どんどん沈む日本をそれでも愛せますか? の商品レビュー
「今、そしてこれから」を生きていくために、何をどう考えればいいのか。 霧の中を進むためにフォグランプを点灯してもらったような印象の対談。
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うぅむ‥やっぱり面白かった。 私はこんなに「今」を俯瞰出来ていない。 というか、まわりが見えていないんだなと思った。 そして見えるか見えないかは、知っているか知らないか、見ようとするかしないかで決まるんだと感じた。 言葉にすると当たり前のことだけど、今まで1点しか見ないで「なん...
うぅむ‥やっぱり面白かった。 私はこんなに「今」を俯瞰出来ていない。 というか、まわりが見えていないんだなと思った。 そして見えるか見えないかは、知っているか知らないか、見ようとするかしないかで決まるんだと感じた。 言葉にすると当たり前のことだけど、今まで1点しか見ないで「なんか分からない」と言っていたんだなと気付いた。 じゃあ、これから何を見るのか、今まで見てこなかったものって何?何があるの?っていうことをこの本からかなり教わった‥はず。 少なくとも「今」を見るためには、今目の前で起こっていることだけを見てもダメなんだ。 もっと前のこと、他の国のこと、そして先のことも見ないと…って、言葉にするとこれも当たり前だなぁ、情けなくなってくる。 「身体性」という言葉が繰り返し登場して、それが1番印象に残った。 「どんなきれいごとも、語ってる人間の身体が担保する以上の射程距離には届かない。」という言葉を読んで、その射程距離が分からないという事態が発信側にも受信側にも起きているのが「身体性」の欠落なのかな…と。 「生身の個人が固有名で出来る範囲内で仕事をするっていうこと。」と、言葉にされると自分の射程距離が少しイメージ出来る。非常に狭い範囲だということ。 でも、例えば政治家に求めていることは、たぶんもっともっと広い範囲のことで、もちろん全部1人でやれなんて思ってないけど、「やるよ!」って言われた時に出来るのか出来ないのかというのは冷静に考えれば見抜けることなのかもしれない。 また改めて読み直したい。 第3弾も出たら絶対読みたい。 タイトルがどうなっているかが、1番興味あるかも。
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メモ。 サドベリースクールについて調べる。 ドラえもんは原子力で動いている。 3.11以降脱原発に踏み切ったのは日独伊である。 ナウシカを見る。 デモには消費税がかかるらしい。 大阪の橋本さんの復讐劇について。 お父さんは、必要だよw? 賞味期限50年という問題。 …という内容です。うそ。そんなわけないじゃんねw 3.11をこのお二人はどう受け止めているかという興味のみで購入し、読んでいます。 思ったよりというか思ったとおりというか… 冷静に受け止めてらした感じです。 っていうか、3.11前からお二人があーだこーだ言ってたことに決定打打たれたというか、世間の明るみに出てしまったのが3.11っていうかね。いや、ちがうな…。3.11ってうか、原発問題が。 お二人のお話していたことに関して、私が興味を持って調べてみようと思ったことが上記のメモになります。 考える切っ掛けを得ることができた本、ということでしょうか。
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3.11以降。 やはり日本は変わってしまった。 自民が、民主が、などとは行ってはいられない状況のはずなのに。 むしろ今は政治家が政局論争に逃げ込んでしまっているかのようだ。 この国で政治に無力感を感じて久しく、 これほどの災害と人災があったのにもかかわらず なにも変わろうとし...
3.11以降。 やはり日本は変わってしまった。 自民が、民主が、などとは行ってはいられない状況のはずなのに。 むしろ今は政治家が政局論争に逃げ込んでしまっているかのようだ。 この国で政治に無力感を感じて久しく、 これほどの災害と人災があったのにもかかわらず なにも変わろうとしない。 ただ、経済の調子がいいときには無関心でいられた「政治」に、 今はもっと関わろうとする動きも出てきている。 われわれひとりひとりに何ができるのかを 真剣に考えていきたい。 そんな気にさせる、優れた対談。
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資本主義(もっというとカネ中心主義)の限界が見え始めた3・11以降。 (原発再稼働を強力に押し進める根拠が結局カネの問題であることに違和感を感じた人も多かったのではないか) カネ中心主義とは違った考え方が重要となってくるのであろう、というのがこの本のコンセプト。 というかみんな...
資本主義(もっというとカネ中心主義)の限界が見え始めた3・11以降。 (原発再稼働を強力に押し進める根拠が結局カネの問題であることに違和感を感じた人も多かったのではないか) カネ中心主義とは違った考え方が重要となってくるのであろう、というのがこの本のコンセプト。 というかみんな薄々感じてるけど、資本主義の観点から見ると日本の未来は明るくない。 働く人口は減るし、高齢化は進むし、楽になんてなっていくわけがない。 その「沈みゆく」日本での後退戦を戦っていくという意識が必要かもしれない。
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もしかしたら震災以降に書かれた本を読んだのは初めてだったかもしれない。 興味深かった。 ますます人ごとじゃないというか、「おもしろかった」というより「興味深かった」という言葉を選んでしまう心理になる。 読みやすいしなるほどと思う箇所もたくさんあるんだけど、あーおもしろかった、では...
