章題を付けているので『7つのお願い』となっているが、実際に7つものお願いをしている感じはなく、明確なのは「お願い6」以降であろう。要するに、序盤から中盤となる「お願い5」までと、それ以降ではテ...
タイトルにある『ママ』は実母(未亡人)である。全7章立てで、それぞれに「お願い1~7」と章題を付けているので『7つのお願い』となっているが、実際に7つものお願いをしている感じはなく、明確なのは「お願い6」以降であろう。要するに、序盤から中盤となる「お願い5」までと、それ以降ではテイストが大きく分かれ、最後のエピローグにおける仏壇前の合体で、この母子の新しい関係をはっきりさせた内容と言える。 と言っても最後までおあずけで焦らされる展開ではなく、現実的がどうかはさておき、なかなか知恵を絞ったきっかけから、紆余曲折を経て結ばれるまでが序盤で済んでいるため、中盤以降の官能成分も、その濃さを維持している。むしろ、背徳の爛れた淫ら生活がエスカレートしていく様を描いた中盤はかなりいやらしい。 そして、ずっと懊悩と葛藤を続けていた実母が、理性と感情、そして肉欲の狭間から開き直りに近い形で自らを解き放って以降が終盤となるのだが、ラヴコメで言うところの「デレた」状態が、可愛らしくもあるのだが、結果的には少々裏目に出ているようにも思えてならない。というか、少し早過ぎた感がある。軽いM性と露出癖のある実母だが、作中でも自ら述懐しているように「弱い女」であり、依存度が高いからこそ受け身の良さもあったのだが、タガを外して積極的になってからの実母には慎みが欠け過ぎているようにも思われ、起承転結の「転」として作者が狙ったであろうギャップの仕掛け及び矛先が少し的を外しているように思えた。「お母さん、ちょっとデレるのが早かったんじゃないかなぁ~。あと、上品さを失い過ぎ(苦笑)」とのツッコミも入れたくなる。 逆に申せば、ここまでエスカレートしたのであれば、最後が仏壇前のような予想の範疇よりも、いっそのこと墓参りに出向いて、そのまま白昼の墓前で、あるいは墓石にしがみつかせてガンガン責め立てるくらいにまで行き着いてもよかったのでは?と思うのは読み手の身勝手だろうか。
DSK
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