おねだり牧場娘 の商品レビュー
軽いテイストでオーソドックスなラヴロマン作品
牧場の美人三姉妹との出会いと触れ合いと絡み合いを軸にした官能青春ラヴストーリーといったところか。竹書房ラブロマン文庫のテンプレとも言える、極めてオーソドックスな構成である。おっとり長女とクールな次女にツンデレ三女もまた王道だが、30代前半と20代後半に20歳でフレッシュな印象。そ...
牧場の美人三姉妹との出会いと触れ合いと絡み合いを軸にした官能青春ラヴストーリーといったところか。竹書房ラブロマン文庫のテンプレとも言える、極めてオーソドックスな構成である。おっとり長女とクールな次女にツンデレ三女もまた王道だが、30代前半と20代後半に20歳でフレッシュな印象。その代わり、妖艶な熟女感には少々欠ける。他にも序盤と最後に顔を出すサブヒロインが1人いる4人体制である。 ただ、三姉妹を軸としながらもラヴ要素は1人に絞られており、残りの3人は、様々な背景や過去による淋しさを束の間に紛らわすような関係で区別している。新入社員でチェリーだった主人公がヒロインそれぞれに官能的な妄想をいちいち思い描くのが若干くどいが、朴訥な正直者のイメージは保たれており、ドジで鈍感ながら、仕事も絡んで一生懸命に頑張る姿と、それに少しずつ惹かれていくラヴロマンスは悪くない。 こうした物語をしっかり描いているのは良いのだが、出会いからきっかけ、そして結ばれるまでに頁を割いた分、官能描写は少々淡白と言わざるを得ない。関係進展を思いやる他のヒロイン達との偶発的な3Pもあり、知らぬ間に交わされる密戯(摘み喰い?)めいた官能場面でもあるのだが、全体としてはヒロインの数だけ分散気味の軽いタッチで、嫉妬もドロドロしたものも無いので、ドラマと併せて楽しむ内容ということであろう。話は面白く、手軽にサクサク読める作品である。
DSK
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