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Spectator(Vol.25) の商品レビュー

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2012/08/02
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これからのコミュニティ 「小商いのすすめ」やスタンダードブックストアでのいくつかのイベント。山崎亮さんなど一部て話題の言葉「コミュニティ」。 おそらく東日本大震災を機に「地域の絆」とかそういったものが再評価され出してからの流れなのでしょうが…「絆」ねえ。まあ思うことはありますが、本文は本書の紹介なので、また別の日に書きます。 福島原発事故後の世界 本書は「これからのコミュニティ」と題されてますが、裏テーマとして放射能汚染問題があります。というのも、本書が取材した人たちが、福島原発を含めて何らかのアクションを起こした人ばかりだからです。「放射能汚染がある中で、どう生き方を考えるか」というテーマとも言えるでしょう。 九州に逃げる そういうわけで、本書では何かしら福島原発事故や東日本大震災に関わる話ばかりが出てきます。東北の漁師さんの話、坂口恭平さんの話、ほか、放射能汚染から逃げてきた人の話。 オルタナティブな生活 ところがどっこいテーマにあるようにあくまでも「これから」の話なので、明るいトーンの話ばかりです。キッカケは同じで、やっていることも同じ。今までの生活に見切りをつけて新しいことをしようとしている人たちの話です。 放射能汚染? ところで、僕は放射線それ自体で被害が起きることはないと思っています。確かに急激に浴びたら危ないが持続的に浴びる分には問題なさそうと思っています。 ですが、問題はこの「なさそう」の部分で、放射線が目に見えず、因果関係を証明するための統計量が半端ないために、「今のところ危険ではないと言える」としか言えないということです。しかも、日本は過去の広島や長崎に原爆を落とされており、アニメや映画でもこれまで危ないものとして描かれてきました。 そんな危険だとずっと言われてきたものが、急に飛散したわけです。安全を担保するはずの政府はあの有様。しかも、それが目に見えない。そりゃ、怖くもなるってなものです。これは人間の自然な反応だと思います。ゴキブリが気持ち悪いとかそういったレベルで生理的に受け入れられないと思います。 だから、僕は、反原発に関しては賛成はできないが理解はできるという立場です。 これからのコミュニティ そう考える僕からすると、取材対象の人たちが、今の生活を始めるキッカケには納得いきません。僕は現時点で放射線はそこまで怖いものだと思っていないからです。直感を信じてはいけない領域が、特に科学ではあると思っているからです。 ですが、結果的に好感を持ちました。というのも、放射線とは関係なく今のシステムに疑問を持っているのは僕も同じで、その現行システムとは違うシステムを実践しようと行動している人たちを尊敬するからです。 間違っていることにNOと言う 間違っていることに対処するにはいくつか方法があると思います。 無視する 迎合する 違う方法を見つける 戦う 僕が凄いと思うのは3と4です。それこそが、間違っていることにNOと言うことだと思うからです。近頃、見つけたJASRACに喧嘩を売っている元・爆風スランプのドラマー、ファンキー末吉さんは4の人ですが、3のやり方も好きです。 間違っていると思っても、大きなシステムに一般人が個人で勝つのは難しい。なら、違うシステムを作ってうまく共存すれば良いのです。もちろん日本に生きてる以上、現行システムの影響を皆無にすることは無理でしょうが、うまく共存するようにしなやかにやっていく。そういうオルタナティブな生き方がもっと日本では認められて良いと思うのです。 非電化製品とアーバンパーマカルチャー オルタナティブな活動で大事なことに持続可能性があると思います。どんな活動も続かなければ意味がないのです。大勢を変えるにしても時間がなければ仕方がない。そういう意味で本書で気になったのが非電化製品とアーバンパーマカルチャーです。 非電化製品はリスク管理として非常に有意義だと思いますし、アーバンパーマカルチャーはシステムデザインという考え方に共感しました。要は、やり方は何でも良くて長期間うまくいくようなシステムをどうデザインするかってことが今、求められているのだと思うからです。国家のグランドデザインがどうだって話とも繋がりそうな話ですね。 巻末のエッセイ そんなこんなで、何気に重たかった今回のテーマですが、巻末では全く関係ないエッセイがいつも通りあります。ボブ・マーリイの話や気流舎の共同運営メンバー募集の話なんかは非常に気になりました。 面白い文章かー。本屋探訪。送ってみたら載せてくれたりしないかな。

Posted byブクログ