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懐かしの鉄道遺産を楽しむ方法 の商品レビュー

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2013/05/07

駅は駅でなく橋は橋でなくなったけれど 明治時代に陸蒸気が汽笛をあげて以来、日本各地に敷設された鉄道の歴史を今に伝える遺産を、駅舎・橋梁やトンネル・車両・路線・設備・サービスといったテーマ別に紹介。 「遺産」というだけあって現役を引退したり廃線になったりで、もはや駅でない駅、何...

駅は駅でなく橋は橋でなくなったけれど 明治時代に陸蒸気が汽笛をあげて以来、日本各地に敷設された鉄道の歴史を今に伝える遺産を、駅舎・橋梁やトンネル・車両・路線・設備・サービスといったテーマ別に紹介。 「遺産」というだけあって現役を引退したり廃線になったりで、もはや駅でない駅、何も通らない橋なども多いものの興味深かったものをいくつか。 橋梁・トンネル部門では、北海道帯広から十勝三股間を結ぶ旧国鉄士幌線につくられた「タウシュベツ川橋梁」。古代ローマの水道橋そっくりの美しい橋ですが、糠平湖にかかるこの橋は凍結による水かさの変化によって夏から秋にかけては湖水に水没してしまうため「幻の橋」と呼ばれているそうです。湖に消える橋…ロマンチックですね。 車両部門では、「マニ30形客車」通称「マニ車」。戦後50年間平成15年まで極秘にされ続けた幻の車両でした。なぜ極秘だったかというと、この車両は日本銀行が所有する現金輸送列車だったから。発行されたばかりの新札や回収される古紙幣の輸送に使われたそうです。なるほど「マニ車」とは「マニー(マネー)」のシャレなのかと思いましたが、これはあくまで列車の形式番号でそういうわけではないようです。青い車両にはほとんど窓がなく、内部には大型金庫や監視人用の座席や寝台がある特殊な造りとなっているそうです。 異色なのはサービス部門の「落下式トイレ」。若い人はびっくりされるかもしれませんが、かつて長距離列車のトイレの排泄物は線路に垂れ流しでした。私のおぼろげな記憶ではトイレの穴を覗くとそこには線路が見え、「列車停車時は使用禁止」の表示が…。その後衛生上の問題から飛行機で採用されていた循環式トイレが開発されることになったそうです。 文庫本で字も比較的大きくさらっと読めますが、いわゆる「鉄」向けではありません。「鉄」が読むには内容がライト過ぎる。一般の人が「へぇ~そんな駅や車両があったのか~」と感心したり懐かしんだりするのにおすすめ。

Posted byブクログ