もしかしたら震災以降に書かれた本を読んだのは初めてだったかもしれない。 興味深かった。 ますます人ごとじゃないというか、「おもしろかった」というより「興味深かった」という言葉を選んでしまう心理になる。 読みやすいしなるほどと思う箇所もたくさんあるんだけど、あーおもしろかった、ではすまされないなあと感覚的に思った。 生き抜く知恵が詰まってる。
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読みやすい。(簡単だという意味ではない) この読みやすさは、ロッキングオンというか渋谷陽一さんのひとつの発明だと思う。 アカデミックな書物は、その文体でまず弾かれてしまうひとが多いと思う。文体に慣れるだけでひと苦労だし、すべての人がそういった書物に接続できるわけではない。 そうい...
読みやすい。(簡単だという意味ではない) この読みやすさは、ロッキングオンというか渋谷陽一さんのひとつの発明だと思う。 アカデミックな書物は、その文体でまず弾かれてしまうひとが多いと思う。文体に慣れるだけでひと苦労だし、すべての人がそういった書物に接続できるわけではない。 そういう意味でも、こうして口語で噛み砕かれる話は、我々庶民にとって、様々な知見を拡げるうえで、翻訳書として素晴らしい機能を果たしていると思う。
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2010年末に発売された『沈む日本を愛せますか?』の続編。前作を読んだとき、あぁ大変な時代だなぁなんて呑気に思っていましたが、その後の大震災を受けての『“どんどん”沈む日本を“それでも”愛せますか?』。もっと大変な時代になっちゃったね!タイトルだけで笑ってしまいました。いや、笑い...
2010年末に発売された『沈む日本を愛せますか?』の続編。前作を読んだとき、あぁ大変な時代だなぁなんて呑気に思っていましたが、その後の大震災を受けての『“どんどん”沈む日本を“それでも”愛せますか?』。もっと大変な時代になっちゃったね!タイトルだけで笑ってしまいました。いや、笑い事じゃないけど。 でもやっぱり、いろいろと考え方を変えなきゃならない時に来ているんだとしみじみ思いました。経済成長だ!少子化対策だ!という今まで通りの政策では日本は行き詰まってしまうということを、この大震災で突きつけられたんだと思う。 じゃあこれからどうやって生きていけばいいの?明るい未来はないの?という不安を、この本の中のおじさんたちが解きほぐしてくれます。今の政治家は頼りにならないので、このおじさん達の思いを、次の世代が引き継いでいかないと!
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鼎談(三人での対談)ですが、渋谷陽一は編集者としての立場であまり発言しない。でも手触り感は結局渋松対談。一人で対面してしまうと(読んでいる方も)いきが 詰まってしまいそうな話題にも、三人でならば立ち向かえるという意図かはわからないけど。sink different。あと、フリース...
鼎談(三人での対談)ですが、渋谷陽一は編集者としての立場であまり発言しない。でも手触り感は結局渋松対談。一人で対面してしまうと(読んでいる方も)いきが 詰まってしまいそうな話題にも、三人でならば立ち向かえるという意図かはわからないけど。sink different。あと、フリースクールの話とか、祝島の話とか、高橋源一郎がとてもいい。彼がこの鼎談には一番インプットしているんだけど、たぶん一番得ている人も彼だろうなと思う。
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『沈む日本を愛せますか?』の続編。渋谷陽一編集長の雑誌『SIGHT』に掲載された対談。震災前の2010年11月24日の第1回から2012年2月14日までの7回が収めてある。 震災直後は、これで日本も変わるかもしれないという期待が高まっていたが、いつの間にか震災など無かったかの...
『沈む日本を愛せますか?』の続編。渋谷陽一編集長の雑誌『SIGHT』に掲載された対談。震災前の2010年11月24日の第1回から2012年2月14日までの7回が収めてある。 震災直後は、これで日本も変わるかもしれないという期待が高まっていたが、いつの間にか震災など無かったかのように、原発は再稼働を始め、新幹線整備計画も発表され、経済優先の流れ復活してしまっている。右肩上がりの呪縛から解き放たれることは出来ないのだろうか。だから、このお二方は、「どんどん沈む日本を、それでも愛せますか?」と問わずにはいられない。 今は亡き吉本隆明が戦後間もない頃、太宰治宅に押しかけた時、「男性の本質は何か知ってるか? マザーシップだよ」と言われたことを高橋源一郎が紹介している。太宰治は、戦時中に『女生徒』」を書き、戦後には『斜陽』も書いた。これについて、高橋は「父権制の中心で女性のひとり語りをやったのは、危機にに臨むにあたっては、父親はダメだというメッセージだった。父親でありながら母親を代行するという形を選んだ」と語っている。これを受けて、内田も、「子供より親が大事と思いたい」という太宰の短編『桜桃』の言葉を引いて、「あれは、父親の言葉としては、アンチ・パターナリズムの極地みたいな言語だ」と言う。 太宰治が、あの大戦中、国威発揚の空気からは距離を置いて、小説『右大臣実朝』の中で、「アカルサハ、ホロビノ姿デアラウカ。人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ」と実朝に語らせていたことも思い出される。 日本はどんどん沈みつつあるが、「それでもそんな日本を愛しています」と言うためには、太宰治に学び、発想を変え、語り口も変えなければいけないのかもしれない。
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