機動戦士ガンダムUC バンデシネ(6) の商品レビュー
バナージの意思で止められる筈のパラオでの戦闘。けれど、戦闘を止める為のマリーダとの会話が逆に戦闘を引き伸ばしてしまうという…… これを欲をかいたと表現すべきか、それとも戦闘を止める為に全力にならなかったと見るべきか…。また、バナージにとって不幸と言えるのはNT-Dの存在だね。ニュ...
バナージの意思で止められる筈のパラオでの戦闘。けれど、戦闘を止める為のマリーダとの会話が逆に戦闘を引き伸ばしてしまうという…… これを欲をかいたと表現すべきか、それとも戦闘を止める為に全力にならなかったと見るべきか…。また、バナージにとって不幸と言えるのはNT-Dの存在だね。ニュータイプを殲滅するシステムはバナージの意思に反して苛烈な戦闘を行ってしまう 常人には不可能な戦闘はバナージがユニコーンの処理装置となる事で成立してしまう。戦いを忌避するバナージの存在が戦いを継続させる構図はあまりに残酷 だからこそ、最後の最後に意思をねじ込んでユニコーンを止めてみせたバナージは変化の兆しを手にしたといえるのだろうね マリーダへの攻撃を止めた後に繰り返し発され、マリーダにも教え諭された「それでもと言い続けろ」 これはバナージにとってとても大切な指針となるね 既にバナージが戦場を構成する一つの単位になっている事実は変えようがない。その中で誰かを殺してしまう可能性も変えようがない。けれど、それが可能性であるならば最後の最後まで自分を戦闘単位として扱わない事でバナージは戦場を変えられるかもしれない マリーダとの再戦はバナージにユニコーンの恐ろしさを突き付けたけれど、同時にユニコーンで戦場を変えられる可能性も示したわけだね そういった可能性が示されつつも、状況が動き続けている点はどうしようもない。連邦もネオ・ジオン残党も『ラプラスの箱』を求め続ける。その鍵となるユニコーンの使い手であるバナージが状況の中心を為す構図は変えられない。バナージの意思は無視される だから今のバナージには自分を再びユニコーンに載せようとするダグザは「悪い大人」に見えてしまうのかもしれない 一方でダグザ自身もバナージをそういった状況に追い込む自分に忸怩たる思いを抱いているという構図は好み 彼は自身を組織を構成する歯車であると認識し組織の論理に従って行動しているけれど、その中でどうにかしてバナージを「一人の大人」として守ろうとしている その想いが現れたのがユニコーンへの同乗なのかもしれない バナージもダグザもとても大きな存在の構成単位である事実が有るために、思い通りの行動は取れないどころか想いは無視される バナージはそれと出逢ったばかりだから向き合い方が判らず藻掻いてばかり。けどダグザがそれとずっと向き合ってきたとするならば。この二人が同じコックピットに乗り込んで会話を積み重ねるのはバナージのこれからにとってとても良い影響を齎すのかもしれない そして宇宙世紀始まりの場所にて起きる不要な筈の戦闘。ここでもバナージに難しい選択が突き付けられるね。ギルボアが求めるのはマリーダの奪還。つまりギルボアの要求を通せれば戦闘は止められる でもそれは敵の言い分だし、そもそもシャトルからどうやってマリーダを救い出すというのか?どう動くか判断の難しい局面に再び現れる赤い彗星 マリーダとの戦闘で得た変化の兆しをどう扱うのかという点が試されているかのようだ
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え、もうこの巻終わり!? というテンポの良さ、と、まあ何かが起きそうと引っ張ってから止められた感。その分キャラが掘り下げられていて、マリーダの回想やダグザの徹底した態度が印象的。
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瞬く間に戦場と化すパラオ。騒乱の中、ユニコーンで離脱するバナージの目の前には、再びマリーダのクシャトリヤが立ち塞がるのだった。「ラプラスの亡霊」編突入。そして、新武装も登場。
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マリーダさん……うぅっ(´;ω;`) ダグザさんは思いの外いい人ですね。ご都合主義なNT-Dシステムとラプラスさえ無ければ非常に良いヒューマンドラマなんだけど…と作品の骨子全否定かあああ! ところで、ガンダム系作品って主人公周りの女子キャラが総じてキチガイじみてて鬱陶しいですよね...
マリーダさん……うぅっ(´;ω;`) ダグザさんは思いの外いい人ですね。ご都合主義なNT-Dシステムとラプラスさえ無ければ非常に良いヒューマンドラマなんだけど…と作品の骨子全否定かあああ! ところで、ガンダム系作品って主人公周りの女子キャラが総じてキチガイじみてて鬱陶しいですよね。
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バナージをはじめとして内面の変化に焦点を当てた話がメインのため画面上の盛り上がりはあまりないが、その分印象的なカットが多かった。台詞は少ないが却って思いが伝わってきた。
